第三章 何をいまさら?(それでも、好き)

アイツの笑顔は反則だ。

何も、さからえなくなる。


十年前と同じ手の温もりが、私の左肩に伝わる。

振りほどけない情けなさに涙がこぼれ、同時にその右手を握りしめる私を知った。


愛している。

そんなフレーズが頭をよぎる。


浸るには、少し、歳を過ごしすぎた。


そんな事はない。

キーボードを叩く人の想いは伝わらない。


私は、どうするのだろう。

私の、微かに残った青春の灯は。


人は皆、詩人になる。

酒に酔えば、特に。


私の幸せは。

私の恋は。


ガンバレ、私。

きっと、素敵なハッピーエンドが。


君を待っているよ。


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