Column6 原稿用紙の使い方 ~「」/数字~

☆「」

 さて、会話文などで使う「」ですが、これも二種類あります。


 まず、「」を会話文として使うときは基本的に改行し、行の一番上に来るようにします。ここは皆さん、ご存知の通りです。

 問題なのは次です。改行した一マス目にカギかっこを書く場合と、一マスあけて(一マス下げて)カギかっこを書く場合があるのです。これも、書き手に委ねられる部分です。


 また、教育系のサイトでは「」の終わりに句点を付けるように指示がありました。教科書では「——。」としているのですから、原稿用紙もそれに倣いましょう、ということなのだと思います。


 それから「」に入った会話文が長く続き、次の行に行ってしまった場合は、「次の行の一マス目をあけても、あけなくてもいい」と記載がありました。これは『Z会のサイト』にしかなかった内容なので、これを参考にするならどちらでもよいのでしょう。

 ちなみに、私が学校でならったときは「一マスあける」でした。



☆数字

 数字に関しては『NHK高校講座』にしか記載がありませんでしたが、縦書きでは原則漢数字という風に記載がありました。ただし、『NIHONGO』でも述べたことがあるのですが、内容によってはアラビア数字を用いても問題ありません。数学や物理など、数字が沢山出てくるような内容であれば、漢数字でなくてもいいのです。


 また、文章のなかでは漢数字やアラビア数字がごちゃまぜになっていると読みにくいので、どちらかに統一することを勧められていますが、それも作品や書く内容によって破ってもいいルールです。


 しかし、そうは言っても自由にしてはいけないものもあります。

 四字熟語や慣用句などで使われる漢数字をアラビア数字にしてはいけませんし(例:×「2の舞を演じる」〇「二の舞を演じる」)、「ひとつ」を「一つ」と表記していたのに、作品の途中で「1つ」と変えてしまうのはおすすめできないやり方です。



 ざっとこんな感じでしょうか。もっと細々とルールはあるんですけど、そこに入るととっても大変になるので、これくらいにしておきます。これだけでも原稿用紙の使い方を知るには十分な内容だと思いますので……。

 きっとこれで原稿用紙のルールも、ものによって違うということが分かっていただけたかなと思います。


 原稿用紙でさえ、絶対的なルールがないのですから、小説を書くときもおおよそ守った方がいいルールはあっても、それらは絶対に従わなくてはならないルールはないのではないかなと思っています。


 重要なのは「読みやすいこと」。「見た目が美しいこと」。文章を書く上で、これが一番大切なことなんです。つまり文章のルールというのは、「見やすくて読みやすく工夫された方法」ということなのです。


 多くの人たちが採用してきた文章のルールには、それなりのキャリアがあります。ですから、それに従うことはある意味、多くの人に読んでもらえる可能性を秘めているとも言えます。


 ただ上記のルールに囚われず、ご自身の表現したい方法があればそれを貫いてもいいと思います。もちろん、それによって読者の方が付くかどうかの保証はできませんけれど、世の中に出ている書籍を見る限り、驚くような書き方をしているものが沢山あります。

 思わず、「え、こんな書き方でも本になるの?」と思ってしまうものに出合ったことが、幾度となくあるのでそう言えるのですが(笑)


 カクヨムさんでは自由に書いていい世界でしょうから、どういう書き方にするのかは書き手次第、ということですね。

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