　フィファーナよりカイスが対反帝国同盟の為に新たに同盟を結んだことをギン達は聞かされ、動揺を隠せないでいたが、カイスの説得、もしくは帝国との戦いに勝利する以外にその同盟を瓦解させる方法はないと結論付け、ギンはフィファーナに対し言葉を放つ。

「フィファーナ、とりあえずこの件は俺達から他の仲間にも伝えておいた方が良さそうだな」

「そうしてもらうと助かる、わらわとて何度も同じ話はしたくないからのう」

　ギンとフィファーナの話にジエイが間に入り、フィファーナに尋ねる。

「フィファーナ将軍、帝国内の情勢はどうなっているのですか？まさか帝国内の勢力全てがもうカイス殿に従うようになったのですか？」

「やはりカイスを認めん領主も一定数おり、そ奴らも結託しカイスを皇帝の座から引きずり降ろそうとしているようじゃが、おそらく簡単に鎮圧されるじゃろう」

「ギガス皇帝の治世程でなくてもカイス殿は相当軍事力を回復させたということですな」

「そういう事じゃ、ついでではあるが帝国内で他に変わったこともあるから話しておこう」

　そう言ってフィファーナは帝国内での変化の内容について語り始めた。

「まずはエンビデスじゃが、今は宰相よりも魔導師団長としての任を優先し、鎮圧軍の指揮を執っているようじゃ」

「あのエンビデスがか？カイスを政務面で支える必要はないのか？」

「地方とはいえ、領地運営の経験のあるルドルフがその点でカイスを補佐してるようじゃ、エンビデスは長年陛下の補佐役で自身が領地を治めた経験はないからのう」

「ボース時代から宮廷魔術師であったから無理はないか、しかしギガスを支えた経験のあるエンビデスが何故遠ざけられたんだ？」

　ギンはエンビデスがカイス、もしくはルドルフより遠ざけられたと考えるが、フィファーナの告げた事実は意外なものであった。

「それがエンビデスの奴自らあえてカイスの参謀役を降り、軍事行動や他国への働きかけに専念していうようじゃ」

「どういうことだ？何か考えがあっての事か？」

「あ奴は時々何を考えておるか分からん時があるからの。それとトーラスは魔導騎士団長に任命されたそうじゃ」

「カイスが皇帝即位したからトーラスが魔導騎士団を指揮するのか」

　ギガスの死を契機に変わりゆくブロッス帝国、帝国の未来の行方は？

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