『我、常に勝利』せよ
皆さんは『バーチャルのじゃロリ狐娘YouTuberおじさん』こと『ねこます』氏をご存じでしょうか。
急にどうした? と思われるかもしれません。
しかし彼(彼女?)のバーチャル活動と直接の関係はないですが、数年前に読んで感銘を受けた記事があります。
ニコニコ動画における、既にサービス終了してしまった『ユーザーブロマガサービス』で掲載されていた記事に、書かれていたことです。
今はもう読めません(もしかしたら、どこかに記事を移転して現在も掲載しているかもしれません)し、内容はうろ覚えなので、自分なりの解釈も加えて説明させて頂きます。
それは『常に勝利せよ』ということです。
急にどうした? と思われるかもしれません。
まぁ最後まで聞いていってくださいよ。
私はデビュー作が1巻で打ち切りとなって、大変なショックを受けました。
ですが、筆を折ることはしませんでした。
作家として大した収入もなく、再起を図ってWeb小説を連載しても、ヒットや書籍化までには至らない。
ですが、筆を折ることはしませんでした。
色々な新人賞に応募して、それでも何作も何年も、受賞できませんでした。
ですが、筆を折ることはしなかったのです。
何故か?
それは、『小説を書くこと自体』が楽しかったからです。
お金を手に入れるのが目的なら、普通に働いた方が遥かに稼げていたことでしょう。
投稿サイトで人気を勝ち取るのが目的なら、他のユーザーをフォローしまくって交流して、流行の要素をモリモリに盛り込んで、人気が出そうにないなら途中で打ち切って、また新作を書いていたことでしょう。
新人賞に合格するのが目的なら、何年目かで「いやコレなに書いても受賞できねーわ。やーめよ」となっていたと思います。
そうしなかったのは、苦しくて大変でも、誰にも評価されなくとも、物語を考えて書く行為そのものに、悦びや楽しさを見出していたからです。
それが『我、常に勝利している』状態ということです。
私は世間からすれば負け犬ですが、1巻打ち切りのクソザコ作家ですが――住む場所があり、僅かでも収入があり、畑で作った野菜を食べ、夜や雨の日は小説に没頭できる。
この上ない、恵まれた環境でした。
大変でしたが、私は自分自身を不幸な人間と思ったり、暗黒時代を過ごしているとは感じませんでした。
20代の投稿生活を『冬の時代』と表現しましたが、作物が育ちにくい冬も、農業にとっては大切な時期なのです。
しかし他の方々にも「そうであれ」とは強要しません。
「別にラノベとか好きじゃないけど、書けば売れるしチョロいわ」という作家も、それはそれでアリだと思います。
お金が目的で、その手段としてラノベが合致しているのなら、文章を書いてお金を稼ぐのは素晴らしいと思います。
「書くの面倒くせーし何なら嫌いだけど、投稿サイトで人気出る方法を感覚的に把握してるから書くわ」というのも、皮肉抜きに立派な技術や才能だと思います。
ただ、もし貴方が――小説やラノベを書くのが苦痛なら、楽しくないのなら、無理してまでプロ作家や書籍化を目指す必要はないと思っています。
もっと何か、他の楽しい趣味や道を見つけた方が、有意義な人生でしょう。
仕事で依頼されているでもない限り、『書かなければいけない』ということはありません。義務になった途端、人間はやる気が失せるものです。
しかしそれでも「書く以外に道がないんだ」と思うのであれば、漫画原作のシナリオや、ソシャゲや演劇の脚本など、文章を書く仕事は色々とあります。
打ち切り作家さんでも、そうした方向で模索するのも良いかと思います。
いずれにせよ、苦しくて大変でも、その作業自体を楽しめるようになれば、悦びや達成感を見出せるのなら、途切れることなく継続できます。
日の目を見ず、芽が出なくても、冬の時代だと感じても、成長を続けてください。
やがて春になれば、雪の下から芽吹いてくるのですから。
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