プラナの気持ち
プラナよりギガスが帝国を興し魔族に対抗しようとしていること、そしてカイスはそのギガスより命を救われ、育ててもらったことを恩義に感じており、ギガスの理想実現に力を尽くしていることを聞いたギン達。更にプラナが魔導騎士団への入隊当時の話を始めた。
「私が魔導騎士団に入隊した時には既にカイス様は騎士団長に任じられていました。1日も早くカイス様のお力になりたく、私も力を尽くしてきました」
プラナの発言を聞いて、ミニルが少し疑問が湧いてきて少しだが恐る恐る質問をする。
「あ、プラナさん、ちょっといいかな?」
「何でしょうか?」
プラナに言葉を返され、一瞬ギンの方を見たミニルはプラナに尋ねる。
「お兄さんのギンさんの前で聞くのもなんだけど、もしかしてプラナさんってあのカイスって人の事を好きなの?」
ミニルはなんとプラナがカイスに対し好意を抱いているのではないかと尋ねるがプラナは動揺しながらも返答をする。
「な、何をおっしゃっているのですか⁉、カイス様は騎士団長!私は一介の騎士に過ぎなかったんです。そのような気持ちが許されるはずなんてありません!」
あまりにプラナの動揺っぷりにウィルが思わず口を挟む。
「あのさあ、もうあんたは帝国軍じゃないんだし、少しは素直になったらどうだ。これから俺達はそのカイスとまた戦うことになるんだし」
「……、確かに私はカイス様をご慕いしております。その騎士や上官としてだけでなく、……1人の……殿方として……」
「なんだ、やっぱミニルの言う通りか」
「ですが、先程も申し上げた通り、そのような気持ちは許されないと思っていました」
ここまでのプラナの発言を聞いて、ヨナが自分の考えを話す。
「なるほど、あんたはギンを兄貴と認めても、あの男への思いも断ち切れなかった。帝国への忠義ももちろんあっただろうけど、それが自分を斬らせようとした理由かな?」
「……、それは……」
「どうやら図星のようだね。ギンは自分の命をかけてでもあんたを憎しみから解放しようとした。でもあんたは自分の思いに素直にならずに安易に命を捨てようとした。それで誰が幸せになるんだい」
ヨナのプラナに対する辛辣な言葉に思わずエイムが言葉を挟もうとするが、プラナ自身が制止する。
「ちょっとヨナさん、言い過ぎなんじゃ……」
「いいんです、その方のおっしゃる通りです」
「プラナさん……」
「兄がくれた命をすぐに投げ捨てようとした私が悪いのは明らかです。私の気持ちが中途半端だからそんな行動に走ってしまったんです」
プラナの言葉を聞き終えるとギンがプラナに尋ねる。
「プラナ、これからお前がどうしたいかを教えてもらっていいか?」
「私は……」
プラナが望む未来とは?
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