届けたい思いの為に
アイルの港町まであと1歩と近づいたギン達の前にブロッス帝国魔導騎士団が立ち塞がった。
魔導騎士団に所属するプラナに対しギンは自身の話を聞くよう呼びかけるが、プラナはそれに応じず臨戦態勢となる。
「やはり戦うしかないのか」
ギンの言葉を聞いてエイムが呼びかける。
「ギンさん、まだあきらめるのは早いです。なんとか私が魔法をかけてご両親の思いを届けます。そうすればギンさんの話も聞いてもらえるかもしれません」
「そうだな、なんとか魔法を放つ隙を作ってみせる。頼んだぞ」
「はい」
ギン達のやり取りを聞いてルルーが言葉を発する。
「まずは彼女をなんとか孤立させて魔法を回避しにくい状況にしないと」
ルルーの言葉を聞いてギンが一同に提案をする。
「俺はカイスを引き受ける。誰かエイムが魔法をかけやすいようにサポートしてくれ」
ギンの提案に名乗りを上げたのはジエイであった。
「ギン殿、私があのプラナという騎士の周りの従士をできうる限り引き離します」
ジエイに続き、ヨナも名乗りをあげる。
「あたしはあいつに弓を放って動きをけん制するよ。そうすりゃあエイムも魔法を放ちやすいだろう」
エイムのサポートに名乗りを上げたジエイとヨナに対し、ギンとエイムは改めて懇願する。
「頼んだぞ、ジエイ、ヨナ」
「絶対に成功させるのでお願いします」
ギン達がジエイ達に懇願していると、ブライアンが口を挟む。
「俺達は残りの敵を引き受ける。そうすりゃあ、お前達が動きやすいだろう」
「すまん、任せた」
「お前が殊勝な事を言うと気持ち悪いが、今日だけは素直に受け取るぜ」
そう言いながらそれぞれが動き出し、ギンがカイスに呼びかける。
「カイス、お前が戦いを望むというなら、受けて立つ。勝負だ!」
「ようやくその気になったか、ゆくぞ!」
その瞬間、ギンとカイスのつば競り合いが始まった。それを見たトーラスは他の将兵に指示を出す。
「よし、我らは他の敵を始末する。いくぞーーー!」
「おーーー!」
トーラス達の動きを見たブライアンがルルーに呼びかける。
「来るぜ、ルルー!」
「ええ、気を付けてね」
ブライアンに対しムルカとウィルが声をかける。
「ブライアン殿、無理をするでない私も加勢しよう」
「俺もやるぜ」
「じゃあいこうぜ」
ルルーに対してはミニルが声をかける。
「ルルー様、私が風の楯でお守りしますし、いざとなればその楯を敵に飛ばします」
「頼んだわよミニル、っていうかいつの間にか攻撃に転用できるようになったのね」
「エイムが本に書いてある意味を教えてくれたのでようやく身につけました」
「そう、じゃ、私達もいきましょう」
魔導騎士団との全面衝突が始まる。プラナに思いは届くのか?
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