純粋な思い
ギンとプラナ、2人の兄妹は互いの幸せを願い抱擁しあっていた。そんな2人にエイムが話しかける。
「ギンさん、プラナさん、たとえ離れ離れになっても、もうお2人は以前と違ってお互いを思いやるお気持ちを持っていますからきっと大丈夫です」
エイムに声をかけられて2人はエイムに向き合い、それぞれ返答をする。
「エイム、それはあの時お前が俺の後押しをしてくれたからだ、だからこうやってプラナとしっかりと向き合えるんだ」
「私も同じです、あなたがいたからこうして兄に対してしっかりと兄として向き合う事ができたんです」
ギンとプラナそれぞれより感謝の意を伝えられたエイムだったが、2人を繋ぐために魔法を使った後に思っていた本心を打ち明ける。
「いいえ、あの時プラナさんが私の魔法を受けたことでかえってギンさんへの憎しみを募らせ、ギンさんもプラナさんを斬るという決意をした時はもうどうする事もできませんでした」
「エイム……」
「プラナさんに対して命をかけて訴えたギンさんの真心がプラナさんの憎しみを消したんです、私は少しも役に立ちませんでした」
「だけどエイム、お前が言ってくれなかったら、きっと俺は薄々妹と思いながらもプラナを斬って、もし後でその事が分かったら、俺はきっと一生その後悔を背負いながら生きていかなくてはならなかったかもしれない」
ギンはもしプラナを斬っていたら、その事を一生悔いていたかもしれない事を話し、更にエイムに対し自らの思いを話す。
「だからエイム、お前は俺の重荷を軽くしてくれたんだ!」
「ギンさん……」
「お前やみんなが協力してくれなかったら、今日のような日をきっと迎えられなかっただろう。だから後押しには感謝している」
「ギンさん、本当に……本当に……良かったです……」
ギンの言葉に嬉し涙を流すエイムに対し、プラナが軽く抱擁し言葉を発する。
「エイムさん、あなたが兄の思いに寄り添ってくれたから兄は私と向き合ってくれたんです」
「プラナさん……」
「これからも兄を支えてあげてください、エイムさんの支えが兄を強くしてくれたんです」
エイムがいたから妹と向きあえた、エイムが兄に寄り添ったから自分と向き合ってくれた。
ギンとプラナの兄妹はそんなエイムの純粋な思いに触れたからこそ今日という日を迎えた。そう思わずにはいられないギンとプラナであった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます