22話 ニーの本気。
22話 ニーの本気。
『存在値2000万』と対峙したことで、
『レベル1兆』という数字が、センの想像の中で、
『明確な重み』を持ってくる。
これまでは、フワっとしていたが、
(ニーの……5万倍……アレの5万……ぃ、いや……どうしろってんだ……)
と、悩んでいると、
そこで、
「いやぁ、今の一撃は、すごくよかったねぇ。やるやるぅ。さすが、ヤオヨロズの迷宮をクリアした勇者だ」
ニーがムクリと起き上がり、
「じゃあ、そろそろウォーミングアップはおしまいにして、ニーも本気を出そうかな」
「……ぺ?」
『まだ本気ではなかった』という事実を知ったセンは、
あまりの衝撃に、疑問符もバグっていく。
「ちなみに言っておくと、ニーが本気を出した時の存在値は……」
「……」
ニーは、誇らしげに、
「――『89億』だよ」
などと、ふざけたことを言いきった。
センは、
「……は、はは……」
もはや笑うしかなかった。
無様に笑うしかなくなったセンの前で、ニーは、
「……『シュブ=ニグラス・モード』……」
そう宣言すると、
まん丸のスライムボディから、ニョキっと二本の腕が生えてきて、
グググっと『悪魔のような顔つき』になり、
オーラの質が禍々しいソレへと変化した。
それだけでは飽き足らず、
「――さらに!! 真・武装闘気!!!」
叫びに呼応し、ニーのオーラが膨れ上がる。
武装闘気は、覚醒系の魔法。
すべてのステータスが大幅に上昇する。
まだまだ、ニーは止まらない。
「続けて、真・武装闘気を超えた真・武装闘気! その名も、真・武装闘気2!!」
膨れ上がったオーラが『定期的にバチバチと走るイナズマ』を纏う。
「そして! これが!! ……ぬぬぬ……ぬぬぬぅうううううう!!」
さらに、さらに、膨れ上がっていくオーラ。
ついには、
カッッ!!
と、強い光を放ち、
……その光が、収束した時には、
「――これが、真・武装闘気3。時間がかかってすまなかったね。まだこの変化になれていない……って訳でもないんだけど、今のニーだと、これ以上の時間短縮はできないんだよね……いや、まあ、やろうと思えばできなくもないんだけどね、いろいろと、ゆずれない理由があってね」
などと、ダラダラ、意味のないことを口にした。
ニーのあまりに大きすぎるオーラを目の当たりにして、
「……ぅ……」
思わず、後退(あとじさ)りしてしまうセン。
(う、うそだろ……マジかよ……こ、ここまで、デカいのか……)
『89億』のオーラを前にして、
センは、普通に、気が狂いそうになった。
(こ、こんなもん……どうしろってんだ……どうすれば……どうすればいい)
……と、そこで、
「……セン!」
センは、背後から声をかけてきた美女――シューリに視線を送る。
シューリは、一度、センの目をジっと見つめると、
直後、
フっ……と、
『何か悟ったような顔』で、
「もういいでちゅよ。……ソレには勝てないでちょう? 89億は、さすがにふざけすぎでちゅ」
「……」
「あんたが頑張ってくれたことは、もうわかってまちゅ。『存在値2000万の化け物を倒せるだけの努力』、それがどれだけのものか……もちろん、正確にはわかりまちぇんけど、かるく想像することぐらいはできまちゅ。……だから……」
そこで、シューリは、ニタニタ顔をやめて、
まっすぐな笑顔で、
「――ありがとう。セン。頑張ってくれて、本当にありがとう。嬉しかった。だから、もういい。……あんたは生きて、自由になりなさい」
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名前『フルパワー・ニー』
《レベル》 【800】
(存在値) 【89億】
[HP] 【80億/80億】
[MP] 【6億/6億】
[スタミナ] 【1億/1億】
「攻撃力」 【9000万】
「魔法攻撃力」 【3000万】
「防御力」 【10億】
「魔法防御力」 【10億】
「敏捷性」 【6000万】
「耐性値」 【9000万】
「HP再生力」 【1億】
「魔力回復力」 【9000万】
「スタミナ回復速度」 【1000万】
「反応速度」 【1億】
「隠しパラメータ合計値」【100億】
習得魔法「無数」
グリムアーツ「なし」
スペシャル「ゴッドメタルボディ」「超頑強」「我慢強い」「パワーファイター」「テクニシャン」
戦闘力評価「★★★★★★★★★★」
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