25 黒池野風は、両親を殺害した。
「何て、良い肉体なんだ。この手術で貴方は、鋼鉄の肉体を手に入れる様になるでしょう。」
牧村はそう言って、何やら細胞活性剤と書いてある、ビーカを持ってきた。牧村 粒 この研究所の所長だ。
「此れは、最近の研究で、開発された、細胞を硬化させる薬、その配合比率、遂に見つけたのです。」
牧村はそう言って、貴方は貴方位の強靭な精神と肉体の人間ならば耐えられるでしょう。
痛みは取り除かれている筈なのに、細胞がやめてくれと泣いているのが分かる、なんて劇薬なんだ、もう意識が遠のきそうだ、データが脳内データがこうした異常で完全に初期化されれば、もう戻ってはh来られない。
「ぎゃあああああああああ!!!!!。」
思わずさけびちらす。
「ほう。あなたほどのお方が、この様に感情的に御叫びなさるなんて!!。」
と、牧村は驚いていた。その、二分後。遂に強靭な鋼鉄の肉体を手に入れたのであった。
「試しに弾丸で体を撃ってみましょう。」
バキュン!バキュン!
稲妻の様に鋭い音が部屋中を駆け巡る。
ピりギュイー。ぴりギュイー。
と、その弾丸を諸戸もせず、跳ね返した。
「此れは、もう人間ではなくなって終ったようだ。」
と彼は言った。
この組の始まりは千五百四十八年。
元は、戦国武将の忍びがルーツだったと言われている。
其れから代々、国の裏方で仕事をしてきたが、千八百八十九年。
戦争で武功を上げ、昇進し、其処で得た御金を元手に始めた、外国の賭博会社 クロード が端をなし、今では世界に名をはせる、一大財閥になった訳だが。(現実の世界には存在しません)
現在その、財閥 黒池財閥がまさか、この様な非人道的な、倫理に反する研究をしており、かつそう言った闇と繋がっていると明るみにされてしまっては、もはや、なすすべは、抗争を止めさせ、然るべき裁きを受け、其の研究と財産を、次世代の人間に継がせる以外にはなかった。
儂ももう五十一だ。
バカな事はしていられない年に成って来た。
次世代の才能に、この財閥の未来を託さなければ。
成らぬ。そうしなければ死に切れぬ。
此れ迄してきた、悪徳商売を漏らさず公表し、被害者に呪われながら死ぬのがいい死に方だ。愚かなり野風と言われながら散っていこう。
自分で手を染めては居なものの、部下を使って多くの数えきれない人間を殺し、又消えない傷をつけ、自殺に追い込んだ。
今更慈善的な事言おうとも、許してほしいとも思わないが、私は、この事件を告発した、あの女に殺されよう。
処刑台で、殺されよう。
そして、押しつけがましく、御金を配ろう。被害者にお金を配ろう。そうして死ぬんだ。
彼はそう言って、財閥の組織の犠牲者に会いにいった。
「この世界には死んでしまった方がいい人間がいる。」
幸福の追求に呪われた、悪人どもだ。
善人の皮を被った悪人。
正にあの女の事ではあるまいか。
あの、憎い、八方美人の、半端ものの、あの極悪人。
存在が悪の、あのゴミ。
そう虫けら。
如何して存在しているのか。
あのようなゴミカスが。
空気を吸っているのも罪のあの人間、いいや、ゴミむし。
「あのような人間が、ゴミが居るからこの世界はこうも犯罪で溢れ還る。」
野風はその極悪非道なこの世の悪。
偽善者を、偽善を殺すために、悪徳な行為を続けてきた。
全てあの、非道人への当てつけなのだ。
幸福の女神の様なあの化け物。怪物。幸福を具現化した人間。
あれは、見て居られない。
幸福。
見ているこっちが惨めになる幸福な人間であった、殺してやろうと思った。
「あの女を殺さないとな。」
「あの女と、犠牲者のあの女とじゃ人間の品格が違う。」
あの女は殺してやる。
のうのうと生きている。
あの極悪人。
何の贖罪心も持たぬ幸福人。
謝罪をその、位陰鬱な心の存在しないあの、鬼のような、気持ちの悪い女。
誰も憎まず、怒らない女。
気持ちが悪い。
あれを見ると胸糞が悪くなる。
悪い事でもしていないとおかしくなりそうになる。
あの、生まれつきの善人、優しさの塊。
彼奴を処罰しないと駄目だ。私の母親を殺さないと駄目だ。
あれがいる限り私のこの破壊の心は止められない。
あの、優しすぎる、異常女を、君の悪い程の正論を、殺さなければならない。
僕の母。
黒池 車 あいつだけは許さない。
あいつだけは許せない。
人の好過ぎる彼奴は、社会の落ちこぼれを集めては、其れを助けた。
正しい事だといって、隣国の人間の味方をした。
あいつはおかしい。
悪い事は考えないのか。
あいつは何でもいい風に考えるんだ。
私はその度に犯罪を犯した。
正しすぎる母が気持ち悪かったから。
黒池 を悪の組織に変えたのは私だが、私は悪くない。
あの、彼奴が、ああ、優しすぎるからいけないんだ。
こうでもしないと怒っては呉れない、叱っては呉れない。
あの女は、決して人間を咎めたりしないんだ、其れが気持ち悪いんだ。
言いがかりなのはわかっている、だけれど、僕は、黒池 野風として、あの母親を放っておけない。
この手であの、人間の生命を終わらせる。
「悪く思わないでくれ。」
車はいった。
孫の世話だって私はよく手伝ったし、御前の為に色々援助をしてやっただろう。
私を殺したら、御父さんが黙っちゃいないよ。
と、彼女は小物のような発言を繰り返した、
「随分、優しくなったものだ。」
あの女が命乞いをしているのだ。
あの正しさは、私の幼かった頃の私の幻想だったのか。と思った。
「私を殺したって何もでないよ。無駄なだけだ・それに私はお前が大事なんだよ。」
なんとも情訴えかける事を言ってくる女だ、よし殺そう、此奴はいまのうちに殺しておかないと、又多くの人間を、その術に掛けて、家族だよだとか、なにか孤児院のマザーの様になって、多くの人間に正しさを胸糞の悪くなる綺麗ごとを言い続けるに違いない、其れを聞く度に私は気味が悪くなって、人を殺したものだ。
「小さなものでも命があります。命は大切にしましょうね。」
いい事を云う婆さんだった。
きっと天国に行けるだろう。
さようなら。
僕の母さん。
バン!バン!バン!
拳銃を三発蟀谷と、喉と、心臓に撃って殺した。
その遺体は、仏の様に教会のマリアの様に美しかった。
寒気がした。何か神様を殺してしまったかの様な寒気がした。
経験で、慈悲深く、人望のある、其れこそ神聖な人か、何か神に近い人間だった。私はようやくこの人間を殺害しえたのである。
蘇ってきそうで怖かったので、木の棒でつついて確かめた、その後、爆弾を口に入れ、ガソリンを飲ませ火をマッチを口の中に投げ入れた。
ドっカーンと花火のような爆発が起き、死体は粉々に砕けた。
「次は父親を殺さないとな。」
母が死んだ。其れも誰かに殺されたと知ると犯人を捜し始めるだろう。
さっさとあの父親も殺しておくのが吉である。
妻の車と同じ殺し方をしてやった。父は嘆き狂い、こんな子に育てた覚えはないと叫んで、もう止まらなかった。
「煩いな。さっさと死ねよ。」
ドっカーン!!
血が飛び散ていた。
「汚い。死に方まで汚い爺だな。」
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