久しぶりの嬉し涙
「……っ、…ん、ん〜───!? ッ、モンスターは!?」
どのくらいの時間かは分からないが、意識を失っていたのだろう。ほぼ反射的に、急いで起き上がった先は───森であった。
(どういう事だ? 俺は確かに「地獄」に居たはずだが……)
何が起こっているのか、正直な話全く分からなかった。……が、まずは行動あるのみ。そう思った俺は周りを見渡してみると………気になる物が視界に入った。
(何でこんな所に、こんな物が?)
地面にポツンと置かれてあったのは、ページ数が少ない本と黒色をしたローブであった。
取り敢えず、最も近くにあった本が気になったので、本の内容が何なのかを読もうとした中身を開いてみると───そこには衝撃的な内容が書き込まれていた。
この世界には『魔力』、『ダンジョン』、モンスターなどの非現実的なものが出現した。
そして、これら全ての基本となるのが………
「『ステータスオープン』」
──────────────────
職業「剣士」
レベル「1」
魔力「E」
筋力「F」
体力「E」
俊敏「E」
耐性「E」
〜〜〜保持スキル〜〜〜
ユニークスキル:【自己再生 Lv1】【???】
アクティブスキル:【身体強化 Lv1】【剣術 Lv1】【気配察知 Lv1】【斬撃 Lv1】【縮地 Lv1】【物理耐性 Lv1】【火炎耐性 Lv1】
ダンジョン攻略の証:『チュートリアルダンジョンの裏・無限牢獄』
──────────────────
(………何だろうな、この気持ちは)
『ステータス』に書かれてあるのは絶対。ならば、ダンジョンを攻略する=外に出れるという事。つまりは………森に居る=ダンジョンを攻略した事になる。
(やっとあの「地獄」から解放された。やっと夢であった『日常』が迎えられる)
久しく忘れていた喜びは、俺の心に深く刻み込まれた。
そして俺は、静かに嬉し涙を流すのだった。
取り敢えず(Part2)、この森に滞在していると危険に思った俺は───
「ハァハァ………長すぎ、だろ…」
黒色のローブ(上半身裸だったから)と手には本を持ち、俺は前へと森の中を突き進んでいた。
つい先程の俺だったなら直ぐに森を突き抜ける程度は出来る……が、それは出来ない。
何故ならば、『初期化』されたからだ。
───RPGを例に出すならば、ダンジョン攻略時に掛かってしまう
幸い、スキル等は
(しかし、無限牢獄についての情報は全く無かったな……)
あの本に見落としがあったのか、ステータスについての扱い方が分からなかった為か、『チュートリアルダンジョンの裏・無限牢獄』の情報が1mmも無かった。
(まぁ、ユニークスキル【???】も同じ何だがな)
ユニークスキル【???】。……詳細は『無限牢獄』と同じで、1mmたりとも情報が無かった。しかし、何かただならぬ予感がある気がする。
「ハァハァ───やっと見えたか」
約1時間は掛けて進んだ先は、灯りで照らされてある綺麗な街並みであった。
───と、そこでふと思い当たった事がある。
(ここは、俺が住んでいた相沢市じゃないのか? 結構変わってしまったが………街の名残がまだ残っているな)
例えば、あの無駄に高いビル。確か炎上して破産した会社であったが、とごかの会社が買い取ったのだろうか? ………などの、見覚えがある建物が少なからず見えていた。
そして、木から生えてある葉っぱを
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