俺の担当VTuber(推し)がホームステイ先のホストファミリーだった件
藍方
プロローグ
「優、さっき先生が放課後職員室に来いって言ってたけど大丈夫?」
優こと鈴木優太はさっきまで寝ていた。微かに聞こえた親友の声を聴き取り返事をする。
「らいじょぶじゃねぇ〜?うふぁ〜。てか、いいよなぁ春は交換留学でさ」
俺と春こと春紫春樹と似ている。俺と春樹は"Vこれ"という事務所で働いている。俺は絵を描いていて春は作曲や音楽編集をしているが何故か春は人気で、俺はあまり有名ではないのが何故なのか日々疑問に思っている。
「そろそろ行って来るわ」
「了解、待ってるわ」
「ありがとな」
さて、俺は何故呼ばれたのか全く検討がつかないどんなに記憶を遡るが呼ばれるようなことをした記憶はない
そんなことを考えているとついに扉の前まで来てしまった。
「失礼します」
「来たな!」
「俺なん……」
言葉を遮られ先生は白い紙を手に持ちながら喋り始めた。
「や〜すまんな〜鈴木に渡すの忘れてしまってよ〜」
渡された紙に[留学手続き書]と書かれていた
「………………?」
「それ、書いてきて絶対明日出してくれ、それとこれ」
渡された紙には地図のようなものが印刷されているが都会だからなのか道が大量に印刷されておりわからなかった…………
「先生この地図わから、」
「それじゃ、先生やることあるから」
あ……………
まぁ〜いいや帰るか
春とはいつも一緒に帰っているので帰りに留学がいつからか聞いてみることにした。
「春〜留学っていつから〜?」
「明日だよ。」
「まじか」
これはやばい急がない明日に遅れる、確か朝の5時に羽田空港だったはず。
「てか何でそんなこと聞いたの?」
春、察し悪いから内緒にしとくか明日の準備もあるし。
「いや、なんでもない。俺やることあるから急ぐね。」
「おぉ!」
家まで全力で走る明日までの仕事があるのに全然終わっていない。
やばい………背景はできてるけどキャラの色塗りができていない、明日の準備もあるのに!!
考えるよりも足を動かすのを優先して家まで走り続けた。
「やっと、はぁはぁ……家に……つい、た」
自分の家は人に自慢することではないがだいぶ裕福なので使用人がいる。
「お帰りなさいませ、学校からお電話を承り明日のご用意は済ませております。」
「ありがとう」
なんて優秀なんだ
あまりにも嬉しすぎて涙がでそうだった。
「それと、奥様がお呼びでございます。」
「わかったよ」
自分の部屋に荷物を置きお母さんの部屋へ向かった
「優太」
「は、はい!」
ものすごく圧を感じる。
お母さんからこんな圧を感じるのは、初めてかもしれない。
お母さんが口を開け始め思わず息を呑んだ
「ずるいわ」
「今、なんと?」
「ずるいといったのよ」
思いもよらぬ言葉が飛んできた。
「アメリカずるい〜」
足をジタバタさせ騒ぎ始めた。
いい歳した大人が何を騒いでるのだか。
「ゴホン、あなたが居なくなったらおの二人をどうすればよいのですか!」
あの二人とはこの家一番の問題児である。
それの二人は双子の妹だ……
「頑張ってください、それでは」
「あなたの推しのグッズ捨てるわね」
なに、
「それはマジ勘弁」
「じゃあ、手伝いなさい」
「Yes,ma'am」
妹たちの説得を行い約1時間ほど立っだろう。それから夜ご飯などを食べ終わり書類などを終わらせ一息ついていたとき、ポケットに入れていたスマホが振動し始め電話が来ていることに気づく。見知った電話番号だった。それもそう事務所からの電話なのだから。
「はい………」
力の抜けた声で答える
「アトラ先生絵は完成しましたぁ〜?」
「い、いえ」
「どのくらい終わっていますか?」
終わってないとすごく真面目なトーンで聞いてくる。平常運転のトーンとは違い一度だけ顔を合わせて言われたことがあるが怖すぎる。Mの人は嬉しいかもしれないが俺はそんな性癖を持ち合わせてないので洒落にならない。
「色塗りが………」
「色塗りがなんですか?」
「お、終わってないんです……」
「そうですか。配信には間に合うようにしてくださいね」
「わかりました、はい、すみません、失礼します。」
危ない、いやアウトだ。それより終わらさなければならない。
時間を確認するためスマホの電源をつける。そこに記されていたのは00:00
今から風呂に入り……考えるだけでゾッとしてしまう。
(春、明日は頼んだ。)
一本の連絡を入れ色塗りを始めた。
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