第19話 決意新たに

「事実は小説より奇なり」って本当なんだな…。

 兄と愁が、付き合ってるなんて…。

 ……。

 男同士だよな…。

 色々、ぶっ飛びすぎている。

 ……。

 まっいっか。二人が良ければ、オレがどうこう口出す事でもないしな…。

 複雑すぎて、オレの手にはおえないわ。

 うん。

 そうだ。

 それより、今は今月末にある県予選だ。

 オレも冬月も県大会出場だ。せっかく、稽古したんだからな。

 ギュッと拳を握った。


「トーナメント、出来上がってきたぞ。」

 愁が、床にトーナメントを広げる。

 部員4人がそのプリントを中心に座り込む。

 団体は、上位5チームが県大会へ行ける。1回戦目は、金城高校か。確か、ここも部員少なかったはず、この4月で新入部員が何人入ったかわからないが、もしかしたらウチみたいに欠員になってるかもしれない。勝てるかも…。

 個人戦は、各高校3人ずつ出られて、ベスト8が県大会。

 年に2回ある合同稽古会がある試合の個人戦は、全員出られるのに残念だ。

 オレは、1回戦目は立花高校の櫻井となっていた。愁と試合してるのを見た事がある子だ。愁は、勝ってたけど。オレも頑張らないとな。

 愁は問題なく強いから、心配無しだな。

 沢渡は今回は学内選抜で外れたから、団体戦のみの出場。

 問題は、章斗だ。「蒼生高 萩原」となっていた。またか…。個人戦って何か、当たる人被るよなぁ。章斗もこの間、1回戦目で当たって負けてるから、トラウマだろうな…。かといって、上位を目指すなら、何回戦目で荻原に当たろうが、勝たないといけないんだけど。実力からすれば、勝てる相手なんだけどな。

 ま、とにかく勝利を確実にする為には、稽古だな。

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