私の崩壊
滝川葉風
12月21日 AB型
163㎝ 50kg
横浜栄市訓練校所属
1年3組 真昼隊
ポジションは後衛
レアスキルは視界延長
サブスキルはステルス
親友なし、彼氏なし。彼女なし。
使う戦術機。
・タイフーン
・タイフーンマギカノン。
・グングニル
好きな食べ物:魚料理
趣味:猫のマスコットの小物集め、テラリウム、絵を描くこと
苦手なもの:心霊現象
出身地:アイスランド
兄2人、姉、妹
中華系アイスランド人。
寡黙で鋭い目つきのため厳格だと思われがちだが実は少女趣味で弱気。衛士としては未完の大器。
中等部までは姉妹と同じくスウェーデンの衛士訓練校に通っていた。高等部から横浜衛士訓練校に指定校推薦入学。
大量の苔リウムが部屋に置いてある。アイスランド時代から育てている
交友関係
愛花:ルームメイト。
オフェリア・ファムルソローネ:アイスランドの友人
三姉妹の真ん中で優秀な姉と妹に囲まれて育ったため自信のない性格。無口で感情表現が苦手なため、困ると黙りこんでしまい「怒ってる」とよく誤解される。学生寮では愛花とルームメイトである
スカートにはスリットが欲しい。
力、左右共に二・〇
私服はあまりない。
一学期の通知表、国語4、数学4、社会4、理科4、英語4、保健体育4、音楽4、美術4、技術4、家庭4得意科目、特になし、苦手科目、特になし
髪型にこだわりはないが、前髪が長い。
小学生の頃から一貫して伸ばしている。
散髪は昔は親が、今は自分で。
無口、無言。
無口、無言。
目を見られないように。
目を見ずに済むように。
人と目を合わせるのが苦手。
人の多いところが苦手。
性格は内気、根暗、人見知り。
しゃべ人の視線が苦手、見られたくない。
見るのも見られるのも嫌。
いつもいて、地面を向いてぼそぼそと、途切
れ途切れに言葉を紡ぐ、喋るときは。
黙っている。
口をつぐむ。
語彙が少なく、喋るのが苦手。
相手の顔を見ながら喋れない。
好きな小説、ジュブナイル。
好きな映画、ファンタジー。
好きなスポーツ、フィギュアスケート(観戦)。
好きなゲーム、レトロ。
好きな音楽、フォークソング。
好きな色、水色。
好きな人達、レギオンのみんな、家族、神林。
好きな人、妹の蒼風
嫌いな人、自分
◆
『嫌なことがあれば、逃げれば良い』
『全部、僕が持っていこう』
◆
横浜衛士訓練校の校内。
愛花はレギオンの人たちと一緒にいるところで葉風と出会い、口を出した。
「聞いてますか、葉風さん。いくら顔を合わせ辛いとはいえ、訓練を休み続けるのはよくありませんよ。何か心の進展はありましたか?」
「…………………………………………」
ああ、どうしよう。それらしい言い訳をして、この場を切り抜けるとしましょう。なんて言えばいいんでしょうか。
すみません、現在前向きに検討しています、課題
をピックアップし、企画書を仕上げ、各方面にアプローチし、連夜ブレインストーミングを行っている最中ですとか?
いやいや、そういうことではなく。
普通に言い訳すればいいですかね。
まずはいつも通り。
いつも通りにいつも
のように、『ごめんなさい』から切り出して、あと。
その場の流れで。
「うっせえんだよ!」
誰か何か、言いましたか?
「進展なんかあるわけねーだろ、俺様にてめえの
理念を押し付けてんじゃねーぞ、ああん!?」
場が空然としています。
周囲のみなさんと遠巻きに、そんな葉風を見つ、みんな同じ表情です。
それは葉風の声ではなく、いつの間にか葉風のあと颯爽と現われた格好良い生徒の声でしたとか、そういう展開なのかと思いましたけれど、違
って、やっぱり正真正銘、滝川葉風の声でした。
滝川葉風の肺から出た空気が。
滝川葉風の声帯を通って
滝川葉風の口腔内から発せられた声でした。
ただそこには滝川葉風の意志はありません。
「人の面見りゃあ、今日はどうですか? 訓練はにご一緒しませんか? 妹さんとの関係はどうでした? はぁ? どうなったこうも、今の俺様がどうなったってどうなるもこうなるもねーよ! どうにもなんねーって! マギ交感で気分良かったのに憂鬱な気持ちさせやがって。まず落ち込んでる私を見かけたら、まずは「大丈夫?」くらいは言えねーのかよ、ルームメイトがよぉ!」
「ゆ、葉風さん? ど、どうしたんですか、何か」
戸惑う愛花に、滝川葉風はだんっ!と、
「進展なんかあるわけねーだろ、俺様にてめえの願望を押し付けてんじゃねーぞ、ああん!!!」
愛花が唖然としています。
周囲のみなさんも遠巻きに、そんな葉風を見
ながら、みんな同じ表情です。
いや、できれば葉風だって、皆さんと同じ表情を浮かべたいものなんですけれど遠巻きに滝川葉風さんを眺めていたいものなんですけれど、しかし、愛花の後ろに見える姿見に映る滝川葉風の顔は、凶悪な怒りに燃えたそれでした。
髪型云々ではなく。
初めて見る女の子でだけど。
それでも確かに滝川葉風なのでした。
歯を噛みしめて、眉を吊り上げて、目を血走らせ
て周囲すべてを睨みつけて。
確かな『滝川葉風』でした。
「人が黙って頷いてやってりゃあ、好き勝手言いやがって 勝手に失望してんじゃねーよ、無茶な頼
みごとだってことは、てめーが一番わかってんだろうが!? 人の心の問題で強化衛士件で他の仲間に口出しして怒られたの忘れたのかよ!! その頭に脳みそ入ってるのか!! ルームメイトに無茶言うのがてめえの仕事か!! 家族間のコンプレックスから始まる諸々の長年の苦しんで、いつまでも解決できねーことが出会って間もない人間に解決できるわけあるかあ、ああん!!」
「ど、どうしたんですか、葉風さん」
戸惑うに、再び滝川葉風ではだんっ!と、足を踏みます。
廊下を割らんばかりに。
口だけじゃありません、表情だけじゃありません、
滝川葉風の身体のすべてが勝手に、滝川葉風の意に反して、動きます。
意に反して?
しかしそれは本当にそうなのでしょうか?
「どうもしねーよ!! 誰だって怒るだろうが、そんな無茶ばっかり言われてたらよお! 当たり前だ、これが普通だってんだああん!!」
叫びます。
口汚く、声を荒らげて、怒鳴りつけます。
愛花を、と言うよりも
自分の周りのすべてを。
恨みと憎しみを込めに込めて。
真っ直ぐに対象を見据えて。
叫びます。
「ざっけてんじゃねえぞ、愛花!! やっつけお節介にやりがいを感じてんじゃねーぞ、やるなら最後まで付き合えや!! 人任せにしてんじゃねーぞ、本人の自主性を重んじる? 人間に自主性なんかあるか! 導くならちゃんと面倒を見て世話をしろ!」
「······」
何を言っているんでしょうか、滝川葉風は。
くちゃくちゃだ。
言ってることが滅茶苦茶です、いえ、正直、愛花の隣で一緒に茫然としたいです。
まったく同じリアクションを取りたいです。
これでは、滝川葉風ではなく台風です違います。
やっぱりこれは、滝川愛花で他の誰でもない。
あからさまな滝川愛花で。
見るからに、滝川愛花なのです。
これが―『私』。
これが 「私らしさ」。
「ど、どうしたの、葉風ねぇ.....」
戸惑いながら、愛花の隣りにいた蒼風は、それでも滝川葉風に声を掛けてきます。葉風の両肩を、なだめるように、手で持って――
「気安く触ってんじゃねえ!」
その手を、滝川葉風は振り払いました。
滝川葉風の意志では、もちろんありません、だけど、振り払うのは、滝川葉風の身体です。
振り回すのは滝川葉風の腕です。
「人をなんだと思ってんだ―人形か何かか!? は……どうせ俺様は家の出涸らしだよ、何を言われたって言われるがままだよ! だけど、だからって何も感じてねーわけじゃねえぞ!! おとなしい奴が、本当におとなしいと思ってんな!! 無口な奴だって、腹の中じゃあ色々考えてるんだよ!! 黙ってるってのは、意見がないってことじゃねえ!! 何も感じてねーわけじゃねえぞ!!」
やっぱりこれは、滝川葉風で
あからさま滝川葉風で。
他の誰でもない。
「本当におとなしいと思ってんな! 腹の中じゃあ色々考えてるんだよ! おとなしい奴が無口な奴が黙ってるから自分の都合の良い想像してんな!!」
見るからに、滝川葉風なのです。
「それが、わかんねー奴が、人に何かを教えようとしてんじゃねーよ!」
「葉風さん……」
「葉風ねぇ……」
なんという暴言。
とてもではありませんが、レギオンメンバーに対する口の利き方ではありませんというか、ルームメイトとか妹とか、どうとか言うより、人に対する口方ではありません。
「は、葉風さん? 最近、訓練にも出ずその物言いはいかがなものですの?」
と、離れたところから、声をかけられました。
風間さんです。
親切な人だったことは覚えていますたまたま通りかかり、この騒動にぶつかったという感じで、彼女も彼女で、混乱を隠しきれないという感じでした。
「取り敢えず落ち着かれた方がよろしいですわ。貴方の喋り方といいなんか、凄い疲れてるんだって」
見れば、ギャラリーの数がものすごいことになっ
そう。体感としては、十万人のオーディエンの前でライブをしている感覚です。
実際は二十人くらいですが。
その数の視線を、しかも奇異の視線を浴びること滝川葉風は心が折れそうになります。
に
『かわいそうな子』を見る目。
そう言ってもいいのでしょうけれどこの場
は、もっと酷いかもしれません。
「おかしな子」を見る目、です。
しかし、その奇異の視線からは逃れることはでき
ません―何より滝川葉風自身が正面を向いて。
俯くことなく、目を伏せることなく
彼らを見据えているからです。
「落ち着け? 落ち着いていた結果がこれだろう
が疲れてる? 見りゃわかんだろうが! そり
疲れてるよ! 疲弊してるわ!! そのまんまの事実を述べて、良い事したみてーな気分になってんじゃねえ!!」
滝川葉風は、普通に、ただただ普通に滝川葉風を心配してくれていたのであろうその風間さんにまで牙を剥きました―見境なしとはこのことです。
いや、しかし。
これはきっと八つ当たりではないのです――すべ
てが。
今、この学園中にあるすべてが滝川葉風にとっての、怒りの対象なのです。
怒っているのです。
滝川葉風は怒っているのです。
「どいつもこいつも、まったくもって、どいつもこいつだぜ、ああん!! 日和見みてーな連中ばっかりだ! 風見鶏かてめえらは、あっち向いたりこっち向いたり、くる くるくる回ってんじゃねーよ!! 状況わかってんのか!? 世界がピンチで、やべぇって時に個人的感情だぁ!? ああん!? 馬鹿ばっか!! どうでも良いだろうがよ!! 使えなければ外せば良い! さっさと切り替えていかねぇといけない時期にダラダラ、ダラダラ、ダラダラ!! お気持ち察しくれってなんだそりゃあ!? 俺も含めてダブスタばかりの学園だぜ!!」
「……葉風さん」
「ああ、それでもいい、わかったよ何を言ってわかんねーんだろうしな、てめーには、てめーらの道理があるんだろうよ」
これくらい怒鳴ろうが愛花が、腫れ物に触るようないえ、壊れ物に触るような口調で、葉風をなだめようとします。
しどろもどろと言っていいでしょう。
おとなしい、根暗な生徒が「キレて」しまったと
きの、マニュアル的対応とも言えそうですけれど
思い返してみれば、葉風は普段から、そんな扱いを受けていたような気もしなくはありません。
壊れ物に触るような。割れたガラスを掃除するような。
遠巻きの一定以上近付いてこない、言葉。
何を言われても遠い。
葉風の心には届かないし、響かない。
「ただ、私は貴方の力を自信を持つべきだと」
「自信なんて、俺様にあるかあ!! どんだけ人を見る目がねーんだよ!! 滝川葉風がどれくらい駄目な奴かくらい、ちゃんと見抜け!! 言動に騙されてんじゃねーぞ、しっかりしろ、そーだよ、俺様は駄目なやつだと思い込まないとやっていけないレベルで弱っちぃやつなんだよ!!」
滝川葉風は続ける。
「まあ、確かにこれくらいのことなら、誰の身にも起こりえることだろうよ。多かれ少なかれ、誰しも経験する、よくあることって言うか………苦労話にもなってないって言う話なんだろうぜ!! ああん!? まあ人並みよりはちょっと辛いかもしれないけれど、でもそんなこと言ってたら、世の中やっていけねぇからなぁ!! 俺様だけが不幸なわけじゃないんだから、頑張らないと。 私はまだ幸せなほうだぜ、こうして故郷も! 家族
も! みんな生きているんだから......なぁ!? ああん!?」
滝川葉風は頭を掻く。
「ああ、ったく…·····うまくいかないなあ。今度こそやり直せると思ったのに…………… また蒼風が同じ学園とか、ありえなぇぜ」
やっぱり運命じみたものを感じるよ。
滝川葉風はそんなことを言う。
滝川蒼風を真っ直ぐ見つめて、顔を近づけて、言葉の暴力を叩き込む。
「呪いのような運命を。お前は俺様の人生の節目節目に現れて、災厄をまき散らしていく」
「……私のせいなの? 蒼風ねぇ」
「そうだ。お前らせいで俺様の人生、滅茶苦茶……違う、違う」
ぶん、と首を振った。
「わかってるわよ。お前のせいじゃない、俺様が悪い、ってことは親のせいでもない。姉や妹のせいでもない、生まれたのが俺様じゃなきゃあ、もっとまっとうな人生だった。俺様が悪い。俺様が悪い。俺様が悪い」
しかし。
けれども。
だけど。
だけど、だけど。
だけど、だけど、だけど。
「だけどさあ、お前のせいにでもしなきゃ、やってられないんだ、蒼風。申し訳ないけど、俺様の悪者になってくれよ。 もう駄目なんだよ、追いつかないんだよ、現実が、状況を悪者にしているだけじゃあ追いつかない」
「葉風ねぇ」
「どうしてうまくいかないんだろう。俺様は、私、ちゃんとやってるのに。努力しているし、頑張ってるし…………そりゃ性格とか頭とか、色々おかしいところはあるけれど……………、ここまでの罰を受けるような悪いこと、何にもしてないじゃん。 教えてよ、蒼風。なんで、私はずっとこんなんなの。幸せな、せめて人並な生活すら送れないのはなんでなの……?」
◆
蒼風は正面から言い返す。
「ゆーねぇが潰れるほど重い生活なんてこの世にないよ。普通の生活は、普通の衛士の幸せは、まぶしくもなければ重くもない。幸せを過大評価するなあらゆる幸せは、葉風ねぇにとってちょうどいいんだ」
過去の自分を責め続けるのは反省とは違う、責任
回避の行為だというのは言う通りだが、さ
りとて、過去をすっぱり諦め、すっぱり切り離すのが正しいわけがない。
無論、何が正しいかなんてわからない正しさなんてわからない。そんなものは見失ったし、失
った。だけど何が間違いかくらいはわかるつもりだ。
滝川葉風を、このままにしておくのだけは、間違いなんだ。
幸せは、滝川葉風という努力家で真面目な彼女にあつらえたようによく似合うんだ。
「だからそんな風に、幸せを嫌うな。世界を嫌うな、何もかもを嫌うな自分を嫌うな。葉風ねぇの身体の中にある『嫌い』は全部、私が受け止めてあげるから、受け入れるから、葉風ねぇはもっと自分のことを好きになって」
滝川葉風を好きになれ。
滝川蒼風のことを好きなだけ嫌っていいから滝川葉風のことを好きになれ。
滝川蒼風が、滝川葉風のことが好きなくらいには。
「確かに私は今、とても幸せ。だからこそあえ
ていうよ、こんなもんは、誰もが持ってて当たり前のことなんだよ!! 葉風ねぇ!!」
「………………………………………………………………………………………………………………………」
「いつもひとりで悩んでて相談さえしてくれない」
「………………………………………………………………………」
俺様、いや、私は人のことをまるで知らなかった
……いや知ろうとしていなかった。人と本気で向き合うのを避けていた。なのに蒼風は。
「なんでもない日の繰り返しを、やさしい先輩や、厳しいルームメイトに、競い合うクラスメイト、命の危険はあるけど仲間と共に戦って、普通に学院で勉強してレギオンの人達と生き残る。それをきっと幸せって言うんだよ、葉風ねぇ」
「…………………………………………………………」
本当は、もっとみんなと居たかった。
横浜衛士訓練校で。
一緒に戦って。
部屋で楽しくお茶をする。
だけど、最後の会話。
最後。
あの、日々は、ただそれだけの事が。私にとっては宝石だった。
「また明日」って。
手をふる。
「蒼風……これ、渡しておく」
「え?」
「これがあればこの世界で生き残るのは、可能性は低くても、この力なら不可能ではないかもしれない。許されるのなら、許して、く、れるのならっ......デストロイヤーのことも、家族のことも、仲間のことも全部忘れて、この世界から出て、安全な世界に逃げて。蒼風が選んでくれるなら、私も、一緒に………………わたしも全部捨てて、逃げる。逃げれるから。デストロイヤーの恐怖から」
何の話か分からないが、思いもしなかった。
デストロイヤーの恐怖がある世界から逃げられるのか。
何もかも自分で勝手に。
今ならば。
背負った荷物捨てて、それを捨てたところで天涯孤独。
いや、ゆーねぇがいてくれると言うのなら。
ああ……きっと、どこに行ったって、その未来は。
……………………………………………。
…………………………………………………………。
「葉風ねぇが、何を言ってるのか、正直よくわからないけど」
『弱者の痛みは弱者にしかわからず、弱者ゆえに自ら自分を救う事ができない。強者に助けてもらう他ない』
『弱者は他の弱者の痛みがわかる。助けたいと思うが自分も弱者ゆえにそれもできない。痛みや願い、強さ。人間の根本に根差す精神性はその当人にしかわからず自分自身でしか自分は救えない』
『自分だけが不幸で、自分だけがなにも持ってなくて、だけど愛花達は幸せで全てを持っていたなにも辛い事を感じずに』
『そう思っていた。だけど違う』
『強者には強者なりの苦悩や辛さがある』
『自らが置かれている環境による辛さや苦しみはある。だけどそれを、どの程度の辛さや苦しみと捉えるかはそれを受けた当人次第。その苦しみを受けてどこへ向かおうとするか、それで弱者か強者が決まる』
『滝川蒼風は、彼女なりの不幸があった』
『姉に比べながら苦しみや苦悩に負けずに前を進み続けたからこそ今の滝川蒼風がいるのであり、そこが滝川愛花と滝川蒼風を分けた』
『なにも滝川葉風が悪いのではない』
『だけど、滝川蒼風が強者なのはなにも初めから強かったんではない』
「私は、この世界を捨てれない。大切なものが、沢山あるの」
「そう……なら『敵同士だ」。さようなら、滝川蒼風』
真っ赤な血が、横浜衛士訓練校を汚した。
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