17 パチ屋に対する、ある男の憤慨と憎しみ。

 しかし、この金をパチンコに使っちまったのは、最悪手だった。


 どうして打っちまったんだろう。


 回転率が良かったんだ、其れに、大当たり確立もかなり高かった、いいスペックだったんだ。


 一発逆転で、資金が増やせたらと思って打ったんだ。


 其れがこの結果二十万負けか。


 もう二度と打たない。


 パチンコは二度とやらない。


 犯罪級の損失だ。


 パチ会社あ僕の敵だ。


 彼奴ら僕から二十万を取っていったんだ。


 返せよ二十万。


 糞。


 この低賃金の仕事では二十万も大きな損失だ。


 ふざけてる、台を殴りたくなった。


 あの台。許さない。僕を裏切りやがった。


 信じて打ったのに此れか、このしうちか。


 糞パチが。


 パチンコ会社潰れちまえ。


 煩い騒音とノイズの糞商売。


 言っていて惨めになった。


 こう言っても、パチンコはいいものだと知っているのだ。


 ただ負けた時はこうなるのだ。


 勝てばこうはならない。


 しかし、もう僕の経済力でパチンコを打つのはやめた方がいいな、もっと金持ちなら話は別だが、金持ちはパチンコなんかしないか、もっと仕事で忙しくてそんな暇はないだろう。


 僕はパチンコに何を期待していたんだ、あんなもので稼いでも、罰が当たるだけだ、パチンコ店は儲かっているだろうが、僕は、あのような商売とは違う、損益の少ない、詐欺の少ない、ちゃんとした商売で成功するんだ、パチ屋みたいなぼったくり商売はしないんだ。


 当たりが出る確率は偽ってないし、確かに詐欺ではないけれど、僕は、パチンコ業者に負けたくないんだ。パチンコバイトで在んなにかせげるなんて、僕は悔しいよ。あんな、悪徳な商売でがっぽり稼いでいる、パチンコ業界も、その鴨になった、僕も、周囲の人間も。


 パチンコを潰したい。


 世界から廃絶させたい。


 しかし、パチンコは無くならないんだ。


 その台は、美しく、エンターテインメント性に溢れている。


 御金が無くなる事を除けば、完全なエンターテインメントじゃないか。


 しかし、厭なものだ。


 其れが、あのような、敗北者達を生み出し、世界をゴミ糞に変えてしまうのだ。ちょっとした確率の罠によって。


 反社会勢力は、パチンコ大好きだ。


 政府に、文句が或る若者や、会社の方針が許せない、気難しい若者が此処で憂さを晴らすのだ。


 惨めな労働者。


 奴隷。


 奴隷の慰め。


 厭だろう。


 当たる確率確かに有るが、長く続ければ必ず負けに成る。


 其れがギャンブルだ。


 御金持ちの遊戯でしかない。


 大企業の会社の社長、SEOのちょっとした気晴らし、その為の施設。一般人が入っていい場所では無い。


 ギャンブルで幾ら使っても、御金が無くならないどころか、増えているくらいの人で無いとやっちゃダメな事なんだ。


 だから、僕はギャンブル依存症患者が、奴隷にしか見えない。


 鴨が御金を盗られにのこのこと、パチ屋に足を運ぶのだ。


 偉そうにな事を言うなと、その依存症患者は、パチ屋に、負けると分かっている、パチ屋に入っていった。其れは、負けると分かっている強敵に立ち向かう勇気ではなく、蟻の其れと変わらない、無知であった。


 なんと、無知で愚かな事でしょう。


 搾取されるのです。


 見事、負けて、せっかく稼いだ給料をパーにしてきました。


 愚かなり。


 此れを愚かと呼ばずして何と呼ぶ。


 意味の無い行為だ


 ギャンブルとは実に意味の無い行為だ。


 とは思わんかね。


 モンティホール問題。


 確かに正解が一つ分かれば確実に当たりがどちらかわかる確率が上がる。


 この世界はモンティホール問題の連続なのかもしれない、僕達は、そして消去法で最善策を選び取る。


 「どう、敗北者の味は?。」


 「どう、美味しいでしょ?。」


 パチンコ、賭博。サイコロ、賭博。トランプ、賭博。ルーレット、賭博。

 ゲーム機。ゲームセンター。


 「子供の頃はよくこのゲームセンターで遊んだんだけれど、もうかつての面影も無くなってしまったわ。」


 とあるショッピングモールセンターの、三階のゲームセンター。


 メダルで遊べるゲーム機がたくさんあった。


 かつてはよく此処で、休みの日になると、カードもらえてそれで戦う、一回百円のそのゲームとか、メダルを入れて景品を落とすゲームだとか、ユーフォーキャッチャーをして、リズムゲームをして遊んだものであった。


 そういった、店も少子化の影響で、流行らなくなって、潰れてしまった。


 此れが、現実だ。


 売れないのである。


 今時は、もう売れない、こういった行為は無駄だと考える。


 つまり、消費者が賢くなっているのだ。だから安易に御金を使わないのだ。


 必要なものにしか使わない。しかもネットで大抵の物は買えてしまう。


 つまり店舗経営はもはや古くなりつつあるのだ。


 ネットで近くのものが自宅まで届く、自動で動く車に委託して届けさせる。


 こういった事が主流になるのだ。此れ迄のこういった、御金の使い方は、無駄使いだといって淘汰されるであろう。


 此処で、思うのは、ギャンブルのくだらなさで或る。


 世界のくだらなさで或る。


 人生の苦悩で或る。


 頭痛で死にそうだ。


 僕は、如何して、親不孝をしている。


 親が嫌いだから。 


 僕はどうして、兄妹を苦しめている、彼らの負担に成っている。


 こんなに情の無いのは、愚かだ。


 兄弟の為に、頑張ろうとか、兄弟の為に成る事をしようとか思わないのだろうか、僕は。


 長男失格だな。


 御金持ちに成って、資格も取って、兄弟の助けになるのが兄の務めなのに、僕はそういった、兄妹からの期待もかなぐり捨てて、一体何をしているんだろう。


 此れは犯罪だ。処刑されてもおかしくはない重罪。


 極刑。


 此れを、詰まらない人間、救いようのないクズゴミカスと言わずして何と呼ぼうか。


 友達からの心配の電話を全て無視し、成人式にも出席せず、完全に、世界とも交わりを断った僕の事をどう救えるのだろう。


 どうして、こんな事をしているのだろう、その先に希望や、光はあるのだろうか、僕は詰み人だ、詰んでいる。其れに、犯罪級の身勝手さで、兄妹も、学校の先生も、部活動の人たちも、かつてのクラスメイトも、心配させた、死ぬと言い続けた、死んでない癖に、死ぬ勇気もない癖に覚悟も無い癖に、完全に、世界と、周りと絶縁し、卒業式にもでず、遂に、大人になってしまったのだ。


 愚か。


 浪人するも受からず。


 道は険しく、御金はなく、人との、交わりを断ち、思索に耽り、自惚れ、陶酔し、自身を如何にか正当化し、特別だと思い込み、天才だと信じて止まず、自分勝手に、藻掻く僕は何てかっこよく天才的なのだろう、僕は神様や王様の器らしい。


 この世界は私の為にあるようなものだ。


 上手くいっていないのは、全て、この先の華々しい未来への伏線なんだ。


 学生時代は、自分は大物になるんだ、こんな大学はクソだ、志望大学は下げない、難関国公立か、早慶以外はゴミのいくところだと、念じて、ずっと勉強してきたがその結果がこの敗北か、そしてプライドの高さゆえのこの世間からの逸脱、解離。


 殻に籠る事で傷つくのを防いだわけだ、くだらない、如何して、こんなにくだらない、落ちたくらいで情ない。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る