現状把握
冒険者ギルドのロビー。
建物の中は、本部で無いもののとても清潔感に溢れていた。
「これで『シリウス』さんも、冒険者になったッスね?」
「いや、まぁそうなんだが………」
1人は『認識阻害のローブ 《S級》』を着て、もう1人は腰に拳銃をしっかりと掛けながら話をしていた。
「お前の言った通り、殆ど何も聞かれなかったな。強いていうならば冒険者用のニックネームを決めるだけだったが………」
「だから言ったじゃないッスか。心配しなくても大丈夫ッスよ? て」
「そもそも、冒険者は利益関係でなっているんッスよ。住所? そんなものは一切要らないッス。───用は、モンスターさえ倒せばいいんッスよ」
そう言いながら、A級冒険者である
☆☆☆
遡る事、3日前。
「そんな、事が………あったん、ッスね」
「………………まぁ、気にすんな。今は『日常』を過ごせばいいだけの話だ」
「で、でも! ───!?!? せ、先輩!?」
ぐいっと、心配する
「〝狂愛の後輩 〟」
「せ、先輩〜〜〜!?」
冷静にさせる為に言った言葉は、
「コホン。では、気を直………せは出来ませんッスけど、『10年後の現在』について話をするッス」
内心では未だに気に掛けているが、それは後でいい。『知りたい』のはどちらも同じなのだから。
「へ〜、10年かぁ…………は? 10年!?」
「魔力、モンスター、ダンジョン。世界はありとあらゆる非現実的なものが、突然出現したッス。そして、後々それらを支えるのが───」
「『ステータス』だろ?」
「そうッス。けど、もう1つ支えているものがあるんッスよ。───【
手に虹色の光が収束し。しかし、そう認識したと思った瞬間───手から炎の槍が出現した。
「これってまさか………」
「先輩が思っている通り、もう1つって言うのが『魔法』ッス」
炎の槍があちこちに移動したかと思うと、次には頃合と思い消された。
「え、俺………魔法は出せないし、そもそも魔力の操り方なんて分からないぞ?」
「そこんとこは大丈夫ッスよ」
次の瞬間、ズドォォォン! という音と共に、どこからともなく出現したのは大量の本であった。
「『魔法の本』。一応として『スキルの本』もあるッスから………覚えろ」
「は? その量、普通に無理に決まって───」
「覚えろ」
先程の黒歴史をまだ気に掛けていたのだろう。
そして、ここからの俺は『色んな意味』での地獄が始まった。
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