ただ1人の好敵手

 いよいよギン達と魔導騎士団に激突の時が来た。


 カイスとの戦いを制し、カイスを止めることを強く決意したギンはカイスに対し言い放つ。


「カイス!お前が言葉で止まらないというなら、力づくでお前を止める!そしてこの戦いを俺達の手で終わらせてみせる!」

「ふっ、それでこそ私が認めたただ1人の好敵手だ。だが我々も負けるわけにはいかん!」


 カイスの言葉を聞いたギンは仲間にあることを伝える。


「みんな、俺はカイスとの一騎打ちにもち込む。その援護を頼む」


 ギンがカイスとの一騎打ちをすることを望むがブライアンとルルーより、反対の意見が述べられる。


「確かにあいつに勝てりゃあ、魔導騎士団は一気に戦意がなくなるだろうけど、一騎打ちにこだわる必要はねえんじゃねえのか?」

「ブライアンの言う通りよ、万一あなたを失えばこの戦いの勝ち目は薄くなるし、プラナに顔向けできないわ」


 もはやギンは戦力の中核であると共に、プラナを悲しませることにつながるとルルーは言うが、ギンは更に言葉を放つ。


「俺が1人で奴を倒せるくらいでないと、俺の思い、プラナの思いはあいつには届かない。それに、奴に勝てないようじゃ、皇帝であるギガス、そして魔族たちに勝つことも無理だろう」


 ギンの言葉を聞き、エイムがブライアンとルルーに告げる。


「ギンさんの思うようにやらせてあげてください」

「エイム、あなたまで!」

「私はギンさんならできると信じています。私達は他の騎士や兵を相手にすればギンさんならあの人に勝てます」

「エイム……、そうね、他の将兵に手出しさせなければ勝機はあるわね、ギンはバンス将軍にも勝ったもの」


 ルルーの言葉を聞いた後、礼の言葉を言ってからエイムはギンにあることを告げる。


「ありがとうございます。ギンさん信じてます、でもギンさんの命が危険になったら、必ず助けます。例え、あの人の命を奪ってプラナさんが悲しむことになっても」


 エイムはもちろんプラナが悲しむことは望んではいない。だがそれ以上にギンの命を失いたくない思いがあり、エイムの中ではそれは天秤にかける余地のないことなのだ。


「エイム、お前にそんなことを背負わせない為にも俺は奴に勝ってみせる」

「はい」


 ギンとエイムの言葉を聞き、ジエイがギン達に作戦を伝える。


「ならば、ギン殿がカイスの元まで行きやすいように道を我らが切り開きます」

「具体的にどうするんだ?」

「魔導騎士団は騎士、従士、そして一般兵で構成されていますが、結束が強い騎士と従士を分断していきます」


 そういうとジエイは1人の騎士の懐にいきなり飛び込む。遂に開戦だ!

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