水面下の読み合い

ブロッス帝国皇帝ギガスの元にたどり着いたギン達、いよいよギガスとの戦闘が開始される。


 初めにギンがギガスに対し斬りこんでいく。


 ギンの剣さばきに対し、ギガスは上手く自分の剣で防ぎ、斬らせないようにする。


 ギン達がつば競り合いをしている時にブライアンが斧でギガスに対し斬りこもうとするが、受け切れないと判断したギガスはその場から距離をとる。


 ギガスの僅かな隙をつき、ジエイが短剣を投げるがギガスにより叩き落される。


「ちっ、やっぱこんなやり方じゃ上手くいかねえか」

「当然だ!余を甘く見過ぎだぞ!」


 ブライアンの発言に対するギガスの言葉を聞いて、ギンがギガスに対し言葉を返す。


「今のはお前の動きを見る為のほんの小手調べだ」

「ほう、余に対して小手調べとはずいぶん余裕だな」

「それはお前にも言えることだ。お前は俺達に対して反撃する素振りが見られなかった」

「フハハハハハ、隙を見せればカウンターで仕留めてやろうと思ったが、主らには隙がなかった」


 互いに手探り状態での戦いが始まり、水面下での読み合いは互角に進んでいた。


「だが、主らは余に勝つことは不可能だ。今度はそれを分からせてやろう」


 そう言ってギガスはギンに斬りかかるがギンはつば競り合いには応じず、距離をとり、火球を放ち、ギガスに当てることには成功するが、ギガスの身体が燃える様子は見られない。


「愚かな、我らの装備に魔力障壁が施されているのを忘れたか!」

「元より承知だ」

「何⁉」


 次の瞬間、ジエイがギンの後方より現れ、火遁の術を放とうとするが、ギガスが思わぬ行動をとる。


 何とギガスは自らの剣で城の床を破壊し、その石がギン達の方向に飛んでくる。


 ブライアンの楯でギン達の身は守られ、互いに傷を負わぬまま戦いは進む。


「何と⁉このような方法で我が術を防ぐとは」

「やることなす事が規格外だぜ」


 ジエイとブライアンのやり取りにギガスが口を挟む。


「3人掛かりとはいえ、余の攻撃を防ぎ、1人も負傷者を出さんとは大したものだ。褒めてつかわそう」

「だが、他の仲間がお前の部下を倒せば、もうお前に勝ち目はない」

「それは余がならの話であろう」

「どういうことだ?」


 ギンが尋ねるとギガスは突如身体に力を込める素振りを見せる。


「ならば主らにその意味を知らしめてやろう。フン!」


 ギガスの力を込める素振りをギン達は不思議そうに目にした。


「何をやってんだ?ありゃ」

「分かりませぬ、私には力を込めたようにしか見えませんが」

「隙だらけだがカウンター狙いかも知れない。気をつけろ」


 何かを感じたエイムはギン達に呼びかける。


「大変です!ギガス皇帝からは人間以外の力が発現しています!」


 人間以外の力、その意味とは?

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