第12話 魔女機関『モーダル』
魔女機関『モーダル』、人間の
ここ最近(約4000年くらい)では人類の歴史の
今夜は不定期の
『モーダル』の
闇の中に浮かぶ2つの存在、それは『モーダル』の内部を分ける7つの組織の
『アイオニアン』第一階位、ロム
「やあ、ロム卿!ご
「これは『ドリアン』第一階位、バイオス卿。もう何十年ぶりだろうかの?」
「ふふふ、既に時間の
「我々は
「有難きお言葉。心得ましたぞ、ロム卿」
(相変わらず食えないヤツだ。さっさと本題を切り出せば良いのに)
長い口ひげを丁寧にさすり、
「ところで……
風の
「くっくっくっ!
噂の出元の魔女に助けてもらったからの。
極めて順調と云えるわ」
「それは喜ばしいことでございますな!」
(何を云わせたいか分かっておるわ、若造め!)
「
私が頭を下げかけると流石のバイオス卿も
「止めましょう、ロム卿。我々の目的はグリモワールの新作を完成させること。『モーダル』に属する魔女が支援するのは当然でございましょう」
バイオス卿との
『アイオニアン』のロム卿と『ドリアン』のバイオス卿、そして続く『フリジアン』『リディアン』『ミクソリディアン』『エオリアン』の第一階位の魔女たち。
(相変わらず『ロクリアン』の第一階位は不在か。
「定刻となった。これより魔女機関『モーダル』
私は高く掲げた両手を眼前に
――魔女機関『モーダル』最高幹部会終了後
『
『フリジアン』第7階位の魔女、ミルは自分の
「シフォン姉さまがニンゲンと融合?あり得ないわ!」
「まあ、グリモワール創造に必要ならば止むなしではないか?」
「お父様は黙って聞いていたの!?私のシフォン姉さまがニンゲンの小娘に奪われたというのに!」
『フリジアン』第1階位の魔女、メムは
「まあ、融合といっても臨時のことに違いあるまい。それで新作グリモワールが完成に近づけば
「誰も彼もグリモワール、グリモワールとおっしゃりますが、私にとっては愛するシフォン姉さまが全ての中心でございますことよ!」
『モーダル』の意向に対して身も
「分かりました!お父様!!」
愛娘の「分かりました!」は嫌な予感しかしない。次の言葉を
「私、ニンゲン界に行ってシフォン姉さまが融合なんてしないようにお手伝いしてきますわ!!」
「は?い、いやお前が行ってシフォン殿の邪魔をしたら私のメンツが……」
「くだらないメンツだったら捨ててくださいまし。必要だったら冷蔵庫に入った2倍濃縮でも使ってくださいな!」
(そ、それはメンつゆだよね……)
危うくツッコミそうになるのを
いつの頃からかな〜、ミルがお母さんそっくりになってきたのは。あのお母さんの娘だもの、止められるわけないよな〜。
あーあ、ロム卿になんて説明すれば良いのやら……
ズキーーーン
急に襲ってきた胃の痛みにお腹を
――同じ頃、
ガラス張りのデータルームから実験結果を眺める
「レーザー射出試験完了。収束率72%、対象破壊レベルクリア」
「うーん、もう少し収束率を上げられれば威力が増すんだけどな〜。レンズで調整するか……」
対異形迎撃用アンドロイド『Asdf-506xx TypeGH』
小学生くらいの少女を本体として背後、両手、腰下に巨大な兵装デバイスを装着している。展開した兵装デバイスがあまりに大きいため、少女はデバイスにすっぽりと包まれて浮いているような形になっている。
先ほどのレーザーは背後の兵装デバイスから伸びた6本のレーザー射出バレルから一斉発射されたのだった。
ビーーーーーーーーーーー!!!
『Asdf-506xx TypeGH』から警告音がけたたましく鳴り響く。
「メモリ不足発生、メモリ不足発生。
兵装デバイス収納失敗、OS再起動シマス」
コンパクトに変形して身体の各部位に収納されるはずの兵装デバイスがぐちゃぐちゃに
「あちゃ!ソフトにも問題ありか。OS再起動したって兵装デバイスを畳んでは仕舞えないだろうが……
こりゃ
有栖川東彦はタバコを
――そして放課後、舞金小学校の校舎裏
「君の気持ちは
ゴメンナサイ!」
ひゅん、スパーーーン!
(痛ったーーーーーい。ひんひん……)
鋭いビンタが飛んだ後、私の胸に身を寄せてくる。顔を埋める直前に見えた目には
ふに
(あ、柔らかい……)
気丈な態度を示しても本音は
「うーん、30点かな〜」
「あは☆あれじゃ0点でも良いくらい」
「え?え?えーーーーー!?
ひ、
私、ちゃんとラブレターの返事したんだよー」
「えへ☆
だって智優ちゃん、最後に肩を抱いてたでしょ?おまけに頭まで撫でて。あれじゃ、もうワンチャン期待しちゃうって」
「だねー」
(ワンちゃんって何?犬が期待されるの?従順キャラってこと??)
「にゃーー(ボンヤリして何も考えないからだぞ、ボンヤリ子)」
「だから、ボンヤリしてないってばよ!」
校内に
「それで智優ちゃん、あと何人残ってるの?」
「あ、あと30人くらい……」
「モテる王子様はツライね〜」
「本当にね。全員に返事するまでに、またワンチャン狙いで告白されて待ち人数が増えてるんじゃない?」
「あは☆智優ちゃんアルアルだね!」
「そんなこと!ないアルよーー!!」
悲鳴を上げる智優と、それを
今回の事件は無事に解決し、親にちょっと遅い帰宅を
しっかし、安藤先生も『魔女』なの?魔女って一体、どれくらい存在するの??
舞金小学校に魔女が集うのは偶然?それとも何か原因が……
奇妙な
そう、新作グリモワールが完成するまで……
〈To Be Continued〉
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