説得と覚悟
ギンとエイムはそれぞれがプラナに対し感じた事を仲間に話すが、ヨナはギン達の話の根拠が乏しく、まずは戦いを早く終わらせることに重点を置くよう主張し、そのヨナに対しギンが話そうとする。
「ヨナ、確かに俺達が感じた事は根拠は乏しいとは思う。だが、確かめもせずにあきらめたくはない」
「……、100歩譲って確かめる方法がある前提で話すけどさ、その上でもしあの女が妹だったとして、それでもあたしらへの敵意が消えなかったらどうすんのさ?まさか妹だから殺したくないとか言うの?」
「ヨナ、本音を言えば妹の命を奪いたくはない。だが帝国軍の騎士として最後まで戦うなら俺が止める。……例え、プラナを斬ることになっても……」
説得に応じなければプラナを斬る覚悟をヨナに示すギンであったが、エイムが思わず声をあげる。
「ギンさん!」
エイムが叫んでいるのをよそに、ヨナはギンに対し返答をする。
「そこまで覚悟しているならあたしからは何も言う事はないよ。とりあえずあんたとその女が話せるようには手伝ってやるよ」
「すまんな、余計な負担をかけることになる」
「あたしはあんたの本気と覚悟を知りたかったんだ。さ、ゲンジも連れてこないとね」
そう言ってヨナはゲンジを迎えに行くためにその場を離れる。
ヨナがその場を離れるとエイムがギンに声をかける。
「ギンさん!いいんですか?あんな事を言って」
「ああでも言わないとヨナを納得させるのは無理だろう。それに最悪の事態も想定しておかないと……」
「ギンさん、ヨナさんじゃないけど私もギンさんが覚悟なさったのなら何も言いません。でも上手くいくようにお手伝いします」
「すまん」
ギンとエイムのやり取りを聞いてブライアンが口を挟む。
「ギン、手伝ってやりてえのはやまやまなんだが、なんかこうお前とあの女が兄妹だって分かるもんはなにか持ってねえのか?」
「待てよ!確か」
そう言ってギンは服にしまってあったペンダントを見つけ、ブライアンが尋ねる。
「ギン、何だ?そのペンダントは」
「これは父が俺にくれた物だ。兄2人も同じ物を持っていたし、もしかしたらあいつも持っているかも知れない」
「だけどよあいつと会えば戦闘になるし、戦闘中にそれを見せる暇があるのか?」
「そこが問題だ。それに手がかりがこれ1つというのも心もとないな」
ギンとブライアンのやり取りを聞いたエイムがしばらく考えてから言葉を発する。
「ギンさん、そのペンダント私が預かってもいいですか?」
エイムはどのような方法を考え付いたのか?
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