8 性格に難のある就活生と、人間ダーツ
何時からか、僕は一人になった。
そうして友達が一人も居なくなった。
友達とは何なのか。
其れが分からないのだ、友達という感覚がもう消えてしまっていた。
誰も居ない。
僕は、居ないのだ。
気の許せる友達何て思えば、この人生で一人も作れていなかったのかもしれない。僕は、ずっと偽ってきたから、友達何ていなかったんだ。
ずっといなかった。
居たのはそう言った、友達の真似事で、きっと其れは崩れやすくて、脆くて、壊れやすい関係。僕は、友達がいない。
「僕と仲良くしようだなんていう変わった男の子や女の子が居たとしても、性格に問題のある私と上手くやっていける人は少ないだろう。」
そう。
僕は、友達がいない。
作れない。
怖い。
仲良くなるのが怖いのだ。
砕けやすい心の私は、友達をつくらない。
喧嘩の後は仲直り。
僕は、其れが出来ない。
喧嘩して、其の儘ずっと其の儘。
仲直りしない。
面倒くさいから、友達は面倒くさい。
学校が無くなってから、僕は本当に一人だ。
そもそも、人に会う機会がないのだから、友達も居なくなっていく。友達だった人間ももう何年も遭わなければ忘れられて、そうじゃなくなっていく、もう、そうじゃなくなってしまったのだろう。
仲良くなる。
お泊り会をする、喋る、遊ぶ、どれを取っても、もう僕はできない。
きっと、其れは、僕の今の結果の出ていない、うまくいっていない状態に原因があるのだろう。
こんな状態で遊べない。
許せない。
自分が許せない。
御金。御金。御金。御金。御金。結果。結果。結果。結果。成果。
僕には足りない。
御金も勝利も、記録も。
この世で最もシビアな事はこの御金かも知れない、どんなに仲のいい友人にだって、御金は、貰えないし、返済を要求される。
僕は貰わないと意味がない。
御金は、貰うのだ。足りないのだ。御金が無いと何も出来ない訳では無いが、大きい事は出来ない。
御金が、費用が足りない。
僕は、御金を稼がないといけない。
そうしないと、事業は成功しない。
親も、友達も御金は、どうにも出来ない、仲良く友達ごっこで御終いだ。其れでは駄目なのだ、友達ごっこは、駄目なのだ、御金を創らないと、友達も家族も、御金をくれるいい友達がいない私は、自分で稼ぐしかない。
「アルバイトなんてする気になれないな。」
僕は呟いた。
アルバイト。収入。御金。低賃金。大学受験。浪人。・・・。
僕は、詰んでいる。
御金が無いといけない。
御金が必要。
必須。
アルバイト。
何か、アルバイト。
知らない。
誰が何をどう言おうと知らない。
その人達は御金をくれるわけじゃないのだから。
遅刻で首にするような、器の小さな会社だった、辞めて正解だったぜ、あんな会社。
ブラック企業。
悪徳会社。
しかし、まあ。此れでまた振り出しに戻ったわけだ。
協調性っていうのが、欠けている。
彼は協調性が無いようだ。
私だったら、上手くやり繰りして、御金も、仕事も、上手く、賢く取っていく。
彼の様に、非常に考えて、くたびれて、力を込めて、精一杯頑張りはしない。
上手くいけばいいなと、其処迄必死にならず、ノルマをこなしていく、そして徐々に力を付けていく。
彼の様に、考え込まない、只単純に、こなしているだけ、その感覚、一気に出来るようには成らない、上手く溶け込んで、少しずつ信用を築いていく、そして、御金を稼ぎ仕事を取り、資格を取る。
全て、手順をちゃんと取れば上手くいくようになっている。間違い冴えしなければ、上手くいくのだ。道さえ踏み間違わなければ、上手くいく。
必死に藻掻いて何になる。出来ることをやっていって、仕事を見つければいい。
或る程度稼げたら何かに挑戦できる、そうした事に挑戦すればいい。
彼は少し、力み過ぎだ。力を抜いて、少しずつ出来るようになればいいのだ。
彼は将来の事を考え過ぎだ、そのせいで、今の現実が見えていない。将来的成功の為に、今に於いて行かれているのだ。
彼は、我儘で、融通が利かないところがある。
頑固で一図な処が或る。此れでは、企業も採用しにくいだろうと思う。
彼は余りにも自由過ぎるから。
決して悪い人ではないのだが、彼は、考えが、独善的で、自分中心だ。嫌いになる自己中じゃなくて、其処にいて面白い自己中だ。
だけれど、彼は、採用されるのは、難しいだろう、あの尖った性格では、誰も雇ってはくれないと思う。
彼がああいった性格なのは、知らなかったが、最近彼の、鋭さに驚いた。
何処か、闇に鋭いところがあった。実際彼は、正論ばかり述べていた。如何した訳か、先を読んで、話すのだ、彼は、能力が高いと思った。
その、曲がりくねった性格を除けば悪い処は、一つもない。
難関大学にも合格できる学力だ。
あの、性格さえ如何にかなれば・・・。
しかし、彼は一向として、企業の闇を暴いては、その企業の痛い所を炙り出して、いた。
企業は困った様子で、彼を不採用にした。
完全に企業からしたら敵である。
彼は、闇を暴くのがやめられなかった。
黒い噂を聞きつけてはスクープして、企業や、国を悩ませた。
誰も彼を採用しようとしなかった。
彼に会社が乗っ取られるの出は無いかと危惧するからだ。
会社の方が願い下げなのだ。彼のような頭の回る、危険そうな人材は・・・。
彼は、働き口が無く困っていた、何処も彼処も彼の非常識を受け入れられず、不採用にするのだ。
彼は不採用にされるたびに落ち込んだ。
そして、自分は、働くのが向いていないのではないのかと思っても居た。
冷静にしていられないのである。
会社は自分の所有物だと思っています。
御社はこれから私の物になるからです。
私の財産に成り、社員は私の社員になるからです。
私は天才なので、業務は天才的に憶えるで早く即戦力に成ります、天才的な、思考で具体的な、政策、企画、を提示し、此れ迄の業務を見直し、徹底して、改善することで、売り上げを大幅に増やします。と彼はいいました。
企業は彼のもの言いに感動しましたが、彼は危険だとされ不採用にされました。
しかし、彼の言っていた事は参考にされ、今後の経営に生かされ、会社は経営を回復しました。
こんな事があってから、彼は益々社会に嫌悪感を抱き、その不自由を呪いました。
賢い大学生は、就職せずに、ベンチャー企業を設立して儲けた。
ビジネスモデルがあれば、事業は始められる。
会社を立てて、儲けましょう。
経営者は、際どい手法で儲ける、社員の事なんて知った事じゃない、無知な労働者へ、僅かの給料しか出さず、労働者はその条件に甘んじる。
悪の経営に気づかない社員。
賢い大学生は、そういった悪徳な会社も、企業も、その経営のいろはもしっかり学んで、企業するのが最も合理的で賢い生き方だと気が付いた。
他人から仕事を与えられているだけでは駄目なのだ。
自分で仕事は作らないといけない。
死体を括り付ける、死体ダーツの闇仕事。
金持ちが生きた人間に、よく刺さるダーツをして、遊ぶのだ。
遺体。
死体。
借金塗れの腐った人間はこの恐怖のダーツに参加し、死ぬ。
金持ちは、殺す。
射的に近いかも知れない。
生きている人間を使った射的。
弱い者を痛めつけるのが、趣味だと言っていた。
弱い者苛めが趣味だと言っていた。
弱い人間を見ると、どうも苛めて、叩いて苦しめて、やらないと、育たないからダメだと、弱いものには、痛みと恐怖で、支配した。
権力者には、盾を衝き、弱い者には、厳しくした。
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