向かえ!南の洞窟

 魔族の潜んでいる可能性のあるピトリの王都より南に位置する洞窟への調査と向かう事としたギン達。


 そんな中、ルルーは狭い道がある洞窟という話をピトリ女王より聞いていたので、メンバーの厳選を提案する。


「道が狭い洞窟だと聞いているから私達も大人数で行くとかえって不利になる恐れがあるからここはメンバーを厳選しましょう」

「確かにそうだな、それで考えはあるのか?」

「まず傭兵団はこの王都に残していきましょう、もしかしたら女王陛下を狙ってくるかもしれないし」

「傭兵を指揮する奴も必要でしょう、俺もここに残りますよ」


 ルルーの傭兵を王都に残すという案を聞いて、傭兵の指揮の為に自らが残るとウィルが志願し、ルルーが返答をする。


「確かにそうね、お願いするわ」

「ルルーよ、私もウィル殿とここへ残ろう」

「ムルカ様もですか?」

「うむ、私も治癒魔法を使えるし、いざという時に備えてな」


 ムルカも治癒魔法をいざという時に使用する為に残る話をし、それをルルーも承諾する。


「分かりました、それではムルカ様にもここをお願いします」

「そうすると洞窟に向かうのは……」

「ええ、私とギン、ブライアン、そしてエイムとジエイね」


 ルルーが厳選メンバーの名を告げると各々が返答をする。


「分かった」

「はい」

「おう」

「承知」


 返答を終えたギンがルルーに対してある提案をする。


「ルルー、馬車ではその洞窟を通れないかもしれなさそうだし、馬車もここに残し俺達だけで向かうのがいいだろう」

「そうね、地図を見た感じ徒歩でも1日もかからなさそうね」


 ギン達のやり取りを聞いてムルカが声をかける。


「王都や女王陛下は我らが守り抜いてみせる。調査を頼むぞ」

「お任せください、それでは行って参ります」


 ルルーがそう言うと、ギン、エイム、ブライアン、ジエイもルルーと共に徒歩で南の洞窟へと向かう。


 洞窟へ向かう途中でブライアンがジエイに声をかけている。


「ジエイ、お前の耳の良さなら狭い洞窟だと更に役に立ちそうだな、ちょっとした動きでもお前が捉えてくれりゃあ奴らを一網打尽だぜ」

「しかし、魔族も何かしらの罠を仕掛けている可能性がありますし、油断は禁物です」

「ジエイの言う通りよ、慎重に動くに越したことはないわ」


 ブライアン達がやり取りをしている中エイムがギンに声をかけている。


「洞窟の構造がもし儀式に適しているとしたら魔族が潜むことはあるかもしれませんね」

「だが、もしその洞窟にリーザがいれば救出の絶好の機会だ」


 洞窟に少しづつ近づくギン達、果たして魔族はそこにいるのか?

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