示された光景

 遂にギン達とブロッス帝国の魔導騎士団の戦いが開戦した。


 戦いのさなか、エイムはプラナに対し、ギンのペンダントから読み込んだ両親の思いを魔法で放つべくプラナに意識を向ける。


 魔法に集中するエイムにジエイとヨナが声をかける。


「ではエイム殿、なんとか従士を私ができうる限り彼女から引き離します」

「そいでもってあたしがあの女に矢を放って牽制するよ。あんたら、あいつらをエイムに近づけるんじゃないよ!」


 ヨナの指示を聞いて、傭兵団が応え、エイムもその場にいるメンバーに声をかける。


「分かりやしたぜ!姉御」

「ジエイさん、ヨナさん、傭兵団の皆さん、どうかお願いします」


 エイムの声を受け、ジエイ達がプラナとその従士に対し向かっていく。


 ジエイ達の動きを察し、プラナが従士達に指示を出す。


「来るぞ!迎撃準備!」

「はっ!」

「奴らは忍術という奇妙な術と魔法の矢を使う。注意せよ」

「はっ!心得ております!」


 だがジエイは忍術を使わず、素早く従士達に近づいていく。


「覚悟せよ」


 そう言い放ったジエイは次から次へと従士を切り伏せていき、魔法攻撃が来るとすぐさま離脱する。


「逃がすな!追え!」


 プラナが従士や兵に指示を出すが、突如矢が飛んできてその矢をかわす。


「ちっ、やっぱそう簡単には当たんないか」


 プラナが目をやった先にはヨナがおり、ヨナに対し火の魔法を放つ。


「わっと、あたしじゃ魔力障壁は使えないし、エイムの出番だね」

 

 次の瞬間エイムは呪文の詠唱を始める。


「古より天と地を司りし者の眷属よ、我が力を糧に我の望みに応えよ。我に示した思いを彼の者にも示し給へ」


 呪文の詠唱を終えると、エイムのステッキからまばゆい光が放たれ、それはプラナへと向かっていく。


「魔法か!おのれ!」


 そう言ってプラナは魔力障壁を張るが光は障壁を通過していく。


「何⁉攻撃魔法ではないだと!あ、あーーーっ!」


 光を受けたプラナは悲鳴をあげ、その様子を目の当たりにしたカイスはギンから離れプラナに駆け寄る。


「プラナ!どうした⁉」


 更にトーラスもカイスの元に駆け寄りカイスに尋ねる。


「カイス様、プラナは一体⁉」

「分からん、だが攻撃魔法ではなさそうだ」


 カイス達が会話をしている間にプラナの脳内に様々な映像が映る、プラナにとっては初めて見るものであり、混乱もあるが映像は続く。そしてその映像にどこか懐かしさも覚えていた。


 ようやく映像が途切れ意識も外に向くようになり、カイスの呼びかけに応じる。


「プラナ!大丈夫か⁉」

「カ、イス様、今のは一体?はっ!」


 カイスの声が聞こえたのを認識するとプラナはエイムに対し言葉を放つ。


「貴様!私に何をした?今の光景は一体なんだというのだ?」


 プラナの問いを聞き、エイムはローブにしまっているものを取り出し、プラナに見せる。


「これに見覚えはありませんか?」


 エイムがプラナに見せたのはギンが両親より授けられたペンダントだ。プラナは何を思うのか?

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