Column4 原稿用紙の使い方 ~タイトル~

 前回のColumnでちらっと、「『原稿用紙の使い方』も全く同じものがなかった」みたいなことを書いたかと思います。

 それは「ルールのようなものはあっても、そこからちょっとはみ出ても問題ない」ということです。守った方が読みやすいルールもありますが、囚われすぎる必要もない、ということかもしれません。

 そんなことを思いつつ、折角「原稿用紙の使い方」について色々調べたので、私の考えを補足しながら下記に書いていこうと思います。


 まず、参考にした資料をご紹介しましょう。

「→」は、私が参照した際に思った感想・印象を短くまとめています。原稿用紙を使う際の参考になさって下さい。


【URL】

〇『NHK高校講座 テレビ学習メモ あらためましてベーシック国語 第21回 原稿用紙の使い方』(本文中で記すときは『NHK高校講座』と表記します)

https://www.nhk.or.jp/kokokoza/tv/basickokugo/archive/basic_kokugo_21.pdf

→今回取り上げた参考資料のなかで、もっとも詳しく書かれています。細かいところまで確認したい方は、おススメです。


〇『Z会 小学5・6年生のための作文力アップサイト ゼロから学ぶ作文の書き方 原稿用紙の使い方』(本文中で記すときは『Z会のサイト』と表記します)

https://service.zkai.co.jp/el/course/sakubun_club/sakubun-kakikata/genkouyoushi.html

→小学生向けということもあり、書き方の例と解説が丁寧に書いてあって分かり易いです。原稿用紙の使い方を改めて確認したい方におススメです。


【書籍】

〇はやみねかおる『めんどくさがりなきみのための文章教室』(飛鳥新社 2020.3.10)

→原稿用紙の使い方については、全体の3%程度しか触れていませんが、見開きで書き方の例が載っているので、それは分かり易いです。


〇井上ひさしほか・文学の蔵編『井上ひさしと141人の仲間たちの作文教室』(新潮文庫 H14.1.1)

→原稿用紙の使い方については、掻い摘んだ程度しか触れていません。しかし、「これは慣習になっている」とか「このように書くと格好いい」など、さりげなく文章のルールについて触れており、かつ、それがどうしてルールになっているのかについて説明されていることがあります。



 これらを元に「原稿用紙の使い方」について確認してみましょう。



☆タイトル

 この作品を示す大切なものですね。これを一行目に書くことはどの参考資料でも大体同じです。

 ただ、「上を何マス空けるのか」については考え方の幅が広く、「一マスあける」というものもあれば、「四マスあける」というのもありました。総合的に多かったのは「二~三マスあける」が多かったですが、この時点で結構書き手に委ねられているのがお分かりになると思います。


 ちなみに、『NHK高校講座』では「一行あけて、二行目から書き始めることもあります」と記載がありましたし、はやみねかおる氏の書籍にはタイトルに『』二重カギかっこが付いていました。


 ちなみにプロの作家のタイトルの書き方も、皆さんまちまちです(学校の作文や感想文とは違うということもありますが)。

 井上ひさし氏は、原稿用紙の右半分にタイトルを書き、左半分から本文を書き始めていたようです。作家さんの中には、一枚目にタイトルだけどーんと書く方もいらっしゃったようです。人柄が表れますね。


 長くなるので、次話に続きます。

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