妹と仲間と友

 プラナより魔導騎士団長カイスに自らが好意を抱いていることを打ち明けられたギン達。その話を聞き、ギンはプラナに尋ねてみる。


「プラナ、お前がこれからどうしたいかを教えてもらっていいか?」

「私は、もちろん兄さんと兄妹として過ごしていきたい。ちゃんと会えて分かり合えたもの」

「それだけか?カイスの事はどうするんだ?」

「……、私はカイス様を失いたくない。自分から帝国の騎士の地位を捨ててこんな事を言うのは勝手だと分かっている。でも……」


 プラナの話を聞き、ギンが自らの思いを告げる。


「それがお前の望みなら俺は力を貸す」

「いいの、兄さん?帝国は、カイス様は兄さん達にとって敵なのに」

「お前の為だけではなくて、俺達は帝国を滅ぼすためじゃなく、ただ1日でも早く戦争を終わらせたいんだ。それにカイスとは違う形で会っていれば友になれたかもしれない奴だ」

「ありがとう兄さん」


 プラナより礼の言葉を聞くと、ギンはプラナに対してあることを告げる。


「だが、今のお前をさすがに帝国まで連れて行くわけにはいかない。問題はどこで過ごしてもらうかだ」


 ギンの言葉を聞いて、ルルーがある提案をする。


「ギン、プラナの身柄をひとまずミッツ教団で預かるというのはどうかしら?」

「ミッツ教団でか?申し出はありがたいが、お前達に迷惑はかからないか?」

「さすがにスップの教会にいるとあの時の襲撃でプラナの顔を覚えている人達がいるかもしれないし、そこはまだ文を送っていないし司祭様に取り計らってもらうわ」


 ルルーの計らいに対し、プラナが謝罪と礼の言葉を述べる。


「申し訳ありません、本来ならば捕虜となっても文句が言えない私に対してこんな寛大な処置を、ありがとうございます」

「帝国との和平がもしできれば、あなたの扱いを悪くするのはかえってプレツの心証が悪くなるし、それにギンの妹なら、私達にとっても大事な存在よ」


 ルルーの言葉にエイムも同調する。


「ルルーさんの言う通りです。私達はプラナさんとも仲良くしたいと思っていますから」

「ありがとうございます、エイム殿、いえ、エイムさん」

「フフ、やっと笑顔を見せてくれました。プラナさんも笑顔が似合う方ですよ」

「そ、そうですか……」


 エイムより笑顔を褒められ戸惑うプラナだがやはりうれしそうである。


 エイムとプラナがやり取りをしている中、ブライアンがルルーに気になったことを話している。


「だが俺達は帝国に行かなきゃなんねえし、プラナをプレツまで届ける人員を割く余裕はねえぞ」

「フフ、忘れたのブライアン、それができる方法があることを」


 ルルーが提案する方法とは?

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