全てをかけて
相対するギン達とカイス率いる魔導騎士団。
いよいよ激突かという時に城内より1人の騎士が現れ、カイスに報告する。
「カイス様!陛下も突破に備え、城内での迎撃準備をしております。陛下より伝言がございます」
「申してみよ」
「はっ!『余の準備が無駄に終えることを期待しておるぞ』と仰せになられました」
「陛下のご期待を裏切ることはできんな、ところで城門前の守備は我ら魔導騎士団のみか?フィファーナ将軍の部隊や、各地方の領主軍は?」
カイスの問いに騎士が返答をする。
「はっ!領主軍は現在お触れをだし動員中で、フィファーナ将軍はただいま作戦行動中でまだ本国に帰還しておりません」
「仕方あるまい、ここは我らで食い止める他ないな」
カイスが騎士との話を終えるとギンがカイスに対し声をかける。
「カイス、お前に話さなければならないことがある」
「ここまで来て、まさかまだ休戦を持ちかけるようなことを申すのではないだろうな?」
「それだけじゃない、俺とお前が命のやり取りをすることはプラナを悲しませることになる。あいつはお前の命が失われることを望んでいない!」
「ふっ、何を言うかと思えば」
次の瞬間、カイスは魔導騎士団の面々に対し、檄を飛ばす。
「皆の者、聞けーーー!あの男こそが騎士プラナの命を奪った張本人だ!」
「何⁉」
「あの男を討ち果たすことが騎士プラナに対する何よりの弔いだ!皆の命を私に預けてくれ!」
カイスの檄に魔導騎士団の将兵の士気は大いに上がり、その語気は強くなっていく。
「おーーーー!」
「我らの命、カイス様に預けます!何としてもあやつを討ち果たし、プラナ様を弔いましょう」
プラナの死を兵士の士気をあげることに利用した。そう感じたブライアンはギンに対して呼びかける。
「なあギン、お前の気持ちも分からなくはねえが、あいつと話すのは無理なんじゃねえか」
「ブライアン……」
「結局あいつは帝国の命令を聞くだけの騎士なんだ。プラナの事だって部下の1人程度にしか思っちゃいねえ」
「ブライアン、本当にあいつがお前の言うような奴なら、あの時プラナを見逃すわけはない。そこに話す余地があると俺は思っている」
ギンの意見にエイムが同意し、ブライアンにそのことを述べる。
「私もそう思います。あの人が騎士の誇りとかそれだけでプラナさんを見逃したとは思えません」
ギン、エイム両方の意見を聞いたうえで、ルルーが話に加わる。
「あなた達の言う通りだとしても、彼が帝国や皇帝への忠誠が強いのも確かよ」
「それならば、何とか奴を無力化する。その後皇帝と何かしら決着すれば折れるかもしれない」
「でもギン、危険よ。手心を加えて勝てる相手じゃないわ」
「それでも、まずは奴に勝つ。そこが重要だ」
ギンはカイスとの戦いを制し、その後ギガスとの決着に全てをかける。そう強く決意した瞬間であった。
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