第一部

第1話 1日が48時間の日

「やっと終わった〜」


 イスに身を任せ一息つきながら時計を確認する。

 3時か………

 絶望する気力もなく眠りにつくはずだった。どうせ三十分後ぐらいに起こされるんだろう。ゲームでもするか……

 三十分寝てもあんま意味ないのでパソコンを起動してAPEXでソロランクでもすることにした。三人チームで行われるバトルロワイヤルゲーム試合の結果はチャンピオン、こんなときにチャンピオンとってもあまり喜べない。パソコンの電源を消したときちょうどノックされた。


「優太様起きていますでしょうか?」

「起きてるぞ……」

「さっさと、行きますよ、眠そうな顔していますけど。」

「あぁ」


 起こしに来たのは専属メイドのゆあメイド兼俺の同級生そして、同じ事務所の人間である。今は制服のようだが。

 ゆあはアメリカに行くのだろうか。取り敢えず聞いてみた。


「ゆあは行くのか?」

「セクハラですか?」

「ちがうわ、疲れてるのを知っているだろ」

「つい、からかいたくなってしまって!!」


 ゆあはからかい癖……癖までは言い過ぎか今回みたいなことが良くあるからやめてほしい。マジで!


「早く制服に着替えてください」

「あと5分待ってくれ」

「無理なので私が着替えさせますね♪」

「よし!着替えるぞ〜!」


 両腕を上げてやる気をアピールした


「3分で出てきてくださいね」

「わかったよ」


 3分以内にちゃんと部屋を出た


「ゆあはアメリカ行くのか?」

「行きますよ、優太様より成績良いので」

「そうだな」


 自分で言うように確かに成績は良い、だからこそ何も言えない。こっちは毎日仕事三昧なのに


「叔父が車を出しているので行きますよ」


 ゆあの言う叔父はこの家で一番偉い執事だ。俺は普通に叔父さんと呼んでいる


「てか、なんでこんな早いんだよ!あと30分は遅く出れたろ」

「優太はマイペースすぎなのよ」

「優太様と呼びなさ……」

「そういえばさ」


 今喋ったのはゆあ完全な学校モードだ。そして、叔父さんがちゃんと様をつけなさいと言っている。すまん叔父さん、遮ったわ


「どっか寄るのか?」

「春の家とコンビニ」


 春の家はわかるがコンビニだとこいつ


「コンビニはお前が行きたいだけだろ!」


 ゆあの頭を一回ぽかりとした


「うぅ〜」


 頭をおさえてうなった

 時間がたち春の家へ着いた。


「おはよう優太!」

「相変わらず元気だな」

「これでも徹夜している!」


 キラリんとして顔を向けてくる


「早く入れ、どうせモンスターだろ」


 俺らが話してる間に荷物を積んでもらい羽田に向けて出発した。

 途中でゆあが寄りたいと言っていたコンビニに寄り、わいわい話していたら羽田に着いた。


「それでは皆様良い旅を」


 そう言って帰っていった。


「ちょっと先生にようがあるから」

「「わかったぁ〜」」


 二人そろって適当な返事だ

 取り敢えず先生に書類を渡して春とゆあのもとに戻った。


「そういえば何人行くの?」

「知らない」


 春が何人留学するのかと聞いてきたが最低限の書類しか渡されてなかったから知らない。


「二人ともちゃんとプリントみなよ」

「そもそも、俺は提出するや書類しか渡されてない。」

「それで何人なの?」

「じゅう人よ、3クラスあるらしいから3・3・4ね」


 来る人少ないと思ったがアメリカに行く先生が女の先生一人だからしょうがないか


 荷物検査をして自分達が乗る便に向かった


「座先はここか」


 真ん中の列で3席で春から右に詰めて座るから春が先頭で俺が真ん中ゆあが後ろということは俺が真ん中か………


「俺真ん中やな……んー?!」


 春は優しいから変わってくれると思って言おうとしたがゆあに口元を抑ええられた


「どうかした?」


 春が気づいてくれた!


「なんでもないわ」


 ゆあが凛とした顔立ちで言い放ちやがった!

 その後、大人しく座りました。


 そもそもなぜ真ん中が嫌なのかはこの面子だからである。右に春、左にゆあ地獄である、ゆあ何かあればからかってくる、そして春はゲームしない?と誘ってくるからだ。


 俺は寝たい。


「頼むからねさせてくれ」

「むりよ」「ごめん無理」


 あ、終わった…… 


「ゆあ、なんかある?」


 天井を見ながら尋ねた


「荷物持ちはあんたでしょ〜あんたのリュックに入ってるわよ」

「なんでだよ!」


 てか俺って君の主だよね?

 疑問に思いながらリュックを漁ってみる。


 ツナマヨおにぎり・ツナマヨおにぎり・ひじきサラダ・ポテトサラダ・MONSTER・MONSTER・焼きそばパン・チキン・チキン・チキン・チキン・ポテチ・ポテチ


 まじであいつのためにある食べ物ばっかだ。


「なぁ、ゆあMONSTER飲んでいいか?」

「誰ののために買ったって言うのよ…………(いいわよ)」


 と優しいところがあるみたいだ。


「あんた今失礼なこと考えてない?」

「別に?」


 コノヒトコワイ、ちょうのうりょくもってる


「二人とも、テトリスしよ」


 ゆあと顔を見合わせる

(とりま、うるさいからヤるか?)

(ヤるにきまってるわよ)


「いいぞ、やるか」

「私もやってあげる」

「「徹底的に潰してやる(あげる)」」


 テトリスの試合が始まった。


 3分後


「本気出し過ぎじゃない?!」

「そんなこと」「ないわよ」


 なんかゲームゲームうるさいからボコボコにした。

 いつもなら喜んでやるがそれはだったらの話


「そろそろ着くらしいよ」

「意外と早かったわね」

「そうだな、おかげで丸一日は寝てないけどな」


 日本とアメリカの時差が12時間から13時間、大体8時間ぐらいのフライトで7時ぐらいにフライトし始めたから夜中の3時ぐらいだ。


「それでは今からホテルに行来ますよ〜」

『は〜い』


 テンションの高い人や俺みたいに疲れている人もいるみたいだ。

 取り敢えずホテルに向かった。


「大ジャーンプ」


 春のことをベットがしっかりと支える


「なんでこの三人なんですか先生」

「ごめんなさいね、ホテルの部屋のとり方間違えちゃってぇ〜、どうせ優太くんならゆあちゃんの裸体くらい見たことあるでしょ〜、春樹くんはどうせ寝てるし〜」


 てか、なんで知ってるんだよ!あと、俺が見たくて命令して見てるわけじゃないんだからな!


「先生わかったからそれより早く寝たいですけど」

「そうだよね〜じゃあね〜!」


 ベットの方に戻ると耳まで真っ赤にしたままゆあが立っていた。

 先生は推測で言ているのだろうけど、俺の驚いた顔を見たりするのが好きなゆあはよく俺に裸体を自分から見せていたから結構刺さっている


「さ、さっさと寝るわよ」

「ん、いいよ」


 春は先に寝ていた


「おやすみ」

「おやすみ」


 仰向けになって静かに目を閉じた。

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