安心する日々

 エイムがギンの思いに寄り添ってくれたから、自分とギンはしっかりと兄妹として向き合えた事にプラナは感謝の気持ちを伝え、更にこの先もギンを支えて欲しいと懇願する。


 プラナの懇願に対し、エイムは少し照れながら返答をする。


「はい、と本当は言いたいんですけど、結構いつも私の方が助けてもらってるっていうか……ご迷惑をおかけしているっていうか……」

「いや、エイムさんはそんなに謙遜なさらないでいい位すごい事をしてますよ」

「でもいつもギンさんの方がすごいというか……何というか……」


 エイムが謙遜しながらもギンの事を賞賛している姿を見てヨナは一言もらす。


「あんだけ頑張ったんだからエイムももう少し胸を張っていいと思うんだけどな」

「ねえヨナ、エイムのあんな顔って私初めて見るような気がするんだけど」

「そうかな?」

「もしかしてエイムって……」


 ミニルがエイムについて何かを言おうとしたら、突如プラナがギンに対して言葉を放つ。


「ねえ兄さん、ちゃんとエイムさんに感謝の気持ちって伝えている?」

「え?それは今言っただろう、お前も聞いていたじゃないか」

「そうじゃなくて、私は普段からそうしているかって聞いているの」

「どうしたんだ急に?」


 プラナがギンに対し、エイムに感謝の気持ちを伝えているかを尋ね、ギンが逆に質問を返したので、ギンに対し声をあげる。


「その様子じゃあ、伝えていないようね。いい兄さん、ちゃんと兄さんが少しの事でも感謝している事をエイムさんに言わないとエイムさんいつまでも自信が持てないわ。分かってる?」

「プ、プラナさん、いいんですよ。実際いつも私の方がギンさんや皆さんに助けてもらっているんですから」

「いいえ、こういう事はちゃんと言っておかないと!兄は優しいんですけど、少し言葉が足りないところがありますから」


 ギンの若干言葉足らずな部分についてプラナが指摘をする様子を見てブライアンが一言もらす。


「ああ、ギンの奴も大変だな、いきなりプラナにあんな風に言われて」

「そうか?俺はむしろ安心したぜ」

「どういうこった?」

「プラナが帝国の騎士だった時はひたすら敵視して、兄妹だって分かった時もどこかぎこちなかったけどよ、ああやって言いたいことが言えるようになったんだからやっと兄妹になれたんだなって思うぞ」


 ウィルの見解を聞いてブライアンが返答する。


「兄貴の先輩のお前が言うんじゃそうなんだろうな」

「兄貴の先輩?まあいいけどよ、こういう間柄になれたのはいいと思うぜ」


 プラナにとってようやく安心の日々が訪れたことを示す一幕であった。

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