3つ目の選択肢

ピトリとの同盟を断られ、次の行動の選択肢として、同盟国の拡大か、帝国への遠征かの2択を一同に示すルルーであったが、ギンは3つ目の選択肢があるとルルーに話す。


「ギン、3つ目の選択肢って何?」

「俺達がこのまま帝国に乗り込み、帝国と雌雄を決することだ」


 ギンの意外な発言に一同が驚愕するがジエイが冷静にギンに尋ねる。


「その行動をするべき理由を教えてもらえますか?」

「ああ、このまま局地戦を繰り返してもいつまでも帝国との戦いは終わらない。帝国を束ねる皇帝ギガス、奴との決着が必要だ」

「確かに皇帝を討ち果たせば帝国側に戦う理由はなくなり戦争は終わりますな」


 ジエイが発言を終えるとブライアンが更なる疑問を抱き、ギンに尋ねる。


「帝国と決着をつけることには俺も賛成だ。お前の方法はわかりやすくていいぜ。だが、あれだけ帝国との休戦を主張していたお前からそういう案がでるとはな、気が変わったのか?」

「俺は今でも帝国とは休戦するべきだと思っている。だが俺達が普通に話そうとしても突っぱねられてしまうし、帝国に使者を送っても同じだろう」

「それとこの方法は何か関係があるのか?」

「皇帝との戦いに持ち込み、俺達が勝つことで、多少強引ではあるが会談の場を作ることはできるかもしれない。わずかなのぞみにかける意味も強いが」


 ギンは帝国との決着、そして帝国との休戦どちらにも転ぶ可能性がある方法として、自分達が直接皇帝ギガスに戦いを挑み、雌雄を決するべきだと主張する。


 ギンの意見に理解を示しながらも危惧したことをブライアンが発する。


「ギリギリまで理想を追い求めるのは嫌いじゃないが、俺達だけで敵の本拠地に殴り込みはなかなか骨が折れるぜ」

「だから俺の一存じゃなくて、みんなの意見も聞きたい」

「そうだな、休戦うんぬんは別にしても早期決着って意味ではいいと思うぜ」


 ブライアンの言葉に続いて次々と意見が出てくる。次に発したのはジエイだ。


「少数精鋭で敵将を討ち取る。数で劣る我らが少しでも勝ちやすくするのはそれが良いでしょうな」


 さらにヨナ、ウィルとミニルも意見を発する。


「休戦は無理かもしんないけど決着はつけようよ」

「殴り込みとあっちゃあ、血がたぎるぜ」

「私はどういう形であれ戦争は終わらせたいです」


 ムルカ、ルルーも言葉を発する。


「反対する理由はない、我らは帝国の主力部隊を幾度も撃破しておるからな」

「あなたの意見を聞いた時は無謀かもと思ったけど、でも私達だからできることでもあるわ」


 エイムはしばらく黙って聞いており、言葉を発しようとする


「私は……」

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