隙を作れ
ギン達は僅かな勝利の可能性としてエイムの魔法をギガスに対し炸裂させる為、隙を作る作戦を実行しようとしている。
「ブライアン、ジエイ、いくぞ。これが俺達の勝てる可能性のある作戦だ」
「だけど、お前はもう魔力がねえんじゃねえのか?」
「魔力は残っていないが、剣を振るうことはできる。最後まで望みを捨てるわけにはいかない」
ギンとブライアンのやり取りでジエイが口を挟む。
「ならば私が忍術をまず放ちます。ギガスが武神の力で強化されている以上、どれほどの効果があるかは保証できかねますが」
「それでもしないよりはましだ、頼むぞ」
ジエイは無言で頷き、早速印を結び、火遁の術を放つがギガスに簡単にかわされてしまう。
「愚かな、そのような技が通じると思ったか」
次の瞬間、ギンが左側から、ブライアンが右側からそれぞれ武器を打ち込みギガスは右側のブライアンの斧を剣で受け止め、左側のギンの剣を素手で受け止めるが出血は見られない。
「素手で剣を受け止めても出血しないとは、これも武神の力か」
「そうだ、余の隙を作るつもりだったが、このまま魔法が放たれれば主らも巻き添えを食うが、どうする?」
「お前もエイムを軽く見過ぎだ。頼む!」
ギンの呼びかけに応じてエイムは呪文の詠唱を始める。
「風を司りし者よ、古の盟約に従ひて我の望みに応えよ。空気の流れを変え、雷を起こし、彼の者へ放ち給へ。
エイムがステッキより、雷の矢を放ち、それはギガスの身体をめがけていく。閃光はギガスの胸部に命中し、ギガスの身体は後方に吹き飛ぶ。
装備が破壊された様子はないが、さすがのギガスも衝撃には耐えられず、倒れこんだ。
「よっしゃあーー!装備は破壊されなかったが雷を身体に受けたんじゃあ、もう動かねえだろ」
「いえ、まだギガス皇帝から武神の力を感じます」
「ってことは……」
ブライアンが恐る恐るギガスの方を目にすると、ゆっくりではあるが立ち上がり、ギン達に言葉を放つ。
「さすがに、今のは少し効いたが、余を倒しきるにはもう1歩であったな」
ギガスが立ち上がる姿を見てブライアンが戦慄し、言葉を漏らす。
「何だってんだ、バケモノかよあいつ」
「4属性の精霊と契約するのは大したもんではあるが所詮は人間の限界だ」
自身の魔法が通じず落胆するエイムであったが、次の瞬間、ギンが言葉を発する。
「ギガス、確かお前はあと1歩だといったな?」
「確かにな、だがもう主らには勝ち目があるまい」
「いや、まだ俺達の勝つ方法はある!」
ギガスの放ったあと1歩という言葉、そこにギンは何を見出したのか?
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