自己啓発について思うこと

村上 耽美

持論

 なんだかここ何年かで「自己啓発」という言葉をよく見かけるような気がする。私も一時期自己啓発本を買って読んでみたりもしていた。しかし当時の友達にそれを話したところ「あ〜そういうの読むんだね」「自己啓発って読書じゃないじゃん」などと否定的なことを言われたりもあった。


当時確か私は浪人生か大学一年生。自己啓発をしたくて買っていたわけでもなく、面白そうな題名だ、興味のある内容だ、知っている名前の人が書いているから。それくらいのノリで読んでいたものだから、ここまでひどく言われるものなのかと凹んだのを覚えている。


自己啓発本に関する問題は、読書界隈だとかでもそこそこ議論になっていたような気がして、今回は自分の経験や感覚、考えたことをまとめてみようと思った。



まず、自己啓発とは?というところである。ウィキペディア先生に聞いてみよう。


「自己啓発(じこけいはつ)とは、自己を人間としてより高い段階へ上昇させようとする行為である。「より高い能力」、「より大きい成功」、「より充実した生き方」、「より優れた人格」などの獲得を目指す。」


 ほうほう。素直にいいと思う。人間として高みを持って上を目指していくことかな。


 まぁここで胡散臭さのようなものを感じる方もいらっしゃると思うが、人間は日々成長していかなければならないというのは何となくわかってもらえると思う。逆に成長しなければ一生ベビのままである。

 

 これの何がいけないのか。自己啓発の何がよく思われていないのか。

私の中での結論はもう大体出ている。それは「受動的」に自己啓発をしている、なおかつそれを周りに押し付けてしまっているからではということである。


 なんなら自己啓発そのものはありよりのありだと思う。こんなことを言うとまた敵を作り味方が減るかもしれないが(と言うよりこれも押し付けになっているならもうどうしようもない)、やはりそういう人たちが自滅していたりだとかあると、周りからの印象はだんだん悪くなっていくだろう。


 他にも「成功した人、良い結果、その現実」だけに何か夢を抱えてしまっているのではないかなぁとかも感じてしまう。


 多くの人はわかっていると思うし、自己啓発をしている人、自己啓発本を読んでいる人もわかっていると思うが、結局その人と同じ成功ができるか、同じくらいの結果が出せるかと言われたら、NOだ。


 自己啓発をしていて、人一倍以上の努力と苦労をして、その中のさらに一部が成果を上げるのではないだろうか。

 自己啓発をしている人を「頑張っていない」と貶しているわけではない。ただ大きな成功を残している人はほんのひと握りだということである。


 努力は必ず報われる、とはよくいったものだ。嘘とは思わない。ただ、n番煎じだとは思うが「報われるためには努力を続けなければならない」というふうに捉えた方がより泥臭くていいと思う(いい表現が見当たらなかった)。

 

 自己啓発本を読み漁ったわけでもないし、自己啓発本を読んでいる知り合いもほとんどいないものだから根拠はあまりないのだが、私の読んだことのある自己啓発はとてもよかった、良書だと思う。自己啓発本を真っ向から毛嫌いしている人はどう思うんだろう。


 受動的な自己啓発というのは、自己啓発を読むだけで満足してしまうことを指したい。読むだけとは、ポイントや結果だけをつまんで理解したと思っていることも含む。私も人のことを言えるほどの人間ではないが、そういうところに気づいてなおすことも自己啓発になるんじゃないか?何ならそこに気づかない限り自己啓発本を読む意味も、得られることもないのでは?


 自己啓発をすることで、他の大事なところを見失ってはいけないと思う。自己啓発を無理に押し付け、あれをするといい、これもいいよと無闇矢鱈にぶつけることで失うものもあると思う。


 あと、自己啓発本を叩く側にもたまにムッとすることがある。誰がどんな本を読んでもいいと思う。友達が自己啓発で道を逸れていくとか、なんかちょっと変わったとか、それは確かに寂しいことであるが、その主語を大きくして「自己啓発本を読んでる人は〜」と言うのはどうなのだろう。自己啓発そのものは悪いことではないから。ウィキペディア先生しかちゃんと見てないけど、自己啓発をすることで救われること、マイナスからゼロ、それ以上に悩みを抱えている人たちの進むためのきっかけやサポートにもなってるのでは。


 最初に保険をかけておくと、あまり無責任に色々と想像を広げるのはよくないとわかっている。私自身も気をつけて書いたが、私は学者でもないし専門家でもないのでデータだとかきちんと確立された根拠などはわからないし、ほぼない。どうしても想像や感覚に頼って書いてしまう。そこだけはわかっていただいて、なんか違うなと思ったら「あー村上とかいうやつはこう思ってんのネ」と流してほしい。議論ができるほどのデータもないので。

 

 

 ただ、怪しいものにのめり込んで財産を失うようなことは特に気をつけてほしいと思います。


 プラス、自己啓発をしていく上で離れていく人があったら、その人とのことをよく考えてみてください。「僕と意見が噛み合わないから」などと一括りにして考えない方がいいのかも。大体こちら側がやらかしています。縁を切って正解(?)ということもあるかもしれないけど。でもそういったことから学ぶこともあるよね、よくよく考えたら自分もよくなかったよね、くらいの感じで考えられるといいのかな〜なんて思ってます。


 結局言いたいことをまとめるなら、自己啓発は大事だけど、自分自身を高めていくことであって「成功者」と自己を結びつけすぎちゃダメだと思うということ。思ったけど自己啓発は成功者からしか学べないと言うわけでもないから、周りもしっかり見ている方がより良い自己啓発ができるんじゃないか。


 成人して一年と少ししか経っていない限界大学生の徒なる文章をここまで読んでくれた方がいらっしゃいましたら、どうもありがとうございます。こんな偉そうな文章を書いて申し訳ないです。私ももっと人として成長できるように日々精進します。



 では。

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