第二章 待ち合わせ(続いたんだ?)

時計塔の人形は午後一時に動き出す。


ある程度の人だかりが、何だかなぁと、私の故郷への想いを代弁する。

久しぶりの帰郷。


アイツからのメールが無ければ。

いくら、GWといえども、私は帰らなかっただろう。


私は防御している。

高校の部活の頃が思い出される。


「ディーフェンス!」


叫ぶ後輩の声に後押しされ、敵のボールを奪った。

そのまま彼女達の表情を見ながら、最後の力を振り絞った。


ターン・アラウランド・シュート。


結果はどうあれ、汗臭い少女達のハグは、今でも嬉しい。

青春って、そんなものだろう。


むず痒く、照れくさい。

それだけでも、私は幸せだ。


何だか、人生を堪能したオッサンみたいだと、書いている本人も苦笑している。

でも、彼女、私には感じてほしいんだ。


過ぎ去った青春も、それほど、悪くはないと。


待ち合わせ時間の五分前にヤツは現れた。

相変わらず、爽やかに白い歯をこぼしている。


自分の胸キュンを、さとられまいと。

おっと、彼女の名前は・・・。


私で・・・いいか。


私は数年ぶりに見る、元カレ・・・そう、呼んでもいいよね?


アイツに向かって、大きく手を振った。

何年もしたことが無かった笑顔と共に。






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