決着の舞台は・・・
丘を越えると館が見えてくる。
館は遠目から見ても無傷であった。
爆発は館で起きたわけではない。
では、どこで爆発が起きたのか?
その正解は、館の手前にあった。
三戸森の養豚場が派手に吹っ飛び、火の手が上がっている。
「な、七加瀬。よ、養豚場が」
走りながら、七加瀬に話しかける。
「ああ、爆発したのは養豚場らしいな。豚達には悪いが、人が居ない場所で良かった」
同じく横を走る七加瀬は、軽く安堵の表情を見せる。
そして養豚場が近づいてくると、既にそこには迫間と神舵が居た。
「蕗。一体何が起きたんだ?」
「私も分からないんだ。爆発音を聞いて来た時には、既にこの有様だったんだよね」
「い、一体誰がこんな事を・・・」
「そんなの犯人に決まっています」
そんな会話をしていると、息を切らしながらこちらに仮名山が駆け寄ってくる。
「ハァハァハァ。な、何でこんな事に。館じゃ無くて良かったが、それでもとんでもない財産の損失だぞ!」
仮名山は怒りで肩を震わせながら、地団駄を踏む。
「私達も爆発音でここに来たからね。何が起きたかなんてわからないよ。ただ、今一つ気になる事が出来た」
「何だね、その気になる事とは」
迫間は、爆発でガレキ同然となった未だに燃える養豚場に近づく。
「迫間様、危険です」
そんな神舵の静止も無視して近寄る迫間は、養豚場の直ぐ手前で立ち止まり、一枚の石の板の様な物を拾い上げる。
その石を見つめて、迫間は私達に聞こえる様に話す。
「・・・どうやら決着がつく様だね」
「何か書いてあるのか?」
「ああ、書いてあるとも。そもそもあの二人より、仮名山氏が先に此処に来ること自体おかしかったんだ」
そしてコチラに近づいてくる迫間は、その石のプレートをコチラに見える様に掲げる。
そこにはただ一言、こう掘られていた。
教会にて待つ。
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