皇帝の流儀

 ギン達は遂にブロッス帝国皇帝ギガスと相対し、階段の上でたたずんでいるギガスにギンが呼びかける。


「お前が、ブロッス帝国の皇帝ギガスだな」

「いかにも、余がブロッスの帝王ギガスである」


 ギンの問いに堂々と返答をするギガスに対し、ムルカが言及をした。


「自らの国と命が危機たる状況で、この落ち着き、帝王たる矜持か」


 ムルカの言葉が聞こえ、それに対する返答をギガスがする。


「我が国と命が危機だと、戯言を、最後の勝者は我らである事に変わらぬわ」


 ギガスがその言葉を言い終えたタイミングでルルーがギガスに呼びかける。


「あなた達は魔族と戦う為に、この国を興したのでしょう、私達も魔族は倒さなければならないわ。その為に今は戦うのを止めることはできない?」

「ふん、先程の神官戦士といい、その娘といい、聖職者たる存在は教えに浸かり過ぎて現実が見えてないようだな」

「なんですって⁉」

「真の勝者はただ1人。余が帝王としてこの世界に君臨すれば魔族など恐るるに足らん」


 ギガスの言葉を聞き、ギンもまた自らの考えを話す。


「現実が見えていないのはお前の方だ、たった1人、たった1国でこの世界を動かせると思っていることがうぬぼれだ」

「余にはその力がある。我が帝国もそうだ。平和を作るにも維持するにも力は必要なのだ」

「ならばお前の流儀にのってやる。この戦いで俺達が勝ち、お前のやろうとしていることが無謀だという事を教えてやる」

「いいだろう、だが最後に勝つのは我らだ」


 戦いに臨もうとしているギンに対しエイムが声をかける。


「ギンさん、あのギガス皇帝からは何かを感じます。その人間以外の何かを」

「人間以外の何か?まさか何かしらの精霊と契約しているのか?」

「分かりません、だけど今までの将軍とは違います」

「奴が何を隠し持っていようが俺達は負けるわけにはいかない。ま、注意はしてみる」


 エイムの言葉が聞こえたエンビデスがギガスに対し、声をかける。


「陛下、あの娘、全てではないようですが、気付いたようですな」

「ふん、知ったところで、奴らにはどうすることもできまい」

「そうですな、ですが私は陛下のご負担の軽減に努めます」

「久しぶりの実戦だ。余も主も血がたぎっておろう」


 ギガスとエンビデスが会話をしている中、ギン達も戦闘に臨もうとしていた。


「エイムの言った事は気になるが、ギガスを無力化できれば俺達の勝ちだ」


 とうとうブロッス帝国皇帝ギガスとの戦いが始まる。


 この戦いを制し、戦争終結はなるのか?

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