20話 エグゾギア、出撃準備完了。
20話 エグゾギア、出撃準備完了。
――カースソルジャーは、センのオーダーに応えようと、
両手に構えた二丁の魔銃を、ニーに向けて、ぶっぱなした。
異次元砲直後の、軽い硬直を狙われて回避は不可能。
真っ黒な銃弾をぶちこまれたニーは、
「……げっ……」
カースソルジャーは、直接的戦闘力はカスだが、
『相手に呪いをかける』というデバフ要員としては非常に優秀。
「うぼぉぇっ……っ」
ゲロを吐き出すニー。
極端に動きが重たくなる。
神獣カースソルジャーの『呪い』は凶悪。
動きが悪くなったニーを尻目に、
センは、
「欠損治癒ランク70」
高位の治癒魔法で腕を再生させると、
そのまま、
「さあ! もう一つ、差を詰めていくぞ!!」
叫びながら、右手に、『禍々しい拳銃』を召喚し、
その銃口を、自分のこめかみにあてると、
「――エグゾギア、起動っっ!!」
叫びながら、引き金を引いた。
バキュンッ、という漫画みたいな効果音が響き渡り、
センの脳脊髄が爆散した。
その爆散したセンの頭部が、
ぐにゅぐにゃとうごめいて、
センの体を包み込んでいく。
センの無意識の中で、声が響く。
『素体融合、開始――殺神回路外骨格、構築完了』
気付いた時、センは、
『殺戮の神』を『身に纏って』いた。
頭からつま先まで、完全に、キグルミのように。
まるで、身長2メートルほどの『殺戮の神』の内臓や骨を綺麗にくりぬいて、代わりに、その中にセンが収まっているかのように。
『聖なる白銀』に『原罪の闇』を溶かしたような死華が幻想的に舞う。
声も出ないほど神々しいのに、とても、美しいとは言えない、極悪で凶悪で絶悪な姿。
『AEG最適化中……
SSPSE変換中……
アーティキルビット・プログラム、登録無し、オルタナエディタ起動。
武装登録無し。転送不可。
AEGスキル検索。登録なし。AEG基礎スキルのみ発動。
伏素カイゾロイド魔動アクチュエーター、融合完了……
ココロネット・オルタネーター統制、
アルモニーモンド・ピット、コンパクト化完了。
ゼオ・コクーロイオン循環開始――』
「――ぶはぁ……っ」
『殺戮神の着ぐるみ』の中で、脳を自動再生させたセンは、
視界が戻ると同時、酸素を全力で体内に取り込んでから、
「さぁ、いくぞ……これが、今の俺に出来る全部だ」
そう言って殺気を放つが、
実は、まだ動けない。
エグゾギアは、動き出すまでに時間がかかるのが難点の一つ。
殺気で牽制することで、どうにか間を保つセン。
……エグゾギアは、デメリットの多い兵器だが、
しかし、
『――エグゾギア、出撃準備完了。御武運を、マイマスター』
一度、動き出してしまえば、
凶悪な暴力性を発揮して、
目の前にいる敵を粉砕してくれる。
「しゃあ、おらぁああ! 死ねぇえええ!」
出力全開で、ニーに特攻するセン。
「ぐぶふぅうううっっ!!」
エグゾギアを身に纏うセンの『会心の一撃』が炸裂する。
素の状態とは次元の違う火力。
ちなみに、今の一撃は存在値『1000万』相当。
この出力を出せるのは、かなりの短期間。
一瞬の煌めき。
しかし、センは、その一瞬の中で必死に『命』を輝かせて、
「おらおらおらおらおらぁあああああっ!!」
無慈悲なラッシュで、ニーを追い込む。
脳内麻薬が、限界を超えていく。
今のセンには、すべてがキラキラして見えている。
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名前『センエース(毘沙門天の剣翼、展開時&エグゾギア、起動時)』
・称号『永(なが)き時空を旅した敗北者』
『常軌を逸した狂気の努力家』
『絶望の運命に抗う冒涜(ぼうとく)者』
『武の極みを垣間見た修羅』
『半神』
『ナイトメアソウルゲーター』
《レベル》 【1】
(存在値) 【826万9887】
[HP] 【390万/570万】
[MP] 【98万/177万】
[スタミナ] 【38万/90万】
「攻撃力」 【1920万9991】
「魔法攻撃力」 【150万6000】
「防御力」 【132万100】
「魔法防御力」 【32万9900】
「敏捷性」 【530万6300】
「耐性値」 【212万9180】
「HP再生力」 【80212】
「魔力回復力」 【5520】
「スタミナ回復速度」 【162万2630】
「反応速度」 【632万3200】
「隠しパラメータ合計値」【370万6500】
習得魔法「双牙雷術ランク50」「大治癒ランク98」「雷光弾ランク120」「幻影呪縛ランク88」「武装雷撃ランク105」「限定空間ランク80」「転移ランク70」「突貫雷槍ランク150」「豪将剣気ランク110」「プロパティアイ」「異次元砲」「フルパレードゼタキャノン」「オーラドール・アバターラ」「ドリームオーラ」「マリオネットゲイザー」「みんな死ねばいいのに」「他、多数」
グリムアーツ「閃拳」「神速閃拳」「龍閃崩拳」「逆気閃拳」「深淵閃風」「他、多数」
スペシャル「不屈の魂魄」「サイコパス」
戦闘力評価「★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★」
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