側にいる幸せ
エンビデス、トーラス、そしてギンの説得を受けるがカイスは必死に彼らの言葉を否定する。
そんな時、カイスに対しプラナが再度呼びかける。
「確かにギガス陛下のやり方は間違っていたかもしれません、ですが陛下は最後までご自分の理想に殉ずるお覚悟があったように思います。だけど今のカイス様からそのような事が私にはどうしても感じられません」
プラナの発した言葉を聞いてルドルフがプラナに対し抗議をする。
「ええい!黙れ小娘が!カイス陛下を裏切ったエンビデスとトーラスも許せぬが、貴様はギガス陛下がご健在の時に自ら帝国を離れたではないか、貴様のような恩知らずが我らを罵倒するなど不愉快だ!今すぐ立ち去れ!」
ルドルフがプラナを罵倒する様子を見てヨナとミニルが怒りを露わにする。
「あのオヤジ、プラナになんてことを言うんだよ!」
「そうよ、プラナさんの気持ちも分からないで!」
ヨナとミニルが怒りを露わにする中エイムは一言だけ呟き、プラナを見守っていた。
「プラナさん……」
ルドルフの罵倒に耐え、プラナはカイスに対し自らの思いを話す。
「カイス様、ルドルフ様のおっしゃるように私は自ら帝国の騎士の地位を捨てました。だからこの罵倒は甘んじて受けます!」
「プラナ、お前……」
「ですが、カイス様が苦しむ姿は見たくありません、カイス様もきっと本当は兄達と和平を結びたい、そう思っていらっしゃるのですよね?」
「私は……」
プラナの涙ながらの訴えにカイスの口数も減っていき、声も小さくなっていく。
そしてプラナは渾身の思いをカイスにぶつける。
「私はカイス様をお慕いしております、その思いを受け入れていただかなくても構いません!そ、れ、でも……私は……お側でカイス様を……お支え……させて……いただきたいのです……」
「……プラナ、できる事なら私も和平を望んでいる……だが、それでは領主達の反発を生み、再び帝国が割れてしまう……だから……」
「カイス様、それがカイス様の本心ならば私はお支えしますし、エンビデス宰相やトーラス殿、きっと兄達も協力を惜しみません」
「いいのかプラナ?今の私の側にいればあの時よりよほど辛い思いをお前にさせてしまうかもしれない」
プラナの事を案じ、心配するカイスに対しプラナは笑顔で返答をする。
「いいんです、私にとってカイス様はとても大事なお方です。側でお支えできるだけで私は幸せですから」
自らの思いをカイスに伝えたプラナ、カイスはどう決断するのか?
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