唸れ魔法剣!

 エイムの渾身の魔法がギガスの装備に当て、衝撃を与えたものの、ギガスは立ち上がり、ブライアンは戦慄し、エイムは落胆してしまう。


 そんな中、ギンはギガスの1とい発言から勝利の可能性を見出す。


「ギガス、今のお前の発言から俺達にはまだ勝てる可能性があると確信した。失言だったな」

「フハハハ、そんなハッタリで余を欺こうなどと笑止千万。もう主らは余に魔法を当てることすら不可能だ」

「俺にはまだ魔法剣がある。剣技と魔法を合わせればお前を倒すことはできる」

「フ、恐怖のあまり、頭が混乱しているようだな。主はもう魔力が残っていないはずだ」


 ギガスがそう発現するとギンはエイムに呼びかける。


「エイム、もう1度魔法を頼む!」

「でも、もう私の魔法を当てるのは難しいですし、外すと魔力が尽きてしまい、もう……」

「ギガスにじゃない!俺の剣に魔法を纏わせてくれ!」


 何とギンは自らの剣に魔法を纏わせるようエイムに懇願する。


「そんな、危険です!魔力コントロールに失敗すれば、そのままギンさんに魔法が直撃してしまいます!」

「俺の魔力コントロールと、そして自分の力を信じるんだ!」

「私の……」

「お前はさっき、あれ程強力な魔法を上手くコントロールして、俺達に当てないようにできたんだ。だから俺と自分を信じろ!」


 更にブライアンとジエイがエイムに対し激励の言葉をかける。


「やれよ、エイム。やんなきゃどの道俺達は全滅しちまうんだ。それにお前はお前が思っている以上にすげえ奴なんだぜ」

「エイム殿、あなたやギン殿は、何度も強敵相手に勝利のきっかけを作ったのです。我々はあなた方を信じます」

「ブライアンさん、ジエイさん……分かりました。私やります!」


 エイムは強い決意を示し、2人に呼びかける。


「この魔法には更に詠唱に文言を加えなくてはいけません、だから申し訳ないのですが……」

「任せろ!時間位は稼いでやる」

「この身を賭して、成功させましょう」

「お願いします!」


 そう言って、ブライアンとジエイはギガスに対し向かっていく。


「何度やっても同じだ!」


 ギガスが迎え撃とうとするが、ジエイの手より風が放たれ、少し後退する。


「ぬう!」


 少し距離ができたことでエイムは呪文の詠唱を始める。


「風を司りし者よ、古の盟約に従ひて我の望みに応えよ。空気の流れを変え、雷を起こし給へ。更に我が力を糧とし、彼の者の剣に雷を纏わし給へ。雷の螺旋ライトニングスパイラル!」


 エイムが放った魔法はギンの剣に向かっていく。ギンは魔力をコントロールし、雷を剣に纏わせ、ギガスに向かっていく。


「愚かな、余の剣技に勝てると思うな」


 次の瞬間、ブライアンが楯で身を守りながらギガスに体当たりをし、更に死角からジエイが短剣を放つ。


「おのれ、目障りな!」


 そう言うとギンの剣がギガスへと迫ってきた、閃光のような速さにギガスはかわし切れず、アーマープレートに剣が直撃し、破壊される。そしてギンの剣はギガスの肉体を切り裂く!


「なあああ!」


 遂にギガスに傷を負わせることに成功する。ギン達と帝国の命運は?

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