F級冒険者とA級冒険者④

「あ、先輩。やっと見えてきたッスね!」


 ゴブリン、スライム、バルコーン………。ヘルハウンド戦の後、行く先にモンスターと遭遇エンカウントしたが全て切り伏せ目的地へやっと到着した。


 そして、目の前の入口から建物の中へと入ると、石材で作り込まれた柱や壁などが視界に映り込んできた。


「ダンジョンの中にも、こんなものがあったんだな───っと、次はどこで曲がればいいんだ?」

「え〜とッスね………そこの角を右に行けばあるッスよ」


 地図を見ている彩花あやかに従って道を進もうとした時───何やら、大量の不気味な音・・・・・・・・が前方かしてきた。


「……………………なぁ、彩花あやか。ここって、『神殿』の形をした『墓場』じゃないのか?」

「先輩。知らぬが仏って知ってるッスか?」


 現実逃避である冗談ジョークを言おうが関係無いおかまいなし

 どんどん近くなってきた大量の足音はら皮膚が垂れている正真正銘のゾンビであった。


「50、60、70。───いや、80はいるッスね」

「…………アイテムの『再配置』は後何分だ?」

丁度ちょうど、10分後ッスね」

「そうか。だったら、早く終わらせないとな!」


魔物の大進行モンスター・パレード』程では無いが、この場所限定で起きる『ゾンビの大行進グール・パレード』に俺と彩花あやかは向かって行った。








『アアァァァ』

「ちっ」

(基本能力スペックは低いが、ユニークスキルが意外と厄介だな)


 ──────────────────

【腐敗】

 発動条件:歯が生物の一部に触れた時

 効果:噛まれた生物は、1分に3割の腐敗が進む

 ──────────────────


 もし、グールに触れられたとしても『聖水』を用いて治す。もしくは【自己再生】で腐敗された場所を切り取るという方法があるが、それは万が一の場合ケースだ。


 ───決して出し惜しみではなく、無茶な戦闘をする理由が一切無いからだ。



「はァァァ!」

『アアァァァ』


 保持スキルである【斬撃】を飛ばし、グールをもう1体倒し。準備期間クールタイムが30秒あるものの、風魔法で補い確実に1体1体と俺は倒していた。


 ───と、そんな戦闘中にも関わらず、そんなもん知ったこっちゃない! と言わんばかりに彩花あやかは大声を出てきた。


『どうしたんッスか先輩! グールを倒す数が遅くなってるッスよ!』

「うっさい! 丁度ちょうど、今から本気を出す所だ!」


 40近くはある魔石の周辺で、銃口をグールに向けている彩花あやか

 そして、それを見た俺は対抗心が俄然がぜんと芽生え、【斬撃】を使いグール2体を倒し。更に追加とばかりにグールをもう1体倒した。




 彩花あやかとの実力差は明らかに違う。───だが、そんな事は自分の『先輩としてのプライド』が許さなかった。

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