19話 毘沙門天の剣翼、限界を超えて舞え!


 19話 毘沙門天の剣翼、限界を超えて舞え!


 ボッコボコにされた。

 あきらかに手を抜いているニーに、

 センは手も足もでなかった。


「いや、強すぎるだろ、このスライム、ふざけんな!!」


 全力で半神化して、強化系の魔法もフルで使って、

 『磨き上げてきた武』の『全て』を駆使して挑んだのだが、

 数値の差が、さすがに大きすぎた。


(動きが見えねぇ……『俺の武』が全て流される……魔力も、オーラも……質が違いすぎる……)


 ギリィっと奥歯をかみしめ、


(無理だ……数値が足りねぇ……『素の俺』だけで挑むには、研鑽がまったく足りてねぇ)


 理解すると、

 センは、




「くそ、くそ、くそ……たかが『2000万』が相手でも、『素手』じゃどうにもできねぇのか……弱いな、俺ぇ……こんなザマで、どうやって1兆を倒すんだよ、どちくしょう……」




 そこで、覚悟を決めて、アイテムボックスに手を伸ばした。


「くそが……これは、『一兆の敵』と戦う時のための『とっておき』だったのにぃ……」


 『ナイトメアソウルゲート』には、『己の武を磨く施設』だけではなく『超絶アイテムを作成できる工房』みたいなものもあった。

 『1億年』という永き中で、センは、いくつか『切り札』を育てあげてきていた。


 その中の一つが、



「――毘沙門天(びしゃもんてん)の剣翼(けんよく)!! 限界を超えて舞え!!」



 背中に、後光のような『剣の翼』を展開させて、無茶なオーダーをかましていく。

 剣の翼は、センの要望に応えようと、ギラつくオーラを放出しつつ、

 ファ〇ネルのように、ヒュンヒュンと飛び散って、ニーのまわりを囲んでいく。


「俺の毘沙門天は、高性能だが超絶ピーキー。集中力の大半を毘沙門天の操縦にぶっこまないと、使い物にならねぇ! ようするに、毘沙門天を使っている間、俺自身の『武の性能』は普通に落ちる!」


「暴露のアリア・ギアスかな? 個人的な総評だと、その暴露は、マイナスな気がするかなぁ。剣の翼をかいくぐり、ふところに飛び込んだら終わってことじゃない?」


 そう言いながら、

 ニーは、鮮やかに、『飛翔する剣』の猛攻を回避して、

 センの至近距離まで近づくと、


「――異次元砲――」


 バカみたいに高次元の魔法を放つ。

 汎用性の高いビーム魔法。


 その一手に対し、センは、ニっと笑って、


「小利口なやつほど、暴露フェイクにすぐ引っかかるよなぁああ!」


 不可視化状態にして取り出しておいた『花札』のような小さいカードを、

 空に放り投げながら、


「――猪鹿蝶(いのしかちょう)――」


 そう宣言すると、

 カードが紫に輝いて、

 ――人型の姿へと変貌していく。


 ――その間に、ニーの異次元砲はブッ放たれて、

 高位のエネルギーが、センの右腕をさらっていったが、

 しかし、そんなことはお構いなしとばかりに、

 センは、



「カースソルジャァアア! てめぇも、限界を超えて舞えぇえええ!!」



 召喚されたのは、神の召喚獣カースソルジャー。

 『召喚獣』にもランクはあるのだが、

 カースソルジャーは、『神獣』の領域に足を踏み入れた超高位召喚獣。


 今のセンでは、限定条件をいくつか踏まないと召喚できないが、

 召喚できれば、かなりの戦力になる。



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 名前『センエース(毘沙門天の剣翼、展開時)』

 ・称号『永(なが)き時空を旅した敗北者』

    『常軌を逸した狂気の努力家』

    『絶望の運命に抗う冒涜(ぼうとく)者』

    『武の極みを垣間見た修羅』

    『半神』

    『ナイトメアソウルゲーター』


 《レベル》     【1】

 (存在値)     【312万6800】


 [HP]      【502万/550万】

 [MP]      【129万/172万】

 [スタミナ]    【70万/89万】


 「攻撃力」       【852万8000】

 「魔法攻撃力」     【93万2000】

 「防御力」       【132万】

 「魔法防御力」     【32万9800】

 「敏捷性」       【238万52】

 「耐性値」       【212万9080】

 「HP再生力」     【80012】

 「魔力回復力」     【5320】

 「スタミナ回復速度」  【162万2530】

 「反応速度」      【90万9800】


 「隠しパラメータ合計値」【370万6500】


 習得魔法「双牙雷術ランク50」「大治癒ランク98」「雷光弾ランク120」「幻影呪縛ランク88」「武装雷撃ランク105」「限定空間ランク80」「転移ランク70」「突貫雷槍ランク150」「豪将剣気ランク110」「プロパティアイ」「異次元砲」「フルパレードゼタキャノン」「オーラドール・アバターラ」「ドリームオーラ」「マリオネットゲイザー」「みんな死ねばいいのに」「他、多数」

 グリムアーツ「閃拳」「神速閃拳」「龍閃崩拳」「逆気閃拳」「深淵閃風」「他、多数」


 スペシャル「不屈の魂魄」「サイコパス」


 戦闘力評価「★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★」

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 名前『カースソルジャー』


 《レベル》     【300】

 (存在値)     【120万】


 [HP]      【250万/250万】

 [MP]      【100万/100万】

 [スタミナ]    【50万/50万】


 「攻撃力」       【5万】

 「魔法攻撃力」     【5万】

 「防御力」       【9万】

 「魔法防御力」     【9万】

 「敏捷性」       【390万】

 「耐性値」       【9万】

 「HP再生力」     【9万】

 「魔力回復力」     【9万】

 「スタミナ回復速度」  【9万】

 「反応速度」      【230万】


 「隠しパラメータ合計値」【120万】


 習得魔法「転移ランク100」「高速移動ランク100」「心眼ランク100」「乱数呪縛ランク100」「魔毒ランク100」「乱数麻痺ランク100」「他、多数」

 グリムアーツ「なし」


 スペシャル「回避率高い」「回避率超高い」「回避率超々高い」「真・状態異常共有」「真・状態異常共有・改」「真・状態異常共有・改2」「状態異常に強い」「状態異常に超強い」「カースオーラ」「カースオーラ2」「カースオーラ3」「ダークネスオーラ」「ダークネスオーラ2」「ダークネスオーラ3」



 戦闘力評価「★☆」

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