耐える騎士団長
ギン達とギガス達の話し合いがまとまりかけた頃、大広間にいるエイム達とカイス達の元に来訪者が訪れようとしていた。
突如、大広間の扉が開き、カイスやブライアンは警戒するが、カイスにとって見知った顔であった為、すぐに警戒を解き、ブライアンにも警戒を解くよう告げる。
「待て、私が話をしてくる」
そう言ってカイスは来訪者の元に向かい、来訪者がカイスに尋ねる。
「カイス殿、これは一体どういうことだ?あの者達は反帝国同盟の者達では?それに陛下はいかがされたのだ」
「ルドルフ殿、順番に説明をするから少し落ち着いていただきたい」
カイス達の元に訪れたのはルホール地方領主ルドルフとその息子ルードであり、軍を率いて救援に来たのだ。
そしてカイスは現在の状況を説明し始める。
「まずは私から貴殿らに詫びることがある。我ら魔導騎士団が先走り、彼らと戦闘をしたが、陛下は彼らと話し合うつもりで招いていたのだ。お触れも急であった為、私の独断だ、すまぬ」
「何だと!いくら陛下直属の軍団とはいえ、少し、我らを軽んじ過ぎではないか!」
ルドルフが怒りを露わにするとルードもカイスに対し抗議をする。
「私も父と同意見だ!我が妻ピリカは父であるバンス将軍、そして親しくしていたプラナ殿を失った!せめて私の手で仇を討とうとここまで来たのに……、あなたの先走りのせいで私の怒りはどこにぶつければいのだ!」
カイスがルドルフとルード両名に責められているのを見ていたたまれなくなったエイムが助け舟を出そうとするが、ブライアンに制止される。
「あの……」
「待てよ、エイム」
「ブライアンさん、カイスさんは私達やギガス皇帝の為に、あんな事を言われているんですよ。それを黙って見ているんですか?」
「こうなる事を覚悟で、あいつはこの役割を受け入れたんだ。俺達が口を出すとますますあいつの立場が悪くなる」
ブライアンもカイスが責められることを納得してはいないが、自ら泥をかぶったカイスの覚悟を無下にしてはいけないと思い、こらえているのだ。
エイム達が目に入ったルードは怒りをエイム達にも向ける。
「そもそも何故貴様らはこの城にいるのだ、他の者が話し合いをしているなら貴様らまでこの城にいる必要はなかろう!」
ルードの言葉を受け、ヨナが返答をする。
「あんたらの皇帝さんにここにいて欲しいって言われたんだよ。不満なら皇帝さんに言えばいいんじゃない?」
「そういう問題じゃない!貴様らは我が義父や妻の友の命を奪っておいてのうのうと居座ることが許せんのだ」
「確かにあんたの言うように、あんたの奥さんの親父さんや友達の命をあたし達が奪ったよ。でもあんた達も誰かの大事な人の命を奪ってきたんだよ」
「傭兵風情が知った風なことを……」
剣を抜こうとするルードに対しカイスが制止の言葉をかける。
「止めろルード殿!その者の申す通りだ!それにここでいさかいを起こすことは陛下の御意思に反する」
「あなたは陛下ではない!最初から話し合う事が分かっていればこんな事……」
ルードがカイスに対し再度抗議をしようとするがどこからともなく声がする。
「何やら騒がしいな」
「へ、陛下⁉」
ギガスの登場に場はどう鎮まるか?
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます