32 懐かしい記憶。
私は、お兄ちゃんんに、パソコンの使い方を教えてもらった。
基本操作が分かるだけでも全然違うものなのだと思った。
お兄ちゃんは私に洋服やスーツを、インテリアを買ってくれた、そして、要用の御金を支払ってくれた。
彼のいう事には、御金が有り余っているから出来るだけの事はさせてくれとの事であった。御金持ちは考えることが違うなあと思った。
「豪邸に住みたいよ。お兄ちゃん。」
「豪邸ねえ。未だそれだけの御金はねえなあ。」
「家は、一軒家を買ってやったんだ。此れで好きに出来るだろう。
防音にしておいたから、騒いでも大丈夫な怒られない使用なんだ。五千万したんだ。売り上げの四分の一はこの、家に使った。光熱費も僕が出してるんだぞ。」
「もっと、売れる様になってよ。未だ若いんでしょ。今がんばって稼がないと駄目よ。」
「私は大学生だから、未だ稼いでいないけれど、きっとお兄ちゃんより稼げるようになるわよ。」
舐められたものだ。
と思いながらも、あながち冗談ではないかも知れないと思っていた。
何にせよ彼女は有名な、国でも難関の大学に現役合格していて、其の大学でも、よい成績を取り続けている優等生なのだから。
そう。
難関大学。
最難関大学と言っても過言では無いかも知れない。
其処に、其処の人気学部に合格して、生徒代表に選ばれた逸材なのだから、少し売れて金持ちになったお兄ちゃんなど、凄くもなんともないのかもしれない。
億万長者も彼女からすれば、一時代の御金持ちに過ぎないのだろう、此れが天才的頭脳を持った、妹なのである。
姉は、幼い頃に私たちを庇って死んだが、死んだ姉こそ、真の天才、逸材、数千年年に一度の人間だったのかも知れない、精神異常の姉は、未来を予言し続けた、そして、最悪の事態を避ける為に、戦い続けた。
僅か、十歳で、無くなった、死ぬ時、私達二人が死ぬ運命を変えられれ良かったと言っていたという。
恐ろしい姉だった。
お兄ちゃんのお兄ちゃんは居なかったが、馬鹿な弟がいた。
弟は、お兄ちゃんに憧れていた。何でもできるお兄ちゃんだったからだ。
けれど、決して弟は天才肌では、無かった、努力の天才だった、ひたすら努力して、お兄ちゃんや、姉に追いつこうと頑張った、その結果が、史上最年少で多くの文学賞を受賞した兄とは裏腹に、其の大人になってから、多くの偉業を世界から讃えられた大器晩成がたの弟の、南城 皐月なのだろう。
兄さんの居るはずの無い人間をいるだとか、あるはずの無い場所が或るだとか、そういった、空想に兄さんが捕らわれていたのは、私が生まれてきた時には既に兄さんは、もう空想の世界に生きていた。
だから、小学四年生にして、文学賞を受賞し、中学生の頃には其の賞金で、自立していた、読書家だった彼は、法律の勉強と、簿記の勉強、情報技術師、医学の勉強を稼いだ御金で本を買って独学でして、司法試験に受かり、簿記は一級だった、大学には、通わなかった為、医者にはなれなかったが、医学の知識も相当のものだった、兄さんは何でも独学でやって来た。
私とは其処が違う。
私は、この国一と言われてはいる大学に合格したが、その後、首席に選ばれて表彰されたが、此れは全て兄さんの部屋にあった本が、私自体が幼い頃から、本に囲まれて過ごしてきたからにほかならない。
隣の部屋からはよく、外国人が、喋っているのを聞いていた両親が有名な学者だったからだ、その学者が外国語で議論するのを良く聞いていたし、外国にも良く連れていかれた、だから優秀なだけなのだ、兄さんとは根本的に違う。
兄さんは、夢想していた。自分の世界に住んでいるのである、其れであれだけ売れたのだから、もう私も何も言えなかった。
両親も呆れていた。
私は、兄さんが、怖い。
居ない人間の話をして、あり得ない現象があったのだと、笑いもせず大真面目に語る兄さんは異常だった。
けれど確かに天才で、司法試験に受かっていた、簿記は一級だった。
実務が出来ないから、それらは兄さんにとって何も役にも立たないが、確かに非凡である事は確かだった。
兄さんは、今日も、在りもしない世界の事を、喋りだす。
この世界にはない言葉を使い出す。
そして、その予言が当たる。
姉さん程で無いにせよ、確かにその譫言は、当たるのだ。
彼の言っていた事で助けられた事が何回あったか知れない。
百発百中だった姉さんと違い、やや外れる事や、その正確さに欠ける事はあったが確かに、未来を見ていた。
その自分の世界で、何かを見て還ってきていたのである。
そう、あの世界の話を。
あの、作品群の話を。
遠い世界の話を。
止まっているあの世界の話。
動いている、あちらの世界の話。
ボルンの話。
其の前の話。
其の時系列。
あれを、生み出したのは、三週間前。
ボルンが出来たのは、一週間前。
あれの世界とこの世界は別ものだが。
ボルンとあの世界は繋がっているのか。
あの世界が終わって、世界の終わりにボルンは生まれたのか。
其れでは、この世界は一体誰の世界。
何の物語。
何の為の物語なのだろう。
この物語は、只の小説の出来損ないだ。
此れは、的確なストーリでは無いのだろう。
なぜならば、登場人物が、的確に役割を持っていないからだ。
ストーリーの完結の為によういされていないからだ。
支離滅裂であるからだ。
このストーリーは、此れまで私が描いて来たストーリーのどれとも違う、いわば、此れは、只の書き殴り。
そういった作風で在ろうか。
あまり、シリーズ化を考えて居ないような、書き殴り小説、兎に角思いついた事を書くそう言った者に成ってしまっているらしい。
此処で、登場人物を整理してみよう。
水泳家
鯨
金魚
瀬那
縁結家
狂歌
無答家
詰
冷徹家
殺。
山之内家
貝
呪ヶ禰津家
踏禍
鮎川家
業(ごう)
和夫
道子
良子(よいこ)
点
真子(まさこ)
ボトルムント家
ベンジャミン
キャサリン家
カロリーナ
凶蛇家
呪
城ケ崎家
潰(つぶし)
黒池家
野風
暗殺家
弾鉄
一ノ瀬家
結衣佳
髪切家
洋一
重人
善弥
金玉 運
天狗
金色家
篇銀
ミミズク
であった。
そうだった。
確かにそうであったのだ。
このメンバーだったのだ。
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