第9.5話 夜の光へ

「……そっか、わかったわ」


2人がそれぞれの所持品を確認する。


「私は低級回復ポーション類を2本と中級マジックポーション7本使って、残りが中級回復ポーション2本ね」


「私は回復ポーションを初級で4本、中級で2本、マジックポーションを中級で5本それと……スピリットポーションを中級で6本ですね。残りは回復ポーションの初級1本と中級が2本ですね」


「ワタシは使ってない!」


リリィはひとまず置いといてメルシー、シルヴィアではそれぞれ消費するもの、量が違う。


ラノベで支援魔法使いが不遇職っぽい扱いだったがこう結果が出ればわからなくもない。

魔法職のメルシーと違い精神力回復用アイテムを結構使ってるのにバフ系の魔法は正直地味。


アイテムのお金を考えると支援魔法は冒険者パーティー内の贅沢要因、だから同じ支援魔法使いなら主人公を追放して代わりにかわいい女の子を!


とガイナスは思っていたのだろうな。


「最後にだが俺は前衛でアイテムは使えなかったから消費してない」


これだな、前衛はアイテム使用できる余裕ないから後衛から支援火力、回復、バフで補ってもらう。

結果アホが前衛してると俺はアイテム使わずに真正面から戦ってるのに後衛のお前達は沢山使って!(発狂)となる。


なんだかラノベのガバい世界が現実味を帯びて来ているかも?


「とりあえず使ったポーション類の金を差し引いて金貨12枚、これを4人で分けるか」


金貨1人3枚か。

改めて割りに合わない。


「……ガイナスはそれでいいの?」


メルシーが心配そうに見る。


「ん?どうしてそう思う?」

「だってアタシ結構アイテム使ったのよ」

「そうですよ、私もですし……」


「あー大丈夫。ロックドラゴンに負けてから自分を見つめ直してな……」


ガイナス本人に別人インストールされてるのが今の私だ。

誤魔化すことで罪悪感が湧き上がる。


「前衛がアイテムを使わない代わりに後衛が使ってるようなもんだしな」


「あー……そういうのね」

「わかりました」


2人も納得してくれたようだ。


「よし、それじゃ今日ははゆっくり休んでくれ。俺がアイテムを補充しておくから」


今日は解散し、みんなが休めるようにした。

あー、体がだるいなぁ。

にしてもなんでハイン来なかったんだろ?トイレか?

どのみち終わったことだし私も宿屋に戻るかぁ。__________


とりあえずガイナスざまぁ展開を一つクリアできた。

もっともズタボロの戦闘不能の結末からジリ貧勝ちに持ってきただけだが。


しかしざまぁは止まらない、なぜなら彼は徹底的にこき下ろされるのが宿命だから。

狼ざまぁの次はたしか……武道大会編だったか?


試合前に見下してた主人公の義妹(主人公への好感度Max)に軽くあしらわれ試合ではモブをどつき回してプライドを回復しながら勝利。

次の試合でさっきの義妹ちゃんからフルボッコ。


それはそれである意味ご褒美の一種でもあるけど。

まぁ出場しなければざまぁも何もないんだがな!!(ドヤッ)


はっはっはっは!勝った!!

第4のざまぁ終了、私の勝ちだ。

義妹ちゃんも美少女!主人公爆ぜろ!


「……やっぱ辛ぇよ」


今日は予定変更して少し飲むか。


歓楽街はフェアリー商会のある辺りだしそう遠くない。

予算は金貨一枚の半分くらいにしておこう。

大銀貨5枚だったっけ?


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