第4話 春④

・・・O・・・



同じクラスになったけど


もうニシにはニシの仲間がいて


俺には俺の仲間がいて


やっぱり昔の様にはいかなかった。


潤が同じクラスだったことが俺にとってはアンラッキーだった。



潤は


小学校の時から


ニシの事が好きだと公言していて


二人が仲良しなのは周知されてるから。




潤がニシを好きって言ったのは


いつも付きまとう女子たちが嫌になったからで


いえばニシは被害者だ。からかわれる対象になって


あの頃はよく泣いていたのを思い出す。


そして


そんな風にからかってるやつらをやっつけに行くのが潤で


なんとなく潤がニノを助けてる雰囲気になっていたけど


潤、そもそも、おまえのせいなんだからね。



そして俺は俺で


ショウ君とまた同じクラスになっていた。


ショウ君とは


小学校の3年生の時から今までずっと一緒のクラスだ。


優等生で生徒会長のショウ君と


勉強も部活もあんまりやる気のない俺が


なぜか一緒にいる。


腐れ縁・・・かな。



出来ればニシと


腐れ縁だったら良かったのに・・・。



マサユキはやっぱりバスケ部の仲間と一緒にいるけど


天真爛漫に


ニシや潤の野球部仲間の中で いっしょに騒いでいることもある。


昔野球をやっていたから


話も合うんだろう。


そして


俺のところでもいろいろ話していく。


ショウ君ともすっかり仲良しだ。



・・・



俺が一人で壁を作っているのか・・・。



きっとマサユキの姿が


正しいクラスメートとのやりとりなんだろう。



「おーちゃん。」


ぼーっとしてたら


ニシが俺の横に着ていた。


急に声をかけられて驚いた俺は


「んだよ!」って大きな声を出してしまった。


それに驚いたニシはビクっとなって少しおびえた顔をした。


「あ、ごめん・・・・なんでもない・・・じゃあ・・・。」


ニシは行ってしまった。



「おーちゃん、そんな言い方・・・。」


そばにいたショウ君がたしなめるように言う。


「用なんてないんだよ。何 かしこまってんの?」


「・・・かしこまってるって、そんなんじゃないから。」


「おーちゃんは昔からマイペースだからね。」


「・・・・」


「でもそんなんじゃ、友達が俺しかいなくなるよ。」


ショウ君が笑って言った。



せっかくニシと同じクラスになれたのに


なんだか思い描いていたようにいかない・・・。


イライラする。


どうしたら


ニシと昔のように一緒にいられるのか。



もう、過去は過去で終わったことなのか。



新学期から俺の悩みは尽きない。



ニシを探すと


ニシがマサユキと話してる。


今なら


俺も仲間にはいれるか?


いま大声を出したこと謝らないと・・・。


俺は席を立った。

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