第2.5話 暗闇の少女
一瞬にして少女は孤独の存在となった。この世界にもう必要と感じるものすべてが失われる感覚を感じた。
「どうして。どうして一人なの」
孤独になっても時は自然と流れていく。変わらない毎日、変わらず感じる孤独感。何より絶望が強くなっていく。世界を嫌い、自分を嫌った。
やがていっそのことしぬことが一番の幸福なのではないかと考えだす。しかし行動を起こそうとしても体は震え心は抵抗する。息はあらくなり恐怖が強くなり結局できない。
「怖い。一人にしないでよ。だれでもいいはらってよ!」
少女に見える希望も何一つ存在しない。この世界には少女を救える手はもうない。周りがどう頑張ろうが少女を一人にしないように行動しようが変わりない。少女から見える視点からは手を差し伸べる人は見えないからだ。
「もう一度」
少女はそれでも願った。不可能であってもやり直すための時間を。過去に戻り希望を取り戻すことを。
「もう一度あの人のもとへ」
暗闇のなか微小の光を探しだそうとする。光がどんなものなのかはわからない。もしかしたら幸福と考えた行為と同じなのかもしれない。それでもいいと探し求める。
そして少女は光を見つける。少女にとっての光。それは空に行くことだった。外をかけなるべく高いところを探した。もう恐怖は消え自然と体が動く。震えていた足も今ではしっかりと地面を踏みしめている。
「ごめんねありがとう」
暗闇の世界で生きることに限界を感じた少女は高い場所に上りそのまま空に行くことを望んだ。
だんだんと離れていく空。どんなに手を伸ばしてもその手を引っ張りあげてくれるようなものはいない。今いるものは少女の行動に悲鳴を上げあるものばかり。
それでも少女は幸せだった。光が見えてきたから。暗闇からついに解放されるのだと。
「そっか」
少女の見えていた光が現実になってきた。すべてをさっし現実が見えるようになった少女の視界から大勢の人たちがいた。
新たな後悔がめばえてきた。隠していた闇。それをはらすことができたときにはもう遅いからだ。
残された光と後悔。二つが重なり少女の一生は終わったのである。
「光を手に入れるのならもう一度」
次目を覚ました時それは暗闇ではなく朝日照らされた朝。
「もういくぞ」
孤独だったはずの少女に声をかけるものがあらわれる。
彼女にとっての光。それは夢をかなえることであったのだ。
「もう一度。今度は成功させないと」
そして少女は光をさらに光らせるため行動を始めるのであった。
満開の恋 蓮蠱 @rusiruhu
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