第8話 謝罪と興味

カツカツのスケジュールをなんとかやりくりして時間を作った。


打ち合わせの時間を少しずつ短縮して、事務仕事と、確認決済を全部後回しにして、必死にかき集めた1時間半。


つぐみは、平日ののどかな昼下がりに店を訪ねた。


あの突発事故から1週間半が過ぎていた。


ガラス張りの窓の向こうに見える店内に、早速若い女性客を発見して、足元から始まって服装やメイクまでくまなくチェックしてしまうのは、もう職業病だと思う。


時間が出来れば街に出たり、雑誌をチェックして、道行く女性たちの服装を眺めるのが日課になっている。


こういう服装の子には、ハイカットの切り返しスニーカーが似合いそうだな。


膝上ワンピースに合わせるなら、太めのヒールパンプスも素敵だな。


考え始めたらキリがない。


手土産片手に店の前で立ち往生しそうになった自分を叱責しつつ、つぐみはドを押し開けた。


先日は六車に引きずり込まれたので、ゆっくり眺める暇も無かったが、こうしてみると、外観からとても拘ったつくりになっている。


ビルの一階に入っているカフェは、アイボリーの外壁に蔦を這わせて、コンクリートの無機質さを和らげている。


どっしりした木製のドアにも違和感を感じないのは、蔦がドアにまでかかっており、一体感が生まれているからだ。


大通りから路地を一本入った通りは、周りに美容室やセレクトショップが立ち並んでいる。


わずかに喧騒が遠くなったこの場所に立つ店は、中に入ると、時間の流れが少しだけ遅くなった気がした。


あの日と同じく、ゆったりとしたジャズが流れている。


幸いなことに、店の周りを囲んでいるのが背の低い店舗ばかりなので、日差しが遮られる事無く降り注ぐ店内は、間接照明だけでも十分に明るかった。


夜に尋ねた時とは違った、柔らかい日差しと空気に包まれる。


ランチ利用客を見込んでか、前回来た時よりも一人掛けのテーブルが多いように感じた。


時間帯によって配置換えをしているのかもしれない。


ぐるりと店内を一望すれば、おひとりさまの女性客が3人と、散歩途中に立ち寄ったらしき老夫婦が一組、男性客が1人いた。


歩き心地になじみがあって下を見れば、入り口からずっと板張りになっている。


これもこだわりなのだろう。


カウンターを覗き込めば、すぐに店主の男性と目が合った。


つぐみを見て、ぱっと表情を明るくする。


接客業の鑑のような穏やかな笑顔で迎えられてホッとする。


「このあいだの・・!いらっしゃいませ」


夫の声に、カーテンの向こうから妻が顔を覗かせる。


「あら、また来てくれたんですねー!」


「先日はコーヒーご馳走様でした。きちんとご挨拶もせずに帰ってしまって申し訳ありません。お礼もちゃんと言えず仕舞いで・・・しかもノートまで」


「そんな気にしないでくださいよ。壱成くんのお知り合いの方なら、僕らにとっても大切なお客様ですから」


「そうそう、スラっとした綺麗な人だったねーって、後でふたりで話してたんですよ。壱成くんが、誰かを連れて来た事なんて一度も無かったから!」


夫の言葉に続いて、妻も口を挟んでくる。


女性スタッフがこぞって騒ぎ立てる整った顔をしていたことは認める。


てっきり、可愛い女の子をとっかえひっかえして連れて歩いているのだと思っていた。


ここは彼の隠れ家的な場所だったようだ。


つぐみに向けられる、てらいのない真っ直ぐな厚意。


向けられた笑顔が柔らかい分、色々誤解がある認識に、胸にぐさりと刺さるものがある。


聞き慣れた定番のお世辞に苦笑いを貼り付けた。


「知り合いっていうか、今仕事をお願いしているだけで、知り合いにもなってません。先日も、たまたま前の道でお会いしただけで、巻き込まれたっていうか、引き込まれたっていうか・・・」


「予期せぬ偶然ってやつですね!」


人当たりの良い可愛い笑顔ではしゃぎながら、妻が手を叩く。


何を期待しているのか知らないが、つぐみにとっては全く面白くもなんともない偶然だ。


正直言って迷惑なだけ。


六車が行きつけの店だというのなら、尚更もうここには寄り付かない方が良い。


忘れないうちに、と手に持っていた紙袋を差し出した。


「あの、これお世話になったお礼と、新しいノートです。良かったら使って下さい。本当にありがとうございました」


「えええ!わざわざそのために来て下さったんですか!?気にしないでくださいねー、ほんとに!」


「すみません、お気遣いありがとうございます」


よく似た人の良い笑顔が返って来て、その温かさにしばし見惚れそうになる。


夫婦が似て来ると言うのはあながちウソでもないのかもしれない。




一緒に過ごした時間が、生活していくうえで生まれてくる共通点が、ふたりを包む空気感が、少しずつ境界線を曖昧にして、恋人から家族になっていく。


恋愛すらした事のないつぐみにとっては、憧れでしかない夫婦。


どうせなら、こんな風に同じ方向を見て並んで歩ける人と一緒に生きていけたらいい。


きっと歩幅だって自然に揃っていくのだろう。


いつになく将来の幸せなイメージが浮かんで、嬉しくなる。


仕事に追われる毎日で手いっぱいの日常に、素敵なロマンスが入り込む余地は一切ない。


学生の頃は、部活動に明け暮れていて、部活一色の毎日から抜け出した後は、身長のせいで恋愛事から進んで遠ざかってきた。


いつか大人になったら・・・なんて、シンデレラストーリーを夢に描いてみたけれど、社会人になったつぐみを待ち受けていたのは、デザイナーとして必死に知識と経験を積む毎日。


二つの事が一気にできない不器用さもあって、まずは一人前にと思っていたら、どんどん年齢だけがかさんでしまった。


24歳になった頃には、誰とも付き合った事が無い事を周りにも言えなくなっていた。


恋愛ドラマを見ても、ホームドラマを見ても、感想は”いいなー”の一言に尽きる。


誰かと思い合って向かい合うなんて行為は、雲の上すぎてちっともピンと来ない。


”いつか”と先延ばしに来た恋愛をすっ飛ばして、いきなり”結婚”に対する素直な憧れが生まれた事に、正直驚いた。


出来るだけ、そういうこと自体から目を背けて来たのだ。


でも、目の前にいる自然体の夫婦を見ていると、不思議と”いいな”が身近に感じられた。


期待しても仕方ない事を知っているのに、左手の薬指を撫でてみたりする。


恐縮しきりの夫婦に、紙袋を強引に押し付ける。


受け取った妻が、中身を見て声を弾ませた。


「わ!可愛いノート!こんな素敵なのいいんですか?」


お店の雰囲気に合うかなと思って、行きつけの雑貨屋で選んだ古紙を使ったレトロなノートだ。


一緒に入れたお菓子は、仕事の合間に摘まんで貰えるようにと、小分け包装のカップケーキにした。


そちらに食いついたのは夫の方だ。


「あーこのお店のオーガニック菓子好きなんです!黒糖カップケーキ美味しいんですよねー。妻より僕のほうが甘党なんで嬉しいです」


「あのお店って、ガーネットの系列ってご存知でした?社長の奥様が趣味でされてるお店なんだそうですよ」


「ええ!そうなんですか!」


「うちの社長が懇意にしていて、聞いたんです。どうりで美味しい筈ですよねー。平日しか開いてないっていうのもレア感があっていいし」


「分かります!タイミングが合って新作に巡り合えた時とか、運命感じますよね!」


「もう、発想がおおげさ過ぎだから」


呆れた顔で妻が突っ込んで、今のノートが終わったら、これに変えさせて貰いますね、と大切そうにノートを抱きしめた。


その丁寧な仕草に、きゅんとなる。


ものを、ただのもの、としてじゃなく”品物”として扱える人が、つぐみは大好きだ。


靴をただの履物ではなく、自分の人生の相棒そのものだと思っているから。


「今日はお時間あるんですか?お仕事とか聞いてもいいもんですかね?えっと・・」


店主の問いかけに、つぐみは時計を見て頷く。


先日は口を付けるにとどまったコーヒーも飲みたかった。


つい癖で、仕事でもないのに名刺を差し出してしまう。


名乗るだけでいいと気づいた時には、彼の手に名刺は移動していた。


「八月一日です。読みにくい名前なんで、下の名前で呼ばれる事が多いんです。靴屋のデザイナーをしてます」


「ぼくは津金秀徳(つがねひでのり)です。ああ・・・それで、壱成くんが、つぐみさんって呼んでたのか。てっきり親しいのかと・・すみません」


「妻のすみれでーす」


レジ横から、先日つぐみがやぶったキャンパスノートを持ってきながらすみれが手を上げて名乗る。


六車が名前で呼んでいたので、あらぬ誤解を招いていたらしい。


これでひとつ誤解が解けたのなら本当に良かった。


「少しだけ時間があるんで、コーヒー頂けますか?メニューもろくに見ずに帰ってしまったので・・ほんとろくでもない客ですよね・・」


「とんでもない。壱成くんも時々あんな感じなんで、慣れてますよ。この時間は、日差しがあるから窓際席にどうぞ」


「ついでに、今度はイラストと、メッセージも良ければ書いて行って下さいねー」


差し出された、ちょっとよれたキャンパスノートを受け取って微笑む。


六車と同じなのは釈然としないが、理解して貰えるのは嬉しい。


アイデアは、浮かんだ瞬間が勝負なのだ。


泡のように消えるまえに、掴んで記憶しておかなくては一生再会出来ないこともある。



「夕方5時まではカフェメニューなんです。夜は、お酒も出すんですよ」


背の高い丸テーブルとイスが設置された窓際の席に腰を落ち着けて、すみれの開いてくれたメニューを覗き込む。


クロワッサンサンドにガレットなどの軽食の他に、日替わりパスタランチもある。


極めつけは、特製てりやきバーガーだ。


男性でもお腹が膨れそうなガッツリメニューは、お店の雰囲気にそぐわない気がしてしまう。


「男性客も満腹になるようにって、ジャンクフード好きな旦那が提案したメニューなんですよー。女性はハンバーガーだけでお腹いっぱいになっちゃうけど。壱成くんは、いっつもオニオンポテトとサラダも付けてバクバク食べてます。お勧めですよ」


六車と同じものを勧んで食べるのはちょっと、と抵抗を覚えるが、面と向かってお勧めです、と言われて別メニューを選ぶのも気が引ける。


実の所、来店時間を作る為にお昼はおにぎり一個で済ませてしまったのだ。


朝ご飯を食べない派のつぐみの腹は、素直に空腹をアピールした。


きゅるきゅる鳴るお腹を必死に押さえつつ、お腹空いてるしじゃあそれで、と赤面しながら伝える。


「あはは!お腹空かせてきてくれたなら、尚更サービスしなきゃですね!ちょっとお待ちくださーい」


「す、すみませんっ」


火照る頬を抑えつつ、カウンターに戻るすみれを見送ってからキャンパスノートを開く。


この間はじっくりと見る事が出来なかったが、様々な人の文字が並んでいた。


”カフェショコラが最高でした!”


”初デートで来ました。美味しかったです”


”ハンバーガー完食。満腹。また来ます”


”雰囲気のいいお店で気に入りました”


”いつも美味しい珈琲をありがとう”


”来週の試験受かりますように”


”彼氏と仲直りして、次はふたりで来たいです”


メニューへの感想や、報告、お願い事まで。


多岐に渡る文章を眺めていると、この店に来る人々の顔がおぼろげに浮かんでくる。


少し下の行には、励ましのメッセージなんかもあった。


店主夫妻も、手が空いた時に書き込んでいるようで、新作の試作品報告などが見受けられる。


そして、ところどころ店の雰囲気を評価するコメントが見られて、そのたび頷いてしまった。


初めて来た時もそうだったが、店の全体を包み込む穏やかな空気は、ずっと腰を落ち着けてしまいたくなるほど心地よい。


随所にみられるお洒落な雑貨は、つぐみのようにおひとり様来店した時にも、目を愉しませてくれるだろう。


つぐみが案内された階段上のスペースは、パーテーションで仕切られている奥に、カップルが一組寛いでいる様子だった。


おひとりさまも、カップルも、友達連れでも、夫婦でも、それぞれが自分たちの心地よい時間を思う存分味わう事の出来る空間になっている。


通常の店より、広めに開いたテーブル同士の感覚は、隣の客を気にしなくていいようにという配慮を感じる。


半ば下ろされたロールカーテンのおかげで、眩しすぎる事も無く、通りの様子を眺める事も出来る。


「なんって居心地いい店なの・・」


六車行きつけの店でなければ、通いつめたいところだ。


デザインに煮詰まった時、駅前のカフェを梯子してアイデアを絞り出すつぐみは、常連の店を未だに作れずにいる。


絶妙のボリュームに絞られたBGMが、周りの話し声を程よくカットしてくれているところも良かった。


スケッチブックを開いた途端、隣のテーブル席の井戸端会議が気になって、手が止まってしまうことがしばしばあるのだ。


キャンパスノートに挟まれていたのは緑色のペン。


けれど、つぐみはカバンから愛用の色鉛筆を取り出す。


やっぱりこっちのほうがしっくりくる。


「おまちどうさまでしたー」


まずはお店へのメッセージをと意気込んだところに、すみれがバスケットとトレーを手にやってきた。


パラフィン紙の上に載せられた、ハンバーガーのバンズが目に入って、つぐみは思わずヨダレが垂れそうになった。


はみ出したたっぷりレタスと、チーズ、ベーコン、そして、肉厚のパテは二枚。


とろみのある照り焼きソースとマヨネーズがパラフィン紙にまで零れておりさらに食欲をそそる。


そして、さらにバンズのすぐ下に見えているのは・・・


「すっごいおいしそう・・・あれ・・・目玉焼き?」


月見バーガーとは言われなかった。


きょとん、となったつぐみに、すみれが得意げに告げた。


「壱成くん専用の、スペシャルメニューなんです。半熟目玉焼き入りにしときました」


「えええ!すみません!」


ハンバーグと目玉焼きの鉄板の組み合わせ。


マズいわけがない。


丁寧にお礼を言って、しっかり両手を合わせて頂きますと口にする。


必死になって齧りついたら、あまりの美味しさに頬が落ちそうになった。




ひとまず贅沢バーガーで空腹を満たしてから、改めてノートに向き直る。


程なくして、すみれがあつあつのコーヒーを持ってきてくれた。


店主が拘ったオリジナルブレンドらしい。


”まさに都会の隠れ家ですね!計算され尽くした素敵な内装と、家具、思わず時間を忘れてしまいそうになりました”


叶うなら、新店舗も同じような空間に仕上げたい。


また来たい、と思えるような店に。


ただ感想を書くだけのつもりが、色鉛筆を持つと走り書きのイラストを付け加えてしまった。


色鉛筆は、つぐみにとって魔法の杖だ。


全部の柵を取っ払ってつぐみの心を自由にしてくれる最強の武器。


その作用は、中毒性があって、描き始めると止まらなくなる。


青の色鉛筆で描いたメッセージを黄色とピンクの線で縁取って、花やリボンを書き込む。


一気にカラフルになったスペースを埋めるように、お気に入りのモチーフを並べた。


”コーヒーの味もまろやかで、ほっとする味でした”


また来ますね、と付け加えられないのが悲しい。


ハンバーガーは、今まで食べたどれよりも美味しかった。


シャキシャキのレタスは、作り立てならではだし、甘めの照り焼きソースは、つぐみの好みの味だった。


酸味が少し強めのマヨネーズとの相性も抜群で、しつこくない。


肉汁たっぷりのパテと、蕩けた黄身が口の中で重なった瞬間の至福感と言ったらもう。


すみれの言った通り、女性はひとつで満腹だ。


六車がいない時を見計らって来るのはアリかもしれない。


そんな事を考えていたら、カバンの中でスマホが震えた。


念の為、席に座った時にタイマーをセットしておいたのだ。


うっかり長居してしまわないように。


急いでタイマーを切って、残りのコーヒーを飲み干すと席を立つ。


休日の朝、早起きして文庫本でも買ってくるのもよさそうだ。


「ごちそうさまでした。もう病みつきになるくらい、美味しかったです」


「良かったー。そう言って頂けると何より励みになります」


津金の笑顔に、つぐみも微笑みを返す。


その言葉はなによりの本音だろう。


だって同じ気持ちだから。


”こんな靴探してたんです、嬉しい”


”サイズが豊富で助かりました”


”可愛いのに、歩いても疲れないなんて、最高ですね”


店舗を覗いて接客した際に、そんな感想を受け取ると、毎回その場で泣きそうになる。


自分が目指していた答えと、ニーズが合致していると確認できるたび、勇気が、自信が生まれる。


そして、もっとやってやろうと思うのだ。


現状維持なんて、冗談じゃない。


もっともっと、素敵な可愛い、綺麗な、女性により添える靴を。


だから、同じように頑張っている人が見られると、励まされる。


肩を叩きたくなる。


頑張ろうよ。


「お腹だけじゃなくて、このお店と、ご夫婦に、心もすっごく満たされました」


つぐみの言葉に、津金夫妻が顔を見合わせてにっこりと微笑む。


「嬉しいです、ありがとうございます」


「来て貰えて本当によかった。あたしたちは、アイデアを出す仕事をしている人を、壱成くん以外に知らないから、あんな何時間もテーブルに噛り付いてしんどくないのかなって話してたんです。でも・・ね」


「コーヒーお持ちしたの時の、つぐみさんの表情が、本当に楽しそうだったから・・・ああ、いいなと思って」


「え・・・」


「こんな風に無我夢中になって、向き合える事があるのって、羨ましいなって思ったんです。だから、会えてよかったです」


”羨ましい”なんて、言われた事なかった。


つぐみが欲しいと思うもの、憧れるものは、いつも別の誰かが持っていて、この手に落ちて来る事は一度だって無かったから。


誰かに自慢できる何かなんて、持っていないと思っていた自分が、誰かにとってほんの少しでも”眩しい”存在になれたのなら・・・ほんの少しだけ、自分を好きになれる。


今度はつぐみがお礼を言う番だった。


六車云々抜きにして、やっぱりまた来たい。


この出会いをこれっきりにはしたくない。


「ありがとうございます・・このお店大好きになりました。また・・・来てもいいですか?」


「もちろんです!つぐみさんが来てくれたら、目玉焼き、サービスしちゃいますよ!」


「今度は、あたしが考案した明太パスタのランチも食べて下さいね」


「次に来る楽しみが増えますね」


ささいなやりとりに、胸が弾む。


道行く人を眺めるのもいい、けれど、こうして誰かと言葉を交わして知り合うのも、ずっといい。


それだけで、心は柔らかくなって、豊かになる。


「ほんとに、ごちそうさまでした。また、絶対来ます」


夫婦揃っての見送りを受けて外に出る。


さっきよりも風が優しい気がした。

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