公演の夜
プレツの港町ニリでミックサック団の公演が行われる事となり、ギン達はその時間まで街を回ることとした。
ギン達が街を回っている間にミッツ教団の司祭に文を届ける為、郵便所に行ったルルーと、それに同行したブライアンの帰りを待つ為にムルカは港の船着き場で待っていた。
しばらく待っていると、ルルーとブライアンが戻って来て、ルルーがムルカに声をかける。
「ムルカ様、お1人でどうされました?それにみんなは?」
「貴殿達の帰りを待っておったのだ、皆なら今、街を回っておる」
ムルカの言葉を聞いて、ブライアンがムルカに対し疑問を投げかける。
「旦那1人でか?さっき言ってたじゃねえか孤立させてはダメだってよ、なんで自ら孤立してんだ?」
「私はあくまでもこの街にミニル殿のみを残していくのが危険だと言ったまでだ。むしろ私には貴殿がルルーを心配で仕方なく着いて行ったように見えたが」
「俺がルルーを心配?旦那も冗談を言う事があるんだな、まあいいやギン達は街を回っているって言ったな、俺達も後を追おうぜ」
そう言って、ブライアンは街の賑やかな方向に向かって歩き出し、またも先走るブライアンに対し、ルルーが呼びかける。
「待ってブライアン、1人だと迷うわ」
そう言いながら小走りでルルーはブライアンを追いかけ、それを静かに見届けていたムルカはゆっくりと歩きながら2人の後を追いかける。
ブライアン達がギン達を追いかけるが、両者は中々合流することなく、いつの間にか日が沈みかけていた。
日が沈むと共に周囲の空気が変わったことにジエイが気付き、ギン達に呼びかける。
「皆さん、街の人々がどこかに集まろうとしていますな」
「それって、まさか……」
「ミックサック団の公演でしょうな」
ギンとジエイのやり取りを聞いてエイムが2人に声をかける。
「それなら私達もこの人達に着いて行きましょう、そうすればルルーさん達とも合流できますよ」
「そうだな、どっちにしても公演は観ていくつもりだったしな」
「では、参りましょう」
ジエイがそう言うと、ギン達は揃って街の人々の動きに合わせ、ミックサック団が公演をしている会場まで向かって行く。
段々とギン達にも街の雰囲気の変化が伝わり、人々が多く集まっている広場へと到着する。
「だけど、ブライアン達は一体どこにいるんだ?こんだけ人がいると探しにくいな」
「多分、あいつらもこの公演を観ているはずだ、終わってから探しても遅くはないだろう」
「そうだな、公演を楽しむとすっか」
いよいよ始まるミックサック団の公演、果たしてどんな舞台になるのか?
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます