朝寝坊

バブみ道日丿宮組

お題:求めていたのはパイロット 制限時間:15分

朝寝坊

 いい朝だなぁと目覚めてみれば、

「9時!?」

 目覚まし時計は、9時を示してた。

「はぁ……」

 なんだ、まだ夜か。18時に寝てたから、半端に起きたんだなぁ。

「んー?」

 でも、妙に明るかった。

 室内灯が必要ないくらい、日の光が差し込んでた。

「……やっちった」

 完全な寝坊だ。

 スマホを立ち上げると、何通もメッセージ、着信が入ってた。

 クラスメイトの友だちだ。

 家に電話をかけても、訪ねてみても反応がなかったとのこと。

 両親は初々しく二人で旅行。

 娘を一人残して、ルンルン気分で一週間の旅に出てる。

 いろいろ言われたんだよね。一人で起きれるか、ちゃんと寝れるか、ご飯食べれるかって。子どもじゃないから大丈夫。ちゃんとできるから安心して行ってきて。

 そんな会話を出発前にしたものだ。

 今日は平日最後の日。両親が帰ってくる日だった。

 まさかそんなに限って、寝坊してしまうとは。

 落ち着いてる場合じゃないと、大急ぎでパジャマを脱いで、制服に着替える。

 寝癖を直して、髪を結ぶ。

 朝食は抜きだ。

 お昼も購買でなにか買うしかない。財布から千円札を取り出し、カバンの中に入れる。

「よしっ?」

 電車の乗り継ぎもあるし、急がなきゃ。

「……行ってきます」

 家を出る前に、お祖父ちゃんの仏壇にお線香をあげる。

 これはどんなことがあっても、絶対にやること。

 怒られたって、お祖父ちゃんに挨拶がしたい。

「よしっ」

 家に鍵をして、駅へと向かう。

 こんなとき専属の運転手とかいたら、交通も便利なんだろうな。

 お金持ちのクラスメイトはいつも車で登下校してる。たまに乗せてもらったりもする。すごく便利だった。その分、体力も精神も鍛えられないけど。

 駅にたどり着くと、ラッシュ時とは違って空いてた。

 学校とか会社の開始時刻をずらせばいいのにと、私は思う。

 数分待たずとして、電車がやってくる。

 乗車中に、クラスメイトにメッセージを送り、空を見る。

 今日も蒼が広がってた。

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朝寝坊 バブみ道日丿宮組 @hinomiyariri

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