神に認められし存在

 突如、身体能力が向上したギガス。


 その状況をギン達が不思議そうに感じているとエンビデスよりギガスは武神と契約をしたことで能力が向上したと告げる。


 しかしルルーはその事実が信じられず、エンビデスに言葉を発する。


「人間が神と契約なんてできるはずはないわ。私達聖職者でも信仰と共に加護を得るのよ」

「お前達ならそうであろうが、陛下はそのようなことをせずとも神に認められし存在なのだ」

「それは一体……」


 ルルーがエンビデスに何かを聞こうとするが、それをブライアンが叫んで制止する。


「ルルー、そんなことは後で考えりゃあいい!」

「でもブライアン……」

「今理由を知ったところで、俺達がこいつらに勝たなきゃなんも意味はねえ」


 ブライアンの言葉を聞いたギガスがブライアンに対し称賛の言葉を投げかける。


「ふっ、余が武神と契約していると聞いても、冷静さを失わん主は大したものだ、褒めてつかわそう」

「へっ、そりゃどうも」

「だが余に勝つのは無理だ。それを今みせてやろう」


 そう言ってギガスはブライアンに接近し剣で斬ろうとするがすかさず、ギンとジエイが救援に入る。


 挟撃を喰らいそうになるが、ギガスは剣を持っていない左手でジエイを殴り飛ばす。


「ジエイ!」


 ジエイはなんとか直撃はまぬがれたものの、壁に激突し、そのままうずくまる。


 剣を喰らわずにすんだブライアンが駆け寄り声をかける。


「大丈夫か⁉ジエイ」

「ぬうう、あの男の力は想像を絶します」


 ギガスと相対するギンは遂に勝負に出る。


「フレイムボム!」


 ギンはフレイムボムを放ち、更に剣に纏わせ魔法剣を発動させる。


 そのままギガスを斬りに行くが、ギガスに剣で防がれてしまう。さらに炎がギガスに燃え移らないことを不思議に感じ、言葉がもれる。


「どういうことだ?鎧ならともかく、剣に炎が燃え移らないなんて」

「教えてやろう、武神の力は武器に対しても魔力障壁のような力が纏われるのだ。主の魔法剣のようにな」


 ギガスの一瞬の動きを見て、ギンは速度強化の魔法でギガスの攻撃をかわす事に成功する。


「思った以上にしぶといな、だがもう対抗する術はあるまい」

「何⁉」

「もはや主の魔力は風前の灯火だ。魔法剣どころか魔法もまともに使えまい」


 ギンの魔力が尽きたという話にエイムが反応をする。


「確かにギンさんの魔力はもう残り少ないです、これでは……」


 勝負に出たギンではあったが、とうとう残りの魔力が少なくなってしまった。


 このままギガスの前に屈してしまうのか?

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