第12話 主人公のステータスさんである!
さて肝心な反応は?
上から目線じゃなきゃ即刻拒否はないだろう。
「はい、え……ガイナス!?」
「はいはい!そうだ、俺だ」
テンション高めでやってるけどそんなにびっくりしなくていいじゃないか。
もともと顔見知りくらいはあるだろう?
まぁ原因はガイナスと私の行動なのだが。
「ご主人様の知り合いです?」
「……うん、そうだね」
サブヒロインは晴天の空の様な髪をショートカットしてる猫耳な女の子の奴隷だった。
「初めましてお嬢さん、ガイナスというものだ。お見知り置きを」
「あ、ご丁寧にどうもです。シエルといいます」
「で、アンタは何しに来たのよ?」
「だから依頼に協力しにきたんだよ。さっき言ったじゃないかー」
相変わらず敵意が強いなメインヒロインさんは。
前のプレゼントのことは……主人公含めて聞かないほうがいいかもしれない。
「誰もアンタに頼んだ覚えはないわ」
「そりゃ俺から声をかけたんだから君達からは頼んじゃないさ。ハインもそう思うだろ?」
「まぁ、うん、そうだ……ああ、ごめんよティア!?」
肩揺らしてるねー、ハインがメッチャ揺れてる。
さてここからがアピールタイムだ。
メインヒロインさんはティアさんなんだね。
サブヒロインはシエルさんとな。
「ハイン、君の憂いは間違ってない。ランクは大きな指標だからな。そこで俺もついていけば君達が実力も知らない輩に甘く見られることはないはずだ!」
「確かにそうだけど……」
まだ足りないかな?
なら安心感の追加をするまで。
「君らの邪魔をしにきたわけでもない。仕事の一環とでも思ってくれたらいいさ」
「……ご主人様にひどいことしないとゆーこと??」
「そういうこと」
サブヒロインちゃんの方がわかってるじゃないかい。
だがまだ信用されてなさそうだな……ここは、
「……わかったわ、よろしく頼むわね。でも報酬中抜きとかしないでよね!」
なんだ?やけに早く引くなぁ、しかしこれで一安心だ。
「ところでどうしてガイナスさんは依頼を受けようとしたのですか?」
「ん?……ああ、そうだな。この依頼に興味があってね……それとハインにも」
「僕に?」
受ける依頼がだいたいヤバい魔物かイレギュラー発生とは、隙がない。
薬草採取依頼は一度限りのお約束。
何度もやっては読者飽きるし仕方ない。
「ちょっと『ステータス』さんをみせてみぃ。悪用とかは当然しないから。(というかどうせ鑑定スキルとかで俺の見てるんだろー、水臭いんじゃないかい?)」
「う、うん」
プレートを渡すようジェスチャーすると素直に()渡してくれた。
さぁステータスはいかほどで?
【名前】
ハイン・フォレスタル 18歳
レベル:31
Cランク冒険者(Bランク昇格予定)
所属:なし
職業:支援魔法使い
体力 :232/232
攻撃力:85
防御力:48
素早さ:161
魔力 :608/608(+304)
精神力:672/672(+326)
運 :77
スキル一覧
『鑑定』
『初級剣術』
『中級魔法』
『生活魔法』
『全体強化レベルX』
『筋力増強レベル2』
『防御力増強レベル2』
『魔力増幅機構』
『魔法結界』
『詠唱省略レベル2』
『多重詠唱レベル3』
『中級回復魔法』
『回復魔法効率上昇レベル4』
『上級状態異常解除魔法』
『魔法付与レベルX』
『魔法再使用時間短縮レベル3』
『魔眼(魔力探知)』
称号
『ドラゴンスレイヤー』
『付与魔法使い』
『支援の奔流』
『魔力眼』
やべー☆
流石に引くわ。
追放したこと、ざまぁ力において。
魔法系は同ジャンルだと専門以外は省略気味にされて表示されなくなる設定で……
レベルはロックドラゴン討伐で上がったんだっけ?
スキルに関して、要は魔法を短い時間で沢山使って一瞬で支援魔法重ねがけしてるってことだろ。
ついでに魔力量と精神力おかしくないか?
「……強くなったな」
「あ、ありがとう。」
「返すよ。よし、じゃあこの貴族様に会いに行こうじゃないか!あ、この依頼依頼を受けるんでお願いします」
「うわっ!?」
「ちょっとガイナス!?待ちなさい!」
ハインを引っ張って行けばついてくる理論あると思います。
さて、護衛する人物は幼女+メイド(一人)。
ラノベじゃ何も思わなかったけど今ならわかる。
お忍びでもラノベ中世なめてるか罠だよ作者さんそこまで考えてないだけとか言ってはいけない。
でも正直二人を見てみたい。
マジもんのメイドさんとか興味が湧いてくる。
「さぁ善は急げいくぞ若人!俺が善かはとりあえず関係ねぇぜ!」
「わかったからちょっと離してくれ!?」
__________
「……ガイナス、ここって」
「ああ、ようじ……コホン、依頼主様の屋敷だ」
「おっきいです!シエルが前にいた奴隷商の建物より大きいです!」
……ブラックジョークなのか?
「どれくらい大きんだそれは?」
「奴隷が100人いてもまだまだ入るくらい大きかったです」
「そうか、おっと門番が見えたから気張ってくれ。ではお話してくるよ」
門番の人に挨拶をして中へいれてもらう。
ここで門番達はラノベだと主人公のランクを確認すると見下してた。
もちろん幼女令嬢が一蹴して案内してくれる。
でもAランクの信頼ってすげー。
「本日はご足労いただきありがとうございます。ここの屋敷でメイドをしていますライと申します。これからご案内しますのでついてきてください」
屋敷内に入れてもらうと門番から例のメイドに案内する人物が変わった。
しかし緊張と感動で心臓がとまらねぇ!
「失礼します、お嬢様」
「ご苦労さま、どうだった?」
「問題ありません。冒険者の方々をお連れしました」
「そう、ありがとう。……ご機嫌よう冒険者方、私がギルドに依頼を出したパラギア・ムエル・フリーデン子爵の娘、アリサ・ムエル・フリーデンです」
この子もなかなかの美人さん。
髪は金色ロール、瞳の色は青、肌色は白くてまるで人形のような容姿。
そして幼女。
「ご丁寧にありがとうございます。ご依頼に馳せ参じましたAランク冒険者、ガイナス・ハインドです。お声をかけていただくときはガイナスとお呼びください。続いて私から近い順にハイン、シエル、ティアといいます。彼らはC,Dランクですが破格の能力を有していることをお約束します」
こういうことは主人公に喋らせたらアカン、だって言葉遣いがね。
そこの二人、お前誰だよ?と言いたそうだな。
後で一回追放したろか?
「そうですか、わかりました。では早速ですがお願いしたいことがあります。先程いったように私たちは今、少し事情があって表立って動けません。そこで貴殿方にその護衛を頼もうと思っています。どうかよろしくお願いします」
幼女なのにしっかりしているなぁ……
「承りました。具体的なお時間はいつ頃がよろしいでしょうか?」
「明日の昼頃に冒険者ギルドにそこのライを出します。それまでは自由行動として過ごしていて結構です」
「かしこまりました。それではまた明日にすみませんがお願いします」
「えぇ、今日はわざわざ来てくれてありがとう。ライとの打ち合わせが終わったらゆっくり休んでちょうだい」
「そういたします」
「……では冒険者御一行様、こちらへ」
メイドさんに別の部屋に移動することを促された。
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