閑話・東雲彩花の過去と現在
小学、中学、高校……。先輩はどんな時でも、私にあらゆる楽しさを教えてくれたッス。
ある日は勉強という楽しさ。ある日は会話という楽しさ。───それらは全て、『日常』の楽しさに繋がっているッス。
だから私は感謝した。だから私はそんな先輩に憧れた。
……………………しかし、先輩との別れは突然だった。
☆☆☆
学校の廊下。人目があろうが、私は大声を出して言い続けた。
「どうしてッスか! 貴方達ならば、何か知っているッスよね!」
「「「…………」」」
「ッ、しらばっくれるな!! 『あの場所』に貴方達が居た証拠はバッチリあるんッスよ!」
先輩は『ダンジョン発生』に巻き込まれた。───普通のダンジョンならば、行方意不明扱い方になるだろう。
だが、先輩が巻き込まれたのは『チュートリアルダンジョン』だ。
他のどのダンジョンよりも圧倒的に生存率が高い。だからこそ、私は先輩を直ぐにでも助けたい!
「早く言えッス! 先輩が『チュートリアルダンジョン』のどこに居るのかを!!」
「…………何を言っているのか分からないな」
私の言葉に反応したのは、
「お前の動画にある通り、私達は確かに『ダンジョン発生』に巻き込まれた。………が、
「ふざけ───」
「
「ねぇねぇ、
「ッッ、友人を死人呼ばりして!?」
「でもさ〜、実際にそうでしょ〜?」
話に割り込んできた、
私は反論も言えず、ただその場で俯く事しか出来なかった。
「…………用が無くなったのならば、私達はもう行くぞ」
目の前の3人は、
☆☆☆
「ふふっ、先輩の服を買っておいて正解だったッスね」
上下の男性服を手に持ち、
「───しかし、先輩はどれ程辛かったんッスかね………」
幾ら精神が強かろうが、所詮はただの人間。
しかし、それは
───だが、そんな過去はもうどうだっていい。何故ならば、お互いに会えたからだ。
(さて、そろそろ行くッスかね)
洗面所の前へと
「先輩! ちゃんと、先輩に合った服を置いとくので、それを着てくださいッス!」
今更だが、訂正ッス。私は先輩に憧れているッスけど、大好きでもあるんッスよ?
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