久しぶりの休息
プレツの港町ニリへと到着したギン達の前にミニルと同じ観光ギルドに所属する女性モニカが現れ、彼女からミックサック団がニリで公演予定だという情報を得る。
そんな中、ミニルはモニカに連れられ、観光ギルドの仕事を公演期間中にする事になったのだ。
そしてムルカより自分達も公演を観ていこうという案がで、ルルーがムルカに疑問を投げかける。
「しかしムルカ様、我々としても一刻も早く魔族の情報は得なければいけません、そんな時に公演を観ている暇はないと思いますが」
「ルルーよ、魔族との戦いにはミニル殿の力も必要であろう、万一なにか起こればミニル殿だけ孤立しているのは不都合であろう」
「確かにそうですね、とりあえず司祭様には文だけ送っておきます」
そう言ってルルーはミッツ教団の司祭に文を送る為、街の郵便所へと向かおうとする。
「待てよ、俺も行くぜ」
「どうしたのブライアン?どういう風の吹き回しかしら」
「さっきのムルカの旦那じゃねえけど、孤立しているのは不都合だろ」
「ふふふ、あなたにしては気が利くじゃない」
ルルーはいつものように軽口を叩くが、ブライアンは特に怒る様子もなくルルーに呼びかける。
「くだらねえ事言ってねえで行くぞ」
「あっ、待って!っていうか郵便所の場所分かるの?」
ブライアンの後をルルーが追いかけて行くのを見て、ウィルがヨナに小声で声をかけている。
「ブライアンの奴、珍しくルルー様の軽口に怒らなかったな」
「ブライアンも何度も似たような事を聞いたらさすがに怒るのもバカバカしくなるんじゃないかな」
「そういうもんかねえ」
ウィルがあまり納得いっていない中、ギンはムルカに声をかけている。
「それなら俺達はどうしますか?」
「公演まではまだ時間があるし、街を回っていれば良かろう。私はここでルルー達の帰りを待つ」
「それじゃあお願いします」
ギンの言葉にムルカは頷き、ギン達は街を回る為に移動を開始する。
移動の最中にヨナがウィルに声をかけている。
「そういやあ、あんたこの街出身なんだよね、なんかお勧めの料理とかってないの?」
「そうだな……」
ウィルがヨナに街のお勧めの料理を教えようとしている間にエイムがギンに話かけている。
「ギンさん、こんなにのんびりできるのもすごく久しぶりな気がします」
「そうだな、色々気になる事はあるが、今はゆっくりしよう」
「そうですね、久しぶりの公演楽しみですね」
大きな戦いの前のひと時の休息をギン達は楽しんでいた。
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